はじめに
以前こんな記事を書きました。
あれから4ヶ月以上使い込んで、ようやく使いこなせるようになってきた実感があります。
使っていて思うのは、コードを書いたりツールや MCP を呼び出したり、いろんな作業を Claude にやらせている一方で、Claude Code 自体の操作・制御は自分でやる必要があるということです。セッションの切り替え、変な方向に進んだときの巻き戻し、設定やスキルの改善……このあたりを知っているかどうかで体験がかなり変わります。
この記事では、私が日常的に使っているコマンド・スキルを 10 個紹介します。
セッション管理
Claude Code では、1 本の会話履歴のかたまりを「セッション」と呼びます。タスクごとにセッションを切り替えて使うことになるので、このカテゴリのコマンドは必須レベルです。
/clear
今のセッションを終えて、空のコンテキストで新しいセッションを始めます。
ポイントは、それまでのセッションが消えるわけではなく /resume からいつでも戻れること。なので気軽に /clear して大丈夫です。/clear 認証バグ調査 のように名前を渡すと、いま終えたセッションにラベルが付いて、あとで /resume の一覧から見つけやすくなります。
同じセッションのままコンテキストを節約する /compact もありますが、個人的にはあまり使っていません。compact がうまくいかないと文脈が部分的に欠けてその後の応答がブレやすいので、それなら 引き継ぎプロンプトを出力させて新しいセッションに渡す ほうが安定する、というのが今のところの感触です。
/resume
過去のセッション一覧から選んで再開します。
- 昨日の続きをやりたい
-
/clearしたけど、やっぱりさっきの文脈が必要だった - 設定を更新したあとに Claude Code の再起動が必要で、再起動後にさっきの作業に戻りたい
みたいな場面で多用します。再起動が必要なときは、終了時に claude --resume <session-id> で再開するためのコマンドが表示されるので、それを使って戻ることもあります。/clear とセットで覚えておくとよいと思います。
/rewind
会話とコードを過去の状態に巻き戻します。プロンプトを送信するたびにチェックポイントが自動で作られていて、メニューから戻したいプロンプトを選ぶと次の 5 つから操作を選べます。
- 会話とコードの両方を戻す
- 会話だけ戻す(コードは今のまま)
- コードだけ戻す(会話は今のまま)
- そこから先を要約する: 選んだ地点より後の会話を要約に置き換える。脱線した議論を畳んで序盤の文脈は残したいときに使う
- そこまでを要約する: 選んだ地点より前の会話を要約に置き換える。序盤の長い前置きを畳んで直近のやりとりは残したいときに使う
個人的には 会話とコードの両方を戻す か 会話だけ戻す を使うことが多いです。「指示の仕方が悪くて変な方向に進んでしまった」ときに会話だけ戻してプロンプトを書き直す、みたいな使い方ができて便利です。
入力欄が空の状態で Esc を2回押しても開けます。
要約系 2 つは /compact の部分版です。先ほど「/compact はあまり使わない」と書きましたが、こちらは「どこを潰すか」を自分で選べるので、こちらのほうが事故りにくく使う場面はあります。
注意点として、rm や mv など bash コマンドによる変更は追跡されません。戻せるのは Claude の編集ツールによるファイル変更だけです。
Claude Code のカスタマイズ
ここからは Claude Code を自分の使い方に合わせて育てていくためのコマンド・スキルです。個人的にはこのカテゴリが一番のおすすめです。
/insights
自分の Claude Code セッションを分析したレポートを HTML で生成してくれます(~/.claude/usage-data/report-YYYY-MM-DD-HHMMSS.html に保存され、ブラウザで開く形)。
中身は、レポート生成時点のバージョンによって変わりそうですが、私が試したときはざっくり以下のような内容が並んでいました。
- 期間中の使用状況の集計(メッセージ数、編集行数、よく触っているプロジェクト領域など)
- うまく回せていた使い方
- どこで詰まりがちか(friction points)。Claude 側の問題(推測で断言する、CLAUDE.md のルールを無視するなど)と、ユーザー側の問題(前提を最初に渡せていない、など)を切り分けて指摘してくれる
- まだ使っていない機能・パターンの提案
- モデルが伸びていったら可能になりそうな自動化ワークフローの提案
このレポートをもとに CLAUDE.md やスキルを改善する、というサイクルを定期的に回すのがおすすめです。
ただし、レポートは英語固定 です(おそらく日本語化されない)。読みづらいときは、Claude Code に「~/.claude/usage-data/report-...html を読んで日本語で要点だけ説明して」と頼むと、HTML を Read してかいつまんで日本語化してくれます。レポート起点で「じゃあ CLAUDE.md にこのルールを追加しようか」みたいに会話を続けられるので、結果的にこっちのほうが改善サイクルを回しやすい気もしています。
/update-config
settings.json(permissions、環境変数、hooks など)の変更を Claude Code 自身にやらせるスキルです。
Claude Code の設定はスコープ(user / project / local)の使い分けや hooks の書式などそこそこ複雑なので、手で書くより「gh pr view は確認なしで実行できるようにして」「応答が終わったらデスクトップ通知が出るように hook を仕込んで」のように日本語で頼んだほうが速くて正確です。Claude Code の設定は Claude Code に任せましょう。
ただし、permissions.allow の中身は Claude が「ついでに広げて」しまうことがあります(Bash(gh pr view *) の依頼に対して Bash(gh *) を提案してくる、など)。適用前の diff は 自分で読んで確認 して、広すぎる allow が混ざらないようにしましょう。
