この記事はFujitsuアドベントカレンダー19日目の記事です。
この記事の内容は筆者の所属組織の公式見解ではありません。
何を作るのか
私は週末、車に乗って出かけるのですが、車中泊をする日程になることが多いです。車内でPCを使ったり、タブレットで動画を見たりするのですが、毎回テザリングをONにして、スマホを充電器に接続して・・・は面倒になってきました。
そんなある日、昼休みに某オークションサイトを眺めていたら、こんなものを発見。
この、Si-R G121というルータは、どうやらSIMが2枚刺さるらしい。
SIMが刺さるルータということは、S◯ftBank Airやら、d◯ocomo Home 5Gみたいに、「置いたらネットが使える」みたいな便利アイテムになるんじゃないか・・・とビッグバンのスピードで脳みそをフル回転させながら、「入札」ボタンをポチッとしました(金欠の原因)。
Si-Rとは
Si-Rとは、富士通が販売しているルータです。ルータとしては、YamahaのRTXシリーズや、NECのIXシリーズが有名ですが、富士通も法人向けルータを売っています(売っていました)。
現在は、エフサステクノロジーズという富士通グループの会社に引き継がれ販売が継続されています。
Si-R G121
今回扱うG121という機種は、G120の兄弟機種で、G120の機能に加えて、モバイル回線を利用したWWANを内蔵している機種です。
G120でもUSBを経由した外付けデータ通信モジュールを刺してあげるとモバイルネットワークに接続できます
詳しい機器仕様は上記公式HP中程にあるPDFを読んでいただきたいのですが、重要なのが、モバイルネットワーク部。
au、docomo、SoftBankの3GとLTEに対応しているとのことです。また、それら3社の回線を利用しているMVNOにも対応しているとのこと。

なお、Ciscoルータと同じコマンドをイメージすると、かなり手こずります。
こちらにある「コマンドリファレンス」「コマンド設定事例集」「機能説明書」を読みながら作業し、わからないキーワードは逐一調査することを推奨します。
どのSIMを使うか
auに対応しているということは、もしかしてpovoも使えるんじゃない?ということで、povoを1回線調達。
なぜpovoなのか、それは基本料0円だから(宣伝ではありません)。
そして、せっかくDualSIMに対応しているので、もう一回線ほしい。でもそんなにお金はかけたくない・・・
なので、日本通信のデータ専用プランを契約しました。こちらはdocomo回線。
なんと、このプラン、20GBで1200円です(お得!!)。そして、使わなければ(1GB以下)119円という超お得プラン。
日本通信をメインに、今回はこの2回線で勝負します。
契約方法などは、各公式サイトを御覧ください。
Si-R G121は対応SIMサイズが「マイクロSIM」となっています。
利用したい事業者から提供されるSIMカードがマイクロSIMに対応しているものであることを確認してください。
今回利用する日本通信、povo2.0は「マルチカットSIM」と呼ばれる3種類のサイズに対応したSIMカードであるため利用できました。
※2025年11月現在。変更されている可能性がありますのでよく調べてください。
設定を入れる
さて、ルータとSIMを調達できたので、早速設定を入れていきます。
Si-Rシリーズは原則としてWebGUIを使った設定ができないので、コマンドをConsole経由で入れていきます。
PCとSi-RのConsoleポートをシリアルケーブルを使って接続し、お好きなターミナルソフトを起動します。
ファームウェアアップデート
こういった機械を触ると、毎回のようにバグを踏み抜いて大変なことになるので、まずは公式HPでファームウェアアップデートがないかを確認していきます。
公式HPに「ファームウェアアップデート」と書かれたどうあがいても目に入る巨大なボタンが用意されているのでクリックしましょう

ページ中程にG121の記述を発見しましたが、右側に「装置半数により~」と書かれたリンクがあるので確認します。

このラベルは装置の底面に貼り付けられています。
なにやら装置版数によってインストール可否が異なるとのことなので、入手した本体を確認。
今回入手した個体はREV:A2なので、インストール可能でした。
インストール方法は先程のWebページのバージョン名称をクリックすると表示される、ダウンロードページに簡潔に記載されていますが、詳細に記述すると、
- Si-RとLANで接続、PC側IPアドレスをSi-Rと同一ネットワークセグメントに変更する
- コマンドプロンプトを開く
-
cd [ダウンロードしたフォルダ]で移動 -
ftp [Si-RのIPアドレス]で接続 -
Connected to ~~~と出るはず - Userを聞かれるので、
ftp-adminと入力 - Passwordは空っぽのまま
Enter -
ftp>となるので、binary put [解凍したファイル名] firmware- 転送完了まで待つ
- 完了したら、
byeで切断し、Si-Rの電源を抜いてもう一度刺す
