アドベントカレンダー8日目になりました。
業務でMySQL 5.7とMySQL 8系を触る中でutf8mb4文字コードのデフォルトの照合順序で詰まることがありました。この記事では、照合順序について書きたいと思います。
照合順序とは
照合順序(Collation)は、データベース内のテキストデータ(文字列)を比較する際のルールや規則のセットのことです。照合順序は、文字列のソート(並べ替え)や文字列同士の比較に影響を与えます。異なる言語や文字セット、地域で使用されるテキストデータに対して、適切な比較やソートを行うために必要です。
照合順序の要素
1. 大文字と小文字の区別
照合順序によって、文字列比較時に大文字と小文字を区別するか、区別しないかが決まります。ケースインセンシティブ(大文字小文字を区別しない)やケースセンシティブ(大文字小文字を区別する)などがあります。
2. アクセント記号や発音の違い
一部の照合順序では、アクセント記号や発音の違いを無視したり、正確に比較したりする方法が異なります。例えば、"é"と"e"を同じとみなすかどうかが照合順序によって異なります。
3. 文字の順序
照合順序は、文字のソート順序を定義します。異なる言語や地域では、文字の順序が異なることがあります。例えば、英語とフランス語ではアルファベットの順序が異なります。
4. 文字セット
照合順序は、使用する文字セット(character set)に依存します。UTF-8やLatin-1など、さまざまな文字セットが存在し、それぞれに対応した照合順序が提供されます。
照合順序の選択
データベースアプリケーションを開発する際、正確なテキストデータの比較と検索が重要です。照合順序は、データベース内の文字列をソートする方法や比較する方法を制御します。したがって、照合順序の選択はアプリケーションの要件に依存します。特定の言語や地域、テキストデータの特性に合わせて最適な照合順序を検討し、適切な比較と検索を確保する必要があります。
MySQL 8のutf8mb4デフォルト照合順序の違い
例えばMySQL 8では、utf8mb4デフォルトの照合順序はutf8mb4_0900_ai_ci
です。
ci
は"Case Insensitive"(大文字小文字を区別しない)を意味しています。この照合順序では、大文字と小文字を区別せずに文字列を比較します。つまり、"A"と"a"は同じとみなされます。
ai
は"Accent Insensitive"(アクセントを無視する)を意味しています。これにより、アクセント記号や発音の違いを無視して文字列を比較します。例えば、"café"と"cafe"は同じとみなされます。
utf8mb4_0900_ai_ci
は、Unicode規格のバージョン9.0.0に基づいています。新しい文字や絵文字に対するサポートが向上しており、より広範な文字セットを正確に比較できるようになっています。
おわりに
データベースシステムは、細かい設定を通じて多言語対応や正確なデータ操作を実現していることを感じました。