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同人プロジェクトマネジメント入門:人間関係編その1

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同人プロジェクトマネジメント入門の目次はこちら


はじめに

人間関係というのも、プロジェクトの進行を左右する重要な要素です。
メンバー同士が良い連携をするからこそ生まれる生産性というのもあるでしょう。
その1では、日常的に人間関係を構築するテクニックを紹介します。

注意点

人間関係維持のテクニックはあくまで補助的な要素です!
というのも、基本的に仕様書や計画が無茶を言わない限りは人間関係が大きく破綻することはないのです。
大抵の場合「あいつがこの仕事しない」に代表されるような、プロジェクト内部の軋轢が人間関係の悪化を招きます。
つまり、基本的なタスクの管理をやることが人間関係を充実させる最大の方法だということです。

人間関係を構築する意義

仕事と友情を抱き合わせる

友情・努力・勝利は漫画の世界の話ですが、実はある程度相関します。
その理由は、「メンバー間の友情があれば、人間関係の悪化を恐れてプロジェクトからの離脱が難しくなるので、強制的に努力する圧力が生まれて、最終的にプロジェクトの完成確率が上がる」という理屈です。
確かにこれは村社会な仕組みですが、そもそも、同人プロジェクトは個人の権利を守りつつ働かせるような仕組みを持っていません。モチベーションが最初が最高潮であとから急速に切れていくからです。ある程度の強制力は必要悪です。
加えて、個人個人の目線からすると、働くより働かない方が最適な選択という状況でも、全体の目線からすると、全員に働かせてプロジェクトを完成させた方が、プロジェクトが炎上して失敗するよりも結局みんなが幸せになるという最適な選択だと思います。

連絡が密になる

もしメンバーと雑談する機会が定期的にあるならば、雑談に交えて進捗報告や進捗確認をすることで、連絡の頻度が一気に上がります。仕事の巻取りや配分のための情報が一気に増えることで、計画を立てやすくなる効果も期待できます。

指示が通しやすくなる

人間関係がないビジネスのようなドライなプロジェクトでは、モチベーションを削るような指示を出しにくいです。
強制的な仕様変更や強制的な仕事の割り当て変更などです。マネージャーはある程度権力を使ってプロジェクトを回す必要があるのですが、そのような指示を出すときに十分な信頼関係あれば、よくよく説明することで納得ないし割り切ってもらうことが出来ます。これは、本質的に上下関係がない同人プロジェクトで疑似的に権力を獲得する手段として最も有力です。

モチベーションを喚起しやすい

一人でやっているよりも、みんなでやっているほうが、良い意味で流されることで、モチベーションが生まれやすいです。プロジェクトメンバー同士で熱意を高めあう環境があった方が、やはりプロジェクトの進みはいいです。

モチベーションを維持するためのアドバイス

毎日会話しよう

上下関係のある人間関係だと、むしろ距離感が近すぎたらしんどいこともあります。しかし、同人プロジェクトではフラットな人間関係をベースにしているので、親睦を深めやすいです。
そのコツは、会話する場を多く整備するということです。同じような興味を持った人間が集まっているはずですし、まさにプロジェクトという共通の話題があるわけですから、場さえ整備すれば仲良くなれるはずです。したがって、雑談が出来るような場を作るには、出来るだけ多くの回数の会話の機会を設けるのが大事です。Discordの雑談チャンネルに常駐したり、会議後にどうでもいい話題を振ったりして、コミュ力を振り絞りましょう。

対面活動を増やそう

ご時世的に怒られてしまうかもしれません。しかし、特にオンライン型の活動は、コミュニティの維持には向いていても、会話が自然に始まる場を作るのが苦手で、コミュニティの生成には向いていません。偶然の出会いや相手の身振りなどの情報量からコミュニケーションがうまくできる、というのは人間の不思議ですね。対面活動が多ければ、それが単なる雑談レベルで会っても、人間関係はある程度うまく回っていきます。

褒めよう

何らかの成果物が上がったら、とりあえず「おお!」とか「すごい!」とか「素晴らしい進捗!」とか言っておきましょう。とりあえず褒められた側は悪い気はしないです。また、褒めるときには多くの人間の前で褒めるとより効果的です。

尊厳に注意した進捗確認をしよう

誰も見えない密室となるDMで、進捗が出ないことについて説教なんてされたら、モチベーションが完全消滅すること間違いなしです。逆に出来てないことを列挙するような発言を全体グループでされたら、辱められたと感じる人だっているでしょう。進捗確認はかなり感情的になりやすい部分です。

根回しは大事

権力の発揮にはやはり強制や摩擦が伴うものです。この摩擦を減らすには、公式に作る会議だけでなく、根回しを行っていくことも重要です。
例えば、事前に過半数を説得したうえで、「みんなで決めた」として責任を分散させ、集団の論理で個人を納得させれば、個人vs個人よりも角が立たないです。
また、効率のいいトップダウン型の強制命令よりも、裏でゆっくり話しながら要求を飲ませたり交渉したりした後に、みんなが参加する公式の会議では角が立っていないように見えるように議論を進めていく方がよいでしょう。
人が最大の経営資源ですから、プロジェクトメンバーの機嫌を取るためのコストも広義には開発予算です。

おわりに

同人プロジェクトでビジネスのプロジェクトのような「ドライで合理的なかっこいいホワイト」運営を目指してもあまり上手くいかないことが多いです。小規模なレベルではどうしても市民社会的な人間関係よりも、村社会的・学校的人間関係が物を言いますし。マネージャーはそれを前提にした運営をすることで対応するべきでしょう。

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