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HP Reverb G2 VRヘッドセットレビュー

Last updated at Posted at 2020-11-29

今日はHP社のReverb G2を紹介します

Reverb G2とは?

2020年末リリースの、HP、マイクロソフト、Valve共同開発のVRヘッドセットです。お値段は税抜6万円。日本は2021年1月中旬販売開始予定。日本は未発売なのに筆者がすでに持ってる理由は、筆者は魔法使いだからです。
https://jp.ext.hp.com/immersive/reverb_g2/
introduction_img1.jpg

片目解像度2160x2160、軽さ500g(ケーブル除く)、4カメラ式のトラッキング。スペックの数値だけ見ると、コンシューマーVRのスタンダードとなるValve Indexの1440x1660と、最近リリースのOculus Quest 2の18321920より遥か解像度が高く、視野角の化け物のPimax 8KX(38402160)より水平の解像度が低いくらいですね。

本レビューは主に比較対象として、Valve Index(とPimax 8KX)になります。(Quest 2持ってません)

筆者のPimax 8KXのレビューはこちら
https://qiita.com/wing_ap/items/7097de23efa89f2cb07d

本文はちょっと長めになりますが、できる限り詳しい情報を伝えたいのでよろしければどうぞ。

筆者について

どこにでもいる一般VRプレイヤーです。バーチャルの世界に行けるということでVRを始めて、ほぼ毎日VR被ってます。常に更なるハイクオリティVRを求め続けている。

#####今まで所持したことあるHMDは
HTC Vive, PlayStation VR, Oculus Go, Oculus Quest, HTC Vive Pro, HP Reverb, Valve Index, Pimax 8KX, HP Reverb G2
Viveの時代からずっとVRと共に生きていました。
#####使用するVRコンテンツ
9割VRChat、他はSteamVRとOculus Storeのゲーム漁ります。合計VR時間3000超え。

VRは完全に趣味ですが、それなりにVR触ってきたのでレビューの客観性を多少高めるのではないでしょうかと思います。

##Windows Mixed RealityとHPとReverbの闇の過去
Reverb G2はMR(Mixed Reality)シリーズの最新作で、MRとはマイクロソフト開発のVRプラットフォーム、WindowsをVRに拡張するシリーズです。MRのアップデートもWindowsアプデで行い、MRシリーズはWindowsと高い融和性持っています。

HP、Acer、Samsungや他の企業も以前それぞれMRのスタンダードでVRヘッドセットリリースしてました。MRの値段は大手HTC ViveシリーズやValveよりは安いものの、売り上げはなかなかよろしくなかったので、近年はHP以外新しいMRがリリースされていません。

Reverb G2はHPの最新作で、HPは1年前くらいにReverb(無印)リリースし、解像度はG2と同じく2160x2160で当時業界トップレベルを誇るVRですが、初期不良率が非常に高く、パネルの故障やケーブルの接続問題で数十分使用したら画面が真っ暗になったり音が出なかったりする超絶失敗作でした。筆者も無印Reverb購入したことあり、最初は画質の良さに感動されながら、すぐ故障し、保証で2回交換してもなお最終的にすぐ壊れるので、結局は今でも部屋のインテリアとして活躍しています(泣)。

Reverb無印の大爆死でHPはMRマーケットから退出するのかなと思ってましたが、なんとG2版作り出したので、無印の問題点が改善されると信じてG2を購入しました。

Reverb G2 使用感

#####画質
世界一です。間違いなく世界一です。720p~1080pのモニターの同じ画質と言っても過言ではありません。頑張って探してもなかなかピクセルは見えません。VR経験者なら「VRなのに画質こんなに綺麗になったもいいんですか!?」くらい驚き、感動して涙流します。SteamVRのデスクトップオーバーレイで、デスクトップの文字が全てストレスなく綺麗に読めて、輪郭もくっきりです。VRChatだと相当距離が離れてる人のネームプレートも読めるようになります。画質的に、Vive/oculus Riftが第一世代、Indexが第二世代なら、Reverb G2は第三世代です。スクリーンドアなんて一切存在しません。ゲーム内だと、物の輪郭の線とテキスチャがとても鮮明に見えるので、立体感も増えます。

Pimax 8KXと比較しても、Reverb G2の完全勝利です。Pimax 8KX(3840*2160)は解像度が高い上、レンズが大きいのも特徴です。レンズが大きくなると、同じ面積のピクセル密度が低くなります。8KXはまだモニター並みの画質に達してないが、G2はそのままデスクトップモニターをVR化した感じがします。

image.png

片目の解像度の数値が高いReverb G2。

image0.jpg

G2レンズ越し写真、ピクセルドットは全く見えない

EnSRqFVVoAA37WE.jpg

G2レンズ越し写真、小さい文字でもが非常に読みやすい

#####視野角
公式データは約114度、体感的は110度くらいで、130度のIndexよりは多少狭く、初代Vive / Rift と同じくらいでしょうか。Reverbシリーズは、ありとあらゆる手を使いピクセル密度を限界まで上げて画質を追求するコンセプト(だと筆者は思ってる)ので、視野角は多少犠牲になっています。2020年のVRにしてはちょっと狭いなーくらいですね。

#####画質のスイートスポット
画質のスイートスポットとは、画面がくっきり見える中心から広がる範囲です。G2のスイートスポットは割と大きいです、日常使用上、ストレスになることはあんまりありませんでした。体感的にIndexよりほんのちょっとだけ狭いくらいです。中心からちょっと離れた文字でも読めます。

