コードはAIに任せた。インフラ設計だけで作った「時給10円・完全使い捨て」のFactorioマルチサーバーSaaSの裏側
[お断り]
この技術記事の執筆も、私が箇条書きで伝えた開発の動機や思想をベースに、AI(LLM)を使って出力・整理したものです。コードだけでなく、ドキュメンテーションもAIに任せることで、最も整理された読みやすい形で知見をお届けします。
こんにちは。一昨日(2026年8月22日)、Factorioのマルチプレイ専用サーバーをブラウザからボタン1つ、2分未満で自動構築できるSaaS**「EZ-Fac」**をリリースしました。
- サービスURL: https://ezfac.net
このサービス、バックエンド(FastAPI / Redis Streams)から、VPS(Vultr)のライフサイクル制御、ゲーム機側の常駐Agent、フロントエンド(Cloudflare Pages)まで、実装コードの9割以上はAI(LLM)が書いています。
私自身がやったのは、**「徹底的なアーキテクチャ設計」と「バグの原因推測」**だけです。
コードの価値がコモディティ化した現代において、人間が「設計の合理性」と「AIのコントロール」に徹すると、どれだけ強力なインフラ自動化SaaSが1人で生み出せるのか。その裏側の思想を共有します。
1. 解決したかったゲーマーの不条理
友達とFactorioでマルチプレイをしようとすると、これまでは2つの高い壁がありました。
- 技術の壁: 「黒い画面(Linuxコマンド)」の操作や、ルーターの「ポート開放」で挫折する。
- コストの壁: 誰も遊んでいない平日の昼や深夜の間も、月額1,000〜2,000円のVPS代を払い続けなければならない。
ゲームサーバーの auto_pause(プレイヤー不在時にゲームを一時停止する機能)を使っても、VPSのインスタンスが起動している限り、クラウドの課金メーターは回り続けます。
これを解決するために作ったのが、**「遊ぶ時だけボタン1つで2分で爆誕し、遊び終わったらセーブを退避して『インスタンスごと完全消滅』する、1時間10円〜の完全従量課金SaaS」**です。
2. 徹底的に「手動の合理性」を自動化したインフラ設計
「停止時にVPSごと破棄する」という超攻撃的なコストカットのアイデアは、開発に入る前、自分が手作業でマルチサーバーを建てるならどうするかを考えた結果でした。
- VPSを借りてゲームサーバーを用意する
- 退避していたセーブデータを注入して遊ぶ
- 遊び終わったらセーブデータをVPSから抜き取る
- VPSインスタンスを削除して課金を止める
手動でやるとしても、これが最もコストを抑えられる究極のやり方です。「EZ-Fac」は、この泥臭いステップをプログラムで自動化しただけに過ぎません。
「2分未満」で起動させるための回線設計
空のOS(Vultr Ubuntu)をAPIで叩き起こしてから、ゲームが起動してプレイヤーがログインできるようになるまで、実測で1分56秒しかかかりません。
この爆速化を支えているのは、Cloudflare R2を活用したキャッシュ設計です。
FactorioはMODの導入が盛んですが、起動のたびにVPSから公式のMOD Portalへ直接ダウンロードに行くと、ポータルの回線速度がボトルネックになります。
「公式ポータルより、Cloudflare R2のほうが確実に回線が太いはず」
そう考え、一度誰かがダウンロードしたMODデータは、バックエンド側で解決してR2にキャッシュ。VPS起動時には、R2からの署名付きURLを用いて並列で爆速ダウンロードさせる構造にしました。結果として、MOD入りサーバーであっても2分未満という、等倍の動画で収まるほどの起動速度を実現しています。
3. 「AIが出したコードは見ない」究極のAI駆動開発スタイル
多くのエンジニアは、AIが書いたコードを1行ずつレビューして修正しようとします。しかし、私はAIが出したコードを直接見たりは基本的にしません。
コードそのものの価値がコモディティ化した時代に、人間がコードを1行ずつ追うことに腰を重くする必要はないと感じているからです。私が行ったのは、徹底した**「ブラックボックステスト」**です。
1から再出力させるプロンプト戦略
AIが書いたプログラムに対し、思いつく限りのエッジケース(例:ユーザーのクレジットが途中で枯渇した時、安全にゲームを保存してサーバーを殺せるか?など)を想定したテストを行います。
もしテストで問題が発生した場合も、コードのデバッグはしません。
*「なぜそのような挙動になるのか」*の構造的な原因を脳内で推測し、そのバグを確実に潰すための仕様をプロンプトに組み直して、1からコードを再出力させます。
人間がコードを見るのは、以下の2つの例外的な瞬間だけです。
- 問題の原因を推測するのが、どうしても困難な場合
- コードで整形したUIなどの、見た目の細かな微調整を行う場合
ロジックの構築はすべてAIに任せ、人間は「システムの仕様(State)」と「入力(プロンプト)」のコントロールに徹する。これこそが、数日でマルチレイヤーのインフラSaaSを完成させた開発スピードの秘密です。
4. おわりに
「何を、どう組み合わせれば、最も安く、最も速くユーザーの課題を解決できるか」というアーキテクチャの設計図さえ人間が描ければ、実装はAIがすべてやってくれる時代がすでに到来しています。
リリースしたばかりの「EZ-Fac」ですが、現在システム負荷や実運用の検証を行うため、βテスターとしてご協力いただけるエンジニアやFactorioプレイヤーの方を大募集しています!インフラの自動化や割り切った設計に興味がある方は、ぜひ触ってみて率直なフィードバックやバグ報告をいただけると嬉しいです。
- EZ-Fac公式サイト: https://ezfac.net
- 公式X: @ezfac_official
- 公式Discord(稼働テストにご協力いただける方向けに、500円分の検証用クレジットを配布中です!): https://discord.gg/xJaYCa6dmq