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エンジニアの組織と役職とオフィサー

Last updated at Posted at 2019-12-11

はじめに

本投稿はエンジニアの組織と役職とオフィサーについて、つらつらと書き連ねる記事である。

書面に書かれていることがすべて、契約をベースに社会が成り立っている契約社会のアメリカでは、詳細に各役員や従業員の役割を定義して契約としてまとめる必要があり、その結果従来よりCEOやCOO,CFOという役割ベースのボードメンバー体制や~マネージャといった細分化された役割に対して固有の名称が与えられており業務の役割が多様化すればその分だけ役職が作成され、それぞれの分野のスペシャリストになることが求められた。

一方、日本の多くの組織では特に役割は定義されず、専務や常務、部長や課長といったようにヒエラルキーの中の序列を定義する強い意味合いの中で配置され、組織内で必要とされる業務を自分のスキルの幅を広げ積極的に巻き取っていくことが評価される等、役職を遂行する者にはジェネラリストとなることが求められた。

ただ昨今その流れも変わり、インターネットが生活インフラとなることに伴い、マーケティングの役割を一つとってもブランディング,ウェブプレゼンス,ソーシャルメディアプレゼンス,ユーザとのタッチポイントの方法等多岐にわたり、従来型の組織慣習である個人がスキルの幅を広げて必要とされる業務を遂行することが難しくなった背景があり、日本の企業でもCMOやCBDOやブランディング部長といったように役割ベースでの役職の定義をする企業が爆裂的に増えてきている。

そのなかで、現代の職人や大工といわれるエンジニアに関わる役職についても、役割ベースを基本に変化してきている。

オフィサー

エンジニアに関する話の本題に入る前に、どんなオフィサーが存在するか調べてみた

基本的なところだと

CEO

会社組織全体の方向性や経営資源の配分等を決定する

COO

CEOが立案した企業戦略にももとづいて、会社全体でどう業務を遂行し企業戦略を達成するかについて
目の前の業務に落とし込み運用することに決定権を持つ

CFO

会社全体の財務計画や経済資源に対して決定権を持つ

CMO

会社全体のマーケティング戦略に対して、最も大きな権限を持つ
ただしマーケティング活動の範囲が莫大なので、徐々にマーケティングからブランディングだけを
切り分けて別のオフィサーを立てる等分派がすすんでいる

CTO

会社全体の技術戦略や研究開発投資について大きな権限をもつ

CIO

CTOが作り上げた技術的な武器をどうIT全体戦略として活用するか、経営とITの両側面を勘案して
会社のIT戦略に対して大きな決定権をもつ

これ以外にも下記の通り、様々オフィサーが存在する

CISO

セキュリティに対する重要性が高まる中で、情報セキュリティをどう確保するかについてのセキュリティ戦略に対して
責任を負う

CPO

個人情報を正しく保存しているかおよびユーザに対しての個人情報の使い方の明示及び許可の方法等の個人情報に
関連する部分で責任をもつ

CBDO

ビジネス開発についての戦略に対して責任をもつビジネスに関連する知識(リサーチ,パートナーアライアンス,マーケティング)を集約し
新規ビジネスや既存ビジネスのグロースを図る

CBO

会社のレピュテーションやウェブでの自社ブランドのブランディングを初めとして、どうユーザやステークホルダーから
評価されるかという所のブランディング戦略に責任を持つ

CKO

会社に散在する知識やノウハウから顧客情報等を収集、管理、可視化し企業活動の効率最大化を図る
知識の中には従業員の強みや弱み、モチベーションや従業員同士の関連性等も含まれる

CLO

企業活動のなかでリーガルの観点から、法に抵触する部分はないか企業法務の最高権限を保有する

エンジニアと役職

終身雇用の概念が薄れ雇用の安定が過去の神話となった現代の労働状況において、会社に帰属して貢献することの見返りが低下し、従業員の会社への忠誠心も同時に低くなっている。
また一人一人の個人が競争力を維持して安定雇用を実現する必要がでており、会社の業務を通して自分自身の市場価値を上げられるかどうかが従業員の労働意欲にダイレクトに結びついている。

エンジニアにとって多くの場合、自分自身の市場価値はエンジニアスキルであり、各メンバーの市場価値向上と企業活動の最大化を結びつける役目が必要となってきており、"VPoE"という役割が生まれている。

現代の職人や大工といわれるエンジニアは、自分自身の中にこだわりがつよい。
コーディングを一つとってもモジュールの粒度はこうあるべきだ等、個人の意見をしっかりもっており尚且つエンジニアリングやコーディングに絶対的に決まった答えはないので、ある視点を切り取ってみるとその主張には正しさがある。

だからこそ、どの視点や方向性が会社として正しいのか技術的に決定する必要があり、CTOがその役目を果たしている。

組織や人事面で、採用及びエンジニアの市場価値と企業活動を結びつけて生産性を向上させるための評価制度や、今いる人材が能力を発揮してポテンシャルを伸ばしていける組織文化や教育体系、また現在あるor将来そう持っていきたい組織文化と、フィットするかどうか見極める人事採用等の技術部分以外で方向性や視点を決定するのが"VPoE"である。

こういった役職が生まれた背景を推察すると、エンジニア組織の難しさとともにエンジニアのビジネスにおける価値の高さを推察できる。

 さいごに

管理する役割として、各メンバーの価値と会社のビジネスのグロースを結びつけるという仕事は予想以上に労力を費やす職務であり、様々な人と意見交換をさせていただく機会のなかで、やはり多くの人が悩み、試行錯誤を繰り返しながら改善し運用しており、今後も時代共にエンジニアの組織は劇的な変化を迎えるなかで、都度都度アダプティブに対応していかなければならない重要な役割である。

明日の記事は@niku_motoさんです。
よろしくお願いします。

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