どうもwatawatavoltageです.今日は,オブザーバについて紹介したいと思います.みなさんはオブザーバという言葉は聞いたことはあるでしょうか? 日常生活でも,「見てる人」って意味で聞いたことがあるかもしれません.あながち外れてはいません.オブザーバは制御工学の分野で用いられる状態推定器のことで,有名なオブザーバはカルマンフィルタでしょう.今回も難しい数式は抜きにして説明したいと思います.
システム制御においてやりたいこと
オブザーバは次のシナリオでよく使われます.今回は,ドローンを例にして紹介します.ドローンを状態フィードバック制御したいと考えると,状態の情報がほしいなって思いますよね.ドローンの状態というと,ドローンの姿勢とかドローンの位置,速度,加速度が挙がりますよね.で,この状態をセンサを使って獲得するわけです.でも,センサで獲得できるのは,加速度の値だけだったりするわけです.ジャイロセンサを使うとそういう状況になると思います.でも,位置と速度の情報も欲しいから,加速度の情報を積分することになると思うのですが,うまく求められないかもしれないかもしれないんですよね.そんなときに,わからない状態を推定できるのがオブザーバです.
オブザーバの構成
じゃあ,どのように推定するか.制御対象のモデルを使ってコピーを作成します.そのコピーがどのような挙動をするかはあらかじめわかっているとします.そうすると,何か入力信号をいれたときにそのコピーがどんな状態になっているかは一目瞭然なわけです.本当に欲しいのは,制御対象の状態なので,このコピーに制御対象につながっているセンサの情報を入力してあげます.そうすると,そのセンサ情報から制御対象のコピーの状態が算出できます.このセンサ情報はもともと制御対象からの情報なので,このコピーの状態と制御対象の状態は一致しているはずです.この制御対象のコピーを作る機構がオブザーバです.
オブザーバがうまく動かない?
もし,状態が一致しないのであれば,それはそもそも状態が求められるような構造になっていなかった可能性がありえます.数式でも書けますが,今回はスルーします.あとは,オブザーバに使っていた制御対象の情報が元の制御対象と全然違うことが挙げられます.いわゆるモデル誤差ってやつです.コピーをつくるのは,すごく難しいってことです.