設定変更の依頼を出すと自動で起動されることもありますが、起動されずに Claude が settings.json を直接編集しようとすることもあります。確実に skill のルートを通したいときは /update-config と明示的に叩くのが安全です。
/skill-creator
スキルの作成・改善を支援してくれる Anthropic 公式のプラグインです。デフォルトでは入っていないので、/plugin から公式マーケットプレイスを追加してインストールする必要があります。インストール手順はこちらの記事が詳しいです。
ゼロから作るだけでなく、既存スキルの改善や、スキルが意図どおりに発動するかの評価にも使えます。自己流で SKILL.md を書くより、ベストプラクティスに沿った形に整えてくれるのが良いところです。
特に効くのは description のチューニング です。description は Claude が「いま、このスキルを使うべきか」を判断する唯一の材料なので、ここが曖昧だと auto-trigger されません。/skill-creator に既存 skill を渡して「もっと発動しやすくして」と頼むと、トリガーになりそうな日本語フレーズを description に並べてくれます。
/fewer-permission-prompts
過去のセッションログをスキャンして、よく実行している 読み取り専用 の Bash・MCP ツール呼び出しを洗い出し、プロジェクトの .claude/settings.json に許可リストとして追加してくれるスキルです。
「全部許可するのは怖い。でも毎回エンターを押すのは面倒」という悩みに、ちょうどいい落とし所を作ってくれます。
ポイントがいくつかあります。
-
読み取り専用に限定:
gh pr view,gh issue list,aws ... describe-*のような副作用のないコマンドだけが候補になります。rmやgh secret setのような書き込み系は候補から外れるので、雑に承認しても事故りにくい - 頻度順に提案: 何回呼び出されたかを添えて並べてくれるので、「毎日叩いてるやつから許可していく」判断がしやすい
-
採用は1件ずつ選べる: まとめて適用ではなく候補ごとに OK/NG を選べるので、
/update-configの節で書いた「広すぎる allow が紛れ込む」事故も起きにくい -
デフォルトはプロジェクト単位、指示すれば user scope にも: 何も指定しないとプロジェクトの
.claude/settings.jsonに追記されます。リポジトリ横断で許可したいときは「user scope に対してやって」と頼むと~/.claude/settings.jsonに書いてくれます
/insights でセッションの振り返り → /fewer-permission-prompts で許可を整える → /update-config で hook を仕込む、と組み合わせると、Claude Code を使えば使うほど自分用に最適化されていきます。
その他
/copy
直近の応答をクリップボードにコピーします。
ターミナルでドラッグ選択してコピーすると、行頭のインデント(2スペース)まで一緒に付いてきて地味にストレスですが、/copy ならその心配がありません。
応答にコードブロックが含まれる場合は、全体か特定のコードブロックかを選べるピッカーが表示されるのも便利です。/copy 2 のように番号を渡すと、2つ前の応答をコピーできます。
なお、/tui fullscreen で fullscreen rendering モードを有効にしていると(バージョンによってはアプデ後の初回起動時にダイアログで聞かれて、そこで OK していればすでに有効になっています)、クリック&ドラッグで選んだ範囲がマウスを離した瞬間に自動でクリップボードに入ります。ターミナル側の選択ではなく Claude Code 内部の選択を使っているので、行頭インデントを巻き込みません。応答の一部だけ欲しいときはこちらのほうが手早いので、/copy と使い分けています。
/loop と /schedule
この2つ、実はコマンドではなくスキルです(/ で呼び出せるので使用感は同じです)。
/loop は、セッションを開いたまま同じプロンプトを繰り返し実行します。
/loop 5m CI が通ったら教えて
間隔を省略すると、Claude が状況に応じて自分で実行ペースを決めてくれます。
/schedule は Anthropic のクラウド上で定期実行されるタスク(Routine)を対話的に作成するスキルです。ローカルのセッションを開いておく必要がある /loop と違って、PC を閉じていても動くのが特徴で、毎朝の情報収集や定期チェックに向いています。
最近の Claude Code はコマンドをバックグラウンドタスクとして実行して完了を待てるようになったので、CI 監視のような用途では /loop の出番は少し減りましたが、それでも外部の状態を定期的に見に行きたいときには重宝します。
おわりに
2ヶ月使い込んでみて手に馴染んでいたコマンドを集めてみたら、セッションの切り替えと Claude Code 自体のカスタマイズに偏っていました。実際の作業(コードを書く、調査する、PR を出す、など)は Claude にプロンプトで頼んでいるだけで、コマンドを叩く出番はあまりなかった、ということだと思います。コードを書くのは Claude Code、Claude Code を整えるのが人間の仕事、という分担になってきている気がします。
また知見が溜まったら記事にしようかと思います。
おまけ:今回紹介したコマンドの分類
/ から呼べるので使用感は同じですが、中身は組み込みコマンド・組み込みスキル・プラグインに分かれます。
| 分類 | コマンド |
|---|---|
| 組み込みコマンド |
/clear /resume /rewind /copy /insights
|
| 組み込みスキル |
/loop /schedule /update-config /fewer-permission-prompts
|
| プラグイン(要インストール) | /skill-creator |