この記事はウェブクルー Advent Calendar 2025 の 22 日目の記事です。
昨日は @kalzit さんの《Scalaの実装をJavaから参照してみた話》でした。
はじめに
基本情報技術者試験を勉強しているときに、自分が苦手な分野の一つだと感じたのがこのOSI参照モデルです。そもそもOSI参照モデルとは何ぞや?と概要すら掴めず、なかなか理解するのに苦労しました。なので自分なりに噛み砕いて説明したいと思います。
OSI参照モデルとはなに?
基本情報ではハードウェアからソフトウェア、そして企業経営なども勉強する必要があるので、どの分野の何の機能を学んでいるのか分からなくなることがあります。そこでOSI参照モデルは何を説明しているかを明確にしておきます。
OSI参照モデルを一言で表すなら
「通信機能って、どんな仕組みにするの?」を整理した共通ルール(のひとつ)です。OSI参照モデルはネットワークを勉強すると必ず出てくる分野で、分かったような分からないような感じになることが多いです。そこでOSI参照モデルが何かを簡単に説明します。
まずコンピューターが通信をする際には、送り手と受け手で同じルールを共有する必要があります。片方が日本語で話しかけたのに、もう片方が英語で返事をしたらコミュニケーションが成り立ちませんよね。それと同じです。そこで、ISO(国際標準化機構)やITUなどで「データ通信機能はこう定義しましょう」という枠組みが作られており、それがOSI参照モデルです(世界共通の設計図のようなもの)。
OSI参照モデルは郵便と一緒?
OSI参照モデルは7つの段階(7階層)に分かれています。各段階でルール(プロトコル)を設け、そのルールを守ることで通信が可能になります。まず一覧を示します。
| 層 | 名称 | 代表例(プロトコル/機器) | 何をするか(簡単) |
|---|---|---|---|
| 7 | アプリケーション層 | HTTP, FTP, DNS, SMTP | 人が使うサービスを提供する(Webやメール等) |
| 6 | プレゼンテーション層 | 文字コード, 暗号(TLS等) | データ形式の変換・暗号化・圧縮 |
| 5 | セッション層 | NetBIOS(例) | 通信の開始・終了・同期を管理する |
| 4 | トランスポート層 | TCP, UDP | 相手との通信を確実に/高速に行う管理(順序・再送等) |
| 3 | ネットワーク層 | IP, ICMP, ルータ(※ARPはL2/L3の橋渡し) | 宛先指定と経路選択(ネットワーク間の配送) |
| 2 | データリンク層 | Ethernet, Wi‑Fi, スイッチ | 隣接機器間でフレームを交換する(MAC) |
| 1 | 物理層 | ケーブル, 無線, ハブ | ビットを電気・光・電波で伝送する(物理伝送) |
OSI基本参照モデルを通して、インターネットでデータがどのように宛先に届くのかの全体像を理解できます。以下で各層を郵便に置き換えて説明します。
第7層 アプリケーション層
ユーザーが実際に操作するアプリケーションとの接点です。Webブラウザやメールソフトがこの層で動作し、HTTP、HTTPS、FTP、SMTPなどのプロトコルがここで機能します。郵便でいえば、まず何を伝えたいか手紙を書くステップです。
第6層 プレゼンテーション層
データの暗号化や圧縮、データ形式の変換を担当します。送信側(上位→下位)では暗号化や圧縮、文字コードの変換などを行い、受信側(下位→上位)では復号や展開、表示に適した形式への変換を行います。郵便では外国語の翻訳や、プライバシー確保のために封をして鍵をかける作業に相当します。教材によってはTLSをこの層の例とすることがありますが、実装上の位置づけは解説により異なる点に注意してください。
第5層 セッション層
通信の開始から終了までの管理を行います。通信の確立・維持・終了や同期などの手順を規定します。郵便では配達日時の指定や受け取り方法の取り決めのような「会話の約束」に相当します。NetBIOSのセッション機能は古典的な例ですが、現代では多くの機能がアプリケーション層に含まれて扱われることもあります。
第4層 トランスポート層
データの信頼性を保証します。代表的なプロトコルはTCP(Transmission Control Protocol)とUDP(User Datagram Protocol)です。TCPは「書留で追跡・保証を付け、確実にデータを届ける宅配便」のようなもの(接続型・順序保証・再送など)、UDPは「速いが確実性は保証しない速達メール」のようなもの(コネクションレス・軽量)です。
第3層 ネットワーク層
異なるネットワーク間でのデータ配送を担当する重要な層です。ルータやL3スイッチがここで働き、IPアドレスを使って最適な経路を選択し、データパケットを目的地まで届けます。郵便では宛名を書き、どの郵便局を経由して届けるかルートを決める役割です。
第2層 データリンク層
同一ネットワーク内で正確なデータ伝送を実現します。この層で重要なのがスイッチ(L2スイッチ)で、MACアドレスという機器固有の識別子を使ってデータを正しい宛先に配送します。郵便では同じ郵便局内で仕分けして近隣の配達員に渡す部分に相当します。
第1層 物理層
電気信号や光信号、無線信号を使ってデータを物理的に伝送する層です。ここで使われるのがケーブル、リピータ、ハブなどの機器です。郵便では実際にトラックや配達員が手紙を運ぶ動作、道や車そのものに相当します。
最後に
私は基本情報でOSIが苦手でしたが、身近な郵便に例えることでかなりイメージがつかめました。OSI参照モデルは「設計図」であり、実際のインターネットはTCP/IPモデルに基づくプロトコル群で動いている点は押さえておくと良いです。
追記:基本情報技術者試験での意外な敵
12月7日に試験を受ける予定でしたが、意外な敵が現れました。それは「年末年始の行事」と「他の社会人」です。
新制度では試験日の変更が3日前まで可能になり、急な予定が入っても対応できます。しかし、どうしても年内に受けたいと考え、土日に受けられる日を探したところ、自分と同じことを考える人が多く、年内の土日は満席で、結局受験は年明けになりました。年末年始にだらだらせず適度に勉強して正月ボケを防げると自分に言い聞かせ、前向きに捉えたいと思います。
明日は @wc-takahashi さんの投稿です。お楽しみに!
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参考資料
https://career-accompany.com/column/about-osimodel/
https://wa3.i-3-i.info/word1783.html
https://zenn.dev/itpassport/articles/03bd090fa135ba
https://zenn.dev/itpassport/articles/e5e148a19756cc
https://zenn.dev/itpassport/articles/5944d5bd936228
https://www.itmanage.co.jp/column/osi-reference-model/