手順
監視ホストにインストールした Datadog Agent
でSNMP Checkを利用するため /etc/dd-agent/conf.d
ディレクトリ内にある snmp.yaml.example
をリネームし snmp.yaml
を作成します。
##機器への接続情報を設定する
instances:
- ip_address: 10.10.10.10
port: 161
community_string: citrix
snmp_version: 2
timeout: 1
retries: 5
enforce_mib_constraints: true
ここでは監視対象の IP
port
community名
snmpバージョン
を指定します。
##OIDでの取得
metrics:
- OID: 1.3.6.1.4.1.5951.4.1.1.41.6.1.2
name: nsCPUusage
- OID: 1.3.6.1.4.1.5951.4.1.1.41.2
name: resMemUsage
機器のOIDをsnmpwalkやCitrixの公式リファレンスを参考に取得したいOIDとDatadog上でのメトリクス名を指定します。
##MIBとSymbolを指定
metrics:
- MIB: IF-MIB
symbol: ifInOctets
直接シンボルを指定し取得する事も可能です。
##動作確認
snmp.conf を設定後 service datadog-agent restart
エージェントのリスタートを行い service datadog-agent info
コマンドで正しく値が取得できていることを確認します。
snmp (1.3.1)
------------
- instance #0 [OK]
- Collected 274 metrics, 0 events & 1 service check
このようにCollected metrics
と正しくメトリクス数が表示されて取得が開始されている事が確認できます。
もし取得が上手く出来ていない場合は /var/log/datadog/collector.log
からエラー内容を確認してください。
ダッシュボードから取得した値を表示し上手く取得が出来ている事を確認できました。
ベンダー固有の拡張MIBファイルの設定
ここまでは簡単に取得する事が可能でしたが、ベンダー固有の拡張MIBを取得したい場合、Zabbix等ではMIBファイルをサイトからDLしてきて配置するだけで利用可能ですが、Datadogの場合そのまま配置する事が出来ないので ysnmp
形式に変換したファイルを用意する必要があります。Datadogの公式リファレンスに情報が少なくいくつか試行錯誤が必要が必要でした。
変換の用意
変換するにあたり、pysnmp
に包容されている build-pysnmp-mib
コマンドを実行する環境の用意が必要になります。 SNMP library for Python または Package Index pysnmp 等から準備してください。
MIBファイルを入手
NetScalerの場合は、機器にGUIからログインしDownload > SNMP Files に用意されています。 今回は`SNMP v2 - MIB Object Definitions`を利用します。 各ベンダーによって取得方法が異なるので、 [Junos OS Enterprise MIBs](https://www.juniper.net/documentation/en_US/release-independent/junos/mibs/mibs.html) や [Cisco MIB tools](https://mibs.cloudapps.cisco.com/ITDIT/MIBS/servlet/index) などから対象機器のファイルを取得してください。 ## MIBファイルを変換 用意したMIBファイルを`build-pysnmp-mib`コマンドを利用し `ysnmp` 形式に変換します。build-pysnmp-mib -o 変換後ファイル名.py 変換したいMIBファイル名.mib
変換が完了するとpython形式のファイルが作成されました。
変換後のPythonファイルの読み込み
変換したPythonファイルを /etc/dd-agent/mibs
というディレクトリを作成し配置します。
init_config:
mibs_folder: /etc/dd-agent/mibs
Datadogから作成したディレクトリを読み込むために snmp.yaml内の init_config
に先程作成したディレクトリを追記します。
拡張MIBの指定
- MIB: NS-ROOT-MIB
table: vlanEntry
symbols:
- vlanTotRxBytes
- vlanTotTxBytes
metric_tags:
- tag: vlan
column: vlanAliasName
今回はCitrixの拡張MIBで取得できる、Vlan毎の受信と送信量を監視するため vlanTotRxBytes
vlanTotTxBytes
を指定しました。カラムには vlanAliasName
を指定して各Vlan毎のエイリアス名と紐付けるようにしています。
動作確認
追記後 service datadog-agent restart
エージェントのリスタートを行ったところ以下のエラーが発生しました。
- instance #0 [WARNING]
Warning: Fail to collect some metrics: MIB module "/etc/dd-agent/mibs/NS-ROOT-MIB.py" load error: ['Traceback (most recent call last):\n', ' File "/opt/datadog-agent/embedded/lib/python2.7/site-packages/pysnmp/smi/builder.py", line 331, in loadModule\n exec (modData, g)\n', ' File "<string>", line 1005, in <module>\n', "NameError: name 'Counter64' is not defined\n"]
Warning: Fail to collect some metrics: MIB module "/etc/dd-agent/mibs/NS-ROOT-MIB.py" load error: ['Traceback (most recent call last):\n', ' File "/opt/datadog-agent/embedded/lib/python2.7/site-packages/pysnmp/smi/builder.py", line 331, in loadModule\n exec (modData, g)\n', ' File "<string>", line 1005, in <module>\n', "NameError: name 'Counter64' is not defined\n"]
- Collected 0 metrics, 0 events & 1 service check
変換後のPythonファイルでシンタックス Counter64
が何故か定義されていなかったようです。
( Bits, Counter32, Counter64, Gauge32, Integer32, Integer32, IpAddress, ModuleIdentity, MibIdentifier, NotificationType, ObjectIdentity, MibScalar, MibTable, MibTableRow, MibTableColumn, TimeTicks, TimeTicks, enterprises, ) = mibBuilder.importSymbols("SNMPv2-SMI", "Bits", "Counter32", "Counter64", "Gauge32", "Integer32", "Integer32", "IpAddress", "ModuleIdentity", "MibIdentifier", "NotificationType", "ObjectIdentity", "MibScalar", "MibTable", "MibTableRow", "MibTableColumn", "TimeTicks", "TimeTicks", "enterprises")
あらためてシンタックスを定義したところ正しく読み込む事ができました。
実際にダッシュボードから取得した値を表示しToplistとグラフを利用し、Vlan毎の送信・受信量の監視とVlan毎のグラフを表示する事が出来ました。値の中には指定したVlanと紐付いているエイリアス名が表示されているので、どのサービスが多く通信を行っているのか一見して確認することが出来ます。
まとめ
今回はDatadog SNMP Integrationを利用してオンプレミス環境にある Citrix NetScalerの監視を行いましたが、監視を行うまでのハードルは高いものの、Datadogはネットワーク機器の監視にもかなり使えそうです。また今後は Datadog logs を利用したsyslogの監視も検証してみたいと思います。
参考