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2023 年は 18 登壇していたので、発表の準備プロセスを振り返る

Last updated at Posted at 2023-12-17

この記事の概要

「2023年は相当登壇したなあ〜!」と思って数えたら、1 年で 18 登壇していました。
これは対外的なものだけをカウントしているので、社内イベントでの発表も含めれば 20 を超えます。
世間の平均値や中央値は知りませんが、多分結構登壇している方だと思います。

普段自分がやっていることをまとめておくだけでも、今後の誰かの役に立つのかもしれないと思い立ったため、記事にしてみました。

登壇したイベント

5 分 の LT から 2 時間の話まで、種類は色々ですがまとめました。

日時 タイトル
2023/02/09 CSS Nite チーム全員でUIデザイン 今日からはじめるFigma入門
2023/03/24 デザナレ展 | 謎に包まれた仕様書やFigmaを一挙にさわれる展示!リアルで見知れるデザインプロセス
2023/05/28 Figma勉強会 @スタメンオフィス
2023/06/03 ポートフォリオ展とインターン展 2023
2023/06/06 Config2023 Recap in Goodpatch
2023/06/17 CSS Nite チーム全員でUIデザイン 今日からはじめるFigma入門 2
2023/06/17 ReDesigner Online Meetup
2023/07/08 WCAN mini 2023 Vol.1
2023/07/27 「Figmaデザイン入門」著者が教える!はじめてのFigmaワークショップ @名古屋
2023/08/20 なごデLT
2023/09/25 名古屋学芸大学 講義
2023/10/27 みんなでわいわい!デザイナーやデザインに興味のある方の懇親会 @名古屋
2023/11/02 名古屋学芸大学 卒業生イベント
2023/11/02 #朝までマークアップ
2023/11/20 実装の観点からみたUXデザインに対するデザイナーとエンジニアの心構え【キニナルDevOps講座 vol.8】
2023/11/21 つくって終わらないブランドの裏側 ー エイチームのブランドデザイン ー
2023/12/02 WCAN 2023 Winter & 忘年会
2023/12/16 次世代Webカンファレンス2023

発表内容の概要を考える

最近はイベントにお誘いいただくことが増えましたが、自分から応募するときも変わらない内容です。

イベントの内容とターゲット層から、話すカテゴリーとレベルをざっくりと決めます。
例えば以下のような具合です。

  • UI デザイン x 最近独学で学び始めた人
  • マークアップ x 実務でも結構触れている人
  • 特定のツール x 最新情報を追いたい人

上記が決まったら、もう少し話題を絞り込みます。

次のような観点などを持ちながら具体的なトピックを絞り込みます。

  • 既に世の中にありそうな内容でも、実体験をもとに分かりやすく具体化できないか
  • 最近ちょうどタイムラインを賑わせているような話題はないか
  • 他の人が話題にしていないような、少し変わった話題はないか

このとき「この程度の内容、他の誰かが既に解説しているのではないか?」などの不安が出てくると思います。
しかし重要なのは「自分なりの言葉として説明できる内容か」です。

私の場合は、二番煎じ的に思えても、自分の言葉や体験をもとにしっかり説明できるのであれば OK としています。

逆に、誰かの説明を真似たような説明しか出てこない場合はボツにします。
どれだけウケそうな話題だったとしても、借り物の言葉しか浮かばないなら諦めます。
多分質問とかにも答えられないですし、わざわざ時間をかけて見てもらうのも失礼です。

ただし別途勉強して、自分の言葉で説明できそうになったら登壇トピックとして取り上げることはあります。

原稿を作る

話す内容が決まったら原稿を作ります。
私は多分珍しいタイプなのですが、最初はまったくスライドを作らず、ひたすら文章を書きます。

いつも、発表時間(分) * 300 を文字数の目安としています。

二次情報ばかりなのでリンクを貼るのは控えますが、NHK のアナウンサー曰く「1 分に 300 文字のペースで話すのが一番聞きやすい」とのことでした。
情報の出所の真偽は分からないものの、実際このペースを目安に話すとちょうど良く進められる感覚があります。

よく冒頭の自己紹介やアイスブレイクで長々と話し、後半が詰まってしまう人がいます。
アレは良くないと思っているので、アイスブレイクをするつもりの場合はその文量まで原稿に組み込んでいます。

また、途中でちょっとした質問や投げかけを挟む場合も、何秒くらい停止する想定なのかを決めています。

発表の練習をする その 1

原稿ができたら時間を計りながら音読をします。
このときもまだスライドはありません。

文章としては自然でも、いざ読んでみたら長すぎるとか、言い回しが不自然とか、たくさん出てきます。
よくあるのが、接続が多すぎて何をしゃべっているか分からなくなるパターンです。
対策としては「1 文は可能な限り短くする」です。

発表時間が 30 分を超えてくると通しで読むのも結構キツいですが、それでも 2 回は通しで読んでいます。
1 回目は違和感探しをメインに、修正した上で 2 回目を読んでスムーズに行くかの確認、という具合です。

