Ateam Brides Inc. Advent Calendar 2021の21日目はデザイナーの綿貫(@xrxoxcxox)がお送りします!
この記事の概要
「アクセシビリティが大事」と聞く機会は多いのではないでしょうか。
その一方で、アクセシビリティとは一体何なのか?どうして重要なのか?をしっかり聞く機会は少ないかもしれません。
そんなアクセシビリティについて、仕事で開発するにあたり役立つであろうポイントを記事にしてみました。
私自身は、仮に仕事に役立たなくてもアクセシビリティは大事にすべきだと思っています。
しかしまずは「役立つ」側面を知ってもらえた方が興味を持ってくれる人が多いだろうと判断してこういったタイトル・構成にしました。
商業的な側面だけでアクセシビリティを捉えているわけではないことをご理解いただけますと幸いです。
アクセシブルとは
- access + able
- つまり、アクセスができるという意味
- 一般的に想像されるような「どこかの場所へのアクセス」だけでなく、情報を入手できるとか物が使えるとか、そういう広い意味で使われる
Tim Berners-Leeの言葉
The power of the Web is in its universality. Access by everyone regardless of disability is an essential aspect.
- 拙訳
- Webの力はその普遍性にある。障害の有無に関係なく、誰もがアクセスできることがその本質である。
- Tim Berners-Lee=World Wide Webを作った人
- Webは生まれながらにしてアクセシブルであることが1つの存在意義である、と捉えられる
“アクセシブル”の捉え方
- よく生まれがちな誤解として「アクセシビリティ向上=障害のある人向けの対応」の認識がある
- どちらかと言えば「アクセシビリティ≒ユニバーサルデザイン」と捉えた方が良い
- 特定の属性の人専用のものを作ると当然それが使えない人も出てくる
- 以下の例では
車椅子用昇降機
- 車椅子に乗っている人には便利
- しかしそれ以外の人は使うことができない
- しかしエレベーターであれば怪我があってもなくても車椅子でも関係なく使える
- 最初から「いつでも誰でも使えるようにしよう」と考えてエレベーターを作るのが「アクセシビリティを考えた事業開発」と言える
- 以下の例では
人の属性と、使用可能かどうか | 階段 | 車椅子用昇降機 | エレベーター |
---|---|---|---|
足に怪我などがない人 | ○ | × | ○ |
車椅子に乗っている人 | × | ○ | ○ |
怪我をして松葉杖をついている人 | × | × | ○ |
アクセシビリティを向上するとどういうメリットがあるか
- 機会損失が少なくなる
- キーボードや特殊なデバイスで操作している人もちゃんとサイトが使える
- たまたま今怪我をしていたり病気にかかっている人も問題なく使える
- 会社・事業として力を入れたくなる1番の理由はこれ?
- 知覚される価値が上がる
- 昨今の企業は多様性や持続可能性を大事にし始めている
- そういった企業は「良い取り組みをしている」と認識される
- 本来は打算的に捉えるものではないが……
- 人が平等にアクセスできる機会を提供するための取り組みなので、アクセシビリティ向上も「社会的な良い取り組み」であるはず
- 開発がやりやすくなる
- アクセシビリティを意識したコードは何が書いてあるか分かりやすい
- 「JavaScriptよりもTypeScriptの方が一目で型が分かって開発がしやすい」のと似たイメージ
- HTMLだけでは現代のアプリケーションにおける様々な役割や状態に対応しきれない
- 適切なAttributeやWAI-ARIAはそれを補完してくれる
- アクセシビリティを意識したコードは何が書いてあるか分かりやすい