Si-Rの初期状態LAN側IPアドレスは、192.168.1.1/24です
割と簡単な手順ですが、もっと詳細な手順がダウンロードページに欲しかったですね・・・
マニュアルを探すのに手間取りました・・・
アップデートが終わったら、show system informationで実行しているファームバージョンが変更されたことを確認しましょう。
Si-R G121# show system information
Current-time : Wed Dec 17 22:55:35 2025
Startup-time : Wed Dec 17 22:47:49 2025
System : Si-R G121
Serial No. : xxxxxxxx
ROM Ver. : U-Boot 2018.03-00087-gebbec17e63
Firm Ver. : V20.56 NY0140 Thu Mar 13 12:51:48 JST 2025
Running-firmware : firmware2
Firmware1 Ver. : V20.53 NY0108 Wed Jul 5 01:14:01 JST 2023
Firmware2 Ver. : V20.56 NY0140 Thu Mar 13 12:51:48 JST 2025
Startup-config : Mon Dec 1 13:26:58 2025 config1
Running-config : Wed Dec 17 22:47:49 2025
MAC : 68847exxxxxx-68847exxxxxx
Memory : 320MB
USB : ------
WWAN1 : Android Android
WWAN1 Ver. : EC25JFAR06A06M4G
APN設定を入れる
SIMカードが調達できたら、スマホで有効化し、Si-RにAPN設定を入れていきます。
日本通信のSIMをスロット1に、povoをスロット2に入れることにしました。
povoの場合はこちらに、日本通信の場合はこちらに設定パラメータが紹介されています。
Si-Rの設定は以下のとおりです。
なお、こちらからDLできるコマンドリファレンス、コマンド設定事例集の「1.7 インターネットへ内蔵通信モジュールを使⽤して接続する」を参考にしました。
sim 1 description NihonTsushin //適当な説明用の名前
sim 1 use on 1 //スロット1のSIMはAPN1番を使う
sim 1 prio main //このSIMの優先度はメイン
sim 1 condition mode enable //自動切り替えの設定
sim 1 condition level 10
sim 1 condition change mode level
sim 2 description povo
sim 2 use on 2
sim 2 prio backup
sim 2 condition mode enable
sim 2 condition level 10
sim 2 condition change mode level
sim apn 1 name dm.jplat.net user jci@jci password jci
sim apn 1 auth pap/chap
sim apn 1 protocol ipv4/ipv6
sim apn 2 name povo.jp user povo@povo.jp password povo
sim apn 2 auth chap
sim apn 2 protocol ipv4/ipv6
重要なのは、APNの部分です。
sim apn 1 name [APN] user [USERNAME] password [PASSWORD]
[APN]には、povo.jpのようなAPNのアクセス先を記載します。コマンド上ではnameと表現されているので当初は適当な名前をつければよいのだと勘違いし、接続エラーに悩まされました。
また、
sim apn 1 auth pap/chap
sim apn 1 protocol ipv4/ipv6
の箇所についても、使用したいSIMのAPN情報ページにある使用可能な認証方式、IPプロトコルバージョンに合わせて変更します。
pseudo-etherの設定を入れる
pseudo-etherってなんぞや。なんて読むん。と初見では思うかもしれません。
Si-Rではモバイル通信用のカードを内蔵は「内蔵通信モジュール」、USB接続は「データ通信モジュール」と呼ぶようです。(この記事ではどちらも一貫してデータ通信モジュールと呼ぶことにします)
そして、これらをSi-RのOS側でインターフェイスとして表現したものがpseudo-etherと呼ばれているようです。(間違っていたら教えて下さい、読み方は未だ不明です)
ちなみに、通常のLANポートはソフトウェア的にはetherと表現されています。
物理的なインターフェイスについての設定を規定しており、データリンク層の設定です。
設定は以下の通りです。
こちらもコマンド設定事例集を参考にしています。
ether 1 1 vlan untag 1