スライドを作る

綺麗なスライド作成のテクニックについてはこの記事では触れません。

いよいよスライド作成です。
スムーズに原稿が読めるようになっていれば、どこからどこまでを 1 枚のスライドとして見せたいのかが、大体浮かんでいるはずです。

極論、1 枚のスライドだけで 10 分も静止していたら聴衆は飽きます。
かといって 2 秒おきにスライドをめくっていると、理解が追いつきません。
ひとまとまりの内容を話す間は 1 - 2 枚のスライドで済むように情報量を調整すると良いと思います。

また、たまにスライドを行ったり来たりさせながら話す人がいます。
あれは見づらく聞きづらいので辞めた方が良いでしょう。
一方通行でちゃんと理解できる構成にした方が良いです。

この「情報がひとまとまりになっているか?」「行ったり来たりせず分かりやすい構成か?」という観点は音読しないと掴みづらいです。
黙ってスライドだけを見ていると、なんとなく OK な気がしてくるものです。


現場の資料投影状況が分かっている場合、それをスライドに反映させることもあります。

例えばオンラインイベントなら、やたら細かい文字でもなければ結構読めます。
しかしオフラインイベントで、かつ会場が広いような場合、結構大きめにしないと後ろの人がまったく読めないなんてことも。

特にデザイナーは絵作りのカッコ良さの一環で文字を小さくしがちなので、自分を戒めながらフォントサイズを選んでいます。

原稿をスライドと同期させる

スライドができたら原稿に少しだけ手を入れます。

私は、スライドをめくるところで段落を変えて、1 行の空白を挿入します。
こうすることで、スライドあたりの話す量が可視化されるのと、ノートを見ながらページ切り替えタイミングを掴めます。

どうしても緊張して、スライドの中で原稿のどこまで話すのか忘れてしまう場合もあります。
そのため、原稿にも工夫してスライドめくりのタイミングを間違えづらいようにしています。

発表の練習をする その 2

原稿とスライドが揃ったら、もう一度発表の練習をします。
このときはできるだけ本番と近い環境を再現します。

資料をフルスクリーンで表示し、原稿を iPad など別デバイスに映して、目線を架空の聴衆に向けながら話します。
ハンズオンの場合であれば、スライドとツール画面の切り替えも含めて練習します。

このあたりで手間取るとスマートさが損なわれるので、割と気をつけています。

近い話題として、画面投影時に気をつけていること全般をまとめた記事もあります。
こちらも良ければご覧ください。
書いてあるような内容を、この練習でも意識しています。

資料を公開する

主催者に OK をいただいた上で、イベントの前日など開催前に資料を公開するようにしています。

「当日は資料を書き写すのに必死で、話を聞く余裕が無かった」なんて体験は非常にもったいないです。
事前にある程度目を通しておいてもらって、当日は気になる箇所を特に重点的に聞いてもらいたい、という思いがあります。

発表する

練習の成果を出します。

割とたくさん登壇しているのに、未だに相当緊張するため、当日の記憶はあまりありません。
すみません。

多少トチっても大丈夫なくらい練習しておくのが良いと思います。

アンケートなどから改善する

イベントによりますが、アンケートを配布していて結果をいただけることもあります。

自分でも理解している失敗であればまあ良いのですが、予期していない意見があったらちゃんと振り返ります。
どうすれば上手く伝わったか、シミュレーションして「次回似たようなイベントがあればここを気をつけよう」とリストにしておきます。

一方でイベントターゲットから外れた人からの意見であれば「そういうこともある」と割り切るのも大切です。

よくあるのは「初心者向け」を銘打ったイベントに上級者(と思われる方)が来ていて「簡単過ぎ、こんな程度じゃ……」といった苦言を記載される場合です。
あまり真に受けすぎると、次回は大多数の初心者を置いてけぼりにしてしまうセッションをしてしまう危険もあります。

また、書くのは少し恥ずかしいですが相当にエゴサもします。
「あの発言、こうやって受け取られていたのか」「この話題が言及されると思ったら、こっちか」など、色々な発見があります。
話し方とかスライドめくりとかのフィードバックはエゴサくらいでしか得られないため、少しつらい書かれ方の場合もありますがしっかり見るようにしています。

いずれにせよ、全体を眺めて、取り入れるべきかそうでないかの判断をします。

「甘えるな」と言われてしまえばそれまでですが、アンケートにせよ SNS 投稿にせよ、生身の人間相手に対する言葉遣いじゃないだろう……というものはそれなりにあります。
あなたが毒舌キャラなのはあなたの自由ですが、イベントとは運営や登壇者だけが作るものではなく、参加者の態度も含めて出来上がるのだと理解していただけたら嬉しいです。

最後に

振り返ってみると、自分で思っていたより体系化されていました。
毎回ほぼこの流れで実施しています。

ちなみに格好つけた書き方をしていますが、資料の完成や練習の完了は、大抵イベント当日の朝 7 時とかです。
まだ改善の余地がありそうです。

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