#####IPDの設定
G2のIPDは60mm~68mmまで物理的に調整できます。ヘッドセットの下のスライダーで手軽に調整できるのも良き。

#####色
LCDなのにOLED並みの色の鮮明さがあります。色は冷たすぎることもなく、熱すぎることもなく、非常にバランスよく、画面の明るさも丁度良くて筆者は高く評価しています。Indexと同じレベルですね。

#####マイク
ボイスチャットでフレンド数人に聞いたところ、Indexと多少違うが、ノイズはほぼなく、いい音質らしい。注意点としてはReverbシリーズのマイクの音量がなぜかとても大きいので、筆者はマイクの音量設定を10%にしてます。
image.png

#####ヘッドホン
G2のヘッドホンはValveが技術提供してるので、Valve Indexのヘッドホンと(形はちょっとだけ違うものの)全く一緒です。Indexのヘッドホンは音質の良さで有名なので、G2の音質ももちろんとても素晴らしい。

#####ヘッドストラップとフェイスクッションと装着感
これもValveが技術提供してるので、Indexと同じデザインと同じ材質使われてます。違いは鼻マスクとヘッドストラップの後ろにダイヤルがないくらいですね。(VRC睡眠勢にとってはいいニュース!?)
本体の重さは500gくらいしかないので、顔面にストレスはないものの、Indexと比べて全体的にちょっと小さめなので頭がほんのちょっとだけキツイ感じがします。ですが不快になるほどではありません。
小さい眼鏡なら入るかもしれません。
imag8e0.jpg

←Valve Index / HP Reverb G2→ とてもIndexの血統を感じるデザイン

image.png

起動時、正面のHPのアイコンが光るの結構オシャレ

#####コントローラー
ima6ge0.jpg
Reverb G2はMRでありながら、他のMRコンとは別に、新しいコントローラーになってます。フィット感は結構いい感じ。トラッキングはカメラ式で、他のMRよりトラッキング用のカメラが多く(2→4)、旧型MRよりはトラッキングがいいのですが、Oculus系とSteamVR系のトラッキングよりはまだまだ全然劣ります。Oculus Touchみたいな静電容量式タッチ・センサはありません。Indexみたいな指トラッキングもできません。一番の問題点はタッチパッドの撤去です、ゲームによってはバインドの調整が必要かもしれません。VRCなら現時点でデフォルトでは表情の操作ができません。この問題はすでにVRC cannyに報告され、運営はいつか対応すると筆者は信じてます。VRCを楽しむためには今はバインドの設定が必要です。

canny: https://vrchat.canny.io/feature-requests/p/hp-reverb-g2-and-hand-gestures
バインド設定で一応今でもVRC対応できそう:https://twitter.com/kamoneko_san/status/1332523199712555008

######パフォーマンス
重い!それはそう。解像度が高いということはグラボへの負荷が増えることです。筆者はRTX 2080ti使ってますが、VRChatプレイ中は割と重いです、基本的に30~40fpsくらいしか出せません。画質を下げれば軽くなると思いますがそれならG2が泣いてしまうのでできません。多分RTX 3080があれば多少快適になるかなと思っています。

追記:RTX 3090買いました!てへっ!SteamVR解像度100%でVRchatは平均的に55fps前後、VRAMは11-14GBくらい、GPU使用率は80-90%くらい、90%以上に達するワールドもある。

######故障?
筆者はすで1週間Reverb G2使用してたが、数日前は右のパネルが軽く点滅したことがありました。Reverb無印の時も同じことがあったので既視感があってちょっと怖くなったが、そのあとはまだ発症してない。もし購入する予定があるなら、初期ロットはパスしたほうがいいと思います。

追記:2ヶ月使用しましたが、これ以来一回も発作してません。よかった…

Reverb G2のセットアップ

割と簡単です。初回接続したらWindowsが案内してくれると思います。ドライバーはWindowsアップデートで自動ダウンロードするので、もしWindowsアプデがまだ残ってるのなら先に全部終わらせた方がいいかもしれません。
EnL73pCVoAAD3oH.jpg

MRポータル、MRの設定と起動ツールです。Windows内蔵。

SteamVRの起動も簡単です、SteamでWindows Mixed Reality for SteamVR入れたら、SteamVRが自動的にReverb G2を認識できます。あとは普通にSteamVR使えます。
https://store.steampowered.com/app/719950/Windows_Mixed_Reality_for_SteamVR/

SteamVR系のハードとの互換性

SteamVR系ハードとはベースステーショントラッキング方式のハードウェアです。HTCのトラッカーやValve Indexのコントローラーのことです。MRはベースステーション使用しないので、G2でトラッカーとIndexコンを使うのに条件があります。

  1. デバイス1個につきSteamVRドングル1個必要、SteamVR系のHMDがあればドングル2個として使えます。
  2. ベースステーション最低限1個必要、2個がおすすめ
  3. OpenVR-SpaceCalibratorでの設定

トナさんが設定方法をとても分かりやすくまとめてるのでこちらのリンク参照してください
https://tona.hatenablog.jp/entry/2020/11/25/111158

最後に

視野角とコントローラー以外は全て最高です。筆者は今G2とIndexコン繋いで、Index HMDを退役させG2をメイン機として毎日使ってます。デスクトップモニターの画質でVRしたいなら今はReverb G2しかありません。筆者は視野角より画質を重視する人なので、大変満足してるのですが、もし視野角派でしたら、多少もの足りないと思ってしまうのかもしれません。
2020年11月現在、G2コントローラでVRChatするなら、バインド設定しないといけないのも注意点。
総合的に、コスパはいい方だと筆者は思ってるのでVR買う・買い替えするならG2も結構いい選択肢だと思ってます。

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