ether 2 1 vlan untag 2
ether 2 2 vlan untag 2
ether 2 3 vlan untag 2
ether 2 4 vlan untag 2
pseudo-ether 1 description DATA_WWAN //WWANの設定の説明
pseudo-ether 1 use on
pseudo-ether 1 bind wwan 1 //内蔵モジュールと紐づける
pseudo-ether 1 condition watch 30s
pseudo-ether 1 vlan untag 10 //VLAN-IDを10に指定
ether 1 1 vlan untag 1の箇所では、Si-Rの物理ポートの「Group1の1番ポート」のVLANを1に設定しています。
このether~の設定によって、Group1(WAN側ポート)と、Group2(LAN側ポート)をVLANで分け、それぞれ別のセグメントを割り当てられるようにします。
Si-Rの物理ポートは大まかにGroupという単位で分けられており、Group1がWAN側、Group2がLAN側として使うことが多い(はず)です。
ポート付近にこれらの記述がありますので、筐体を見ながら設定します。
pseudo-ether 1~の設定で、物理的なデータ通信モジュールをOS側のpseudo-etherインターフェイスと紐づけます。
ここでは、VLAN 10にしています。
IPの設定を入れる
続いては、ネットワーク層の設定を入れていきます。
LAN側IPアドレスとか、DHCPとかですね。
これらの設定は以下の通りです。
//LAN側の設定
lan 0 ip address 192.168.1.1/24 3
lan 0 ip dhcp service server //DHCPサーバを有効化
lan 0 ip dhcp info dns 192.168.1.1
lan 0 ip dhcp info address 192.168.1.2/24 253 //DHCPプール
lan 0 ip dhcp info time 1d
lan 0 ip dhcp info gateway 192.168.1.1
lan 0 vlan 2 //LAN側ポートに割り当てたVLANは2
//WAN側の設定
lan 1 ip dhcp service client //アドレス割当を受ける
lan 1 ip dhcp info time 1d
lan 1 ip nat mode multi any 1 5m
lan 1 ipv6 use on
lan 1 vlan 10 //データ通信モジュールに割り当てたVLANは10
lan 0 ip address 192.168.1.1/24 3ですが、見慣れない3というパラメータが存在します。
コマンドリファレンスには、
<broadcast>
ブロードキャストアドレスを指定します。
・0
0.0.0.0 の場合に指定します。
・1
255.255.255.255 の場合に指定します。
・2
<address>/<mask>から求められる、ネットワークアドレス + オール0 の場合に指定します。
・3
<address>/<mask>から求められる、ネットワークアドレス + オール1 の場合に指定します。
と記載があります。通常、ブロードキャストアドレスは「ネットワークアドレス + オール1」なので迷わず3とします。
lan 1 ip nat mode multi any 1 5mでは、データ通信モジュール側に割り当てられたグローバルIPとLAN側IPアドレスのNAT変換を行います。
こちらは「機能説明書」の「2.19 マルチ NAT 機能」に記載があります。
通常のnatと、multiが選べますが、複数台端末を1つのグローバルIPで利用する必要があるため、Multiを指定しています。
設定を反映させる
ここまで設定するとちゃんと繋がるはずですが、Cisco系とは異なり、「設定を反映させる」作業が必要です。
commit
と入力すると設定が即座に反映されます。
Si-Rは、Cisco系にあるrunning-configとstartup-configに加えてcandidate-configという設定パラメータを持っています。
各種コマンドで設定を入れていくと、まず、candidate-configが変更されます。こちらはshow candidate-configというコマンドで確認ができます。
設定を反映させるにはcommitコマンドでrunning-configに変更を反映させます。
そして、saveコマンドでstartup-configに保存するという流れで設定を保存します。
saveしないと悲惨なことになるのはCiscoもFujitsuも同じです。
なお、再起動はresetで可能です。
最終的な設定パラメータ
最終的には以下のような設定となりました。
Si-R G121# show running-config
#
#System : Si-R G121
#Firm Ver. : V20.56 NY0140 Thu Mar 13 12:51:48 JST 2025
#Config : Wed Dec 17 22:47:49 2025
#
ether 1 1 vlan untag 1
ether 2 1 vlan untag 2
ether 2 2 vlan untag 2
ether 2 3 vlan untag 2
ether 2 4 vlan untag 2
pseudo-ether 1 description DATA_WWAN
pseudo-ether 1 use on
pseudo-ether 1 bind wwan 1
pseudo-ether 1 condition watch 30s
pseudo-ether 1 vlan untag 10
sim 1 description NihonTsushin
sim 1 use on 1
sim 1 prio main
sim 1 condition mode enable
sim 1 condition level 10
sim 1 condition change mode level
sim 2 description povo
sim 2 use on 2
sim 2 prio backup
sim 2 condition mode enable
sim 2 condition level 10
sim 2 condition change mode level
sim apn 1 name dm.jplat.net user jci@jci password s2LO3HQGz encrypted
sim apn 1 auth pap/chap
sim apn 1 protocol ipv4/ipv6
sim apn 2 name povo.jp user povo@povo.jp password YqZidI7NlJmu encrypted
sim apn 2 auth chap
sim apn 2 protocol ipv4/ipv6
lan 0 ip address 192.168.1.1/24 3
lan 0 ip dhcp service server
lan 0 ip dhcp info dns 192.168.1.1
lan 0 ip dhcp info address 192.168.1.2/24 253
lan 0 ip dhcp info time 1d
lan 0 ip dhcp info gateway 192.168.1.1
lan 0 vlan 2
lan 1 ip dhcp service client
lan 1 ip dhcp info time 1d
lan 1 ip nat mode multi any 1 5m
lan 1 ipv6 use on
lan 1 vlan 10
syslog facility 23
time auto server 0.0.0.0 dhcp
time zone 0900
resource system vlan 4089-4094
consoleinfo autologout 8h
telnetinfo autologout 5m
terminal charset SJIS
terminal logging line 0
alias history "show logging command brief"
eof
デバッグする
うまく繋がらない場合はまず、筐体全面のLEDを確認します。
「WWAN」と記載されているLEDがどのように光っているかで現在状態を確認可能です。
これはこちらのページの「ご利用に当たって」というマニュアルの「ランプの詳細」というセクションに記載があります。
また、いくつかのコマンドでもSIM関連情報を確認できます。
詳細はコマンドリファレンスを確認してください。
こちらは、SIMカードの簡単な状態を確認可能です。
Si-R G121# show sim status
[SIM1]
sim status : present
pin status : disabled
error status :
[SIM2]
sim status : present
pin status : unknown
error status :
簡易的に接続状況や電波受信レベルを見る場合はこちら
Si-R G121# show wwan status csv
"V1.0"
"WWAN1","2025/12/17 22:55:47","READY","Online","slot-1","NihonTsushin","slot-2","povo","6100","260e311","LTE","-57","-81","-6","16"
受信レベルやセルID、チャネルといった詳細情報の履歴を確認したい場合はこちら
※内蔵モジュールのみ使用可能
Si-R G121# show trace signal
[WWAN1] 25.12.17 22:54:28.382
device status : READY
power mode : Online
sim : slot-1
channel : 6100
cellid : XXXXXXX
mode : LTE
RSSI : -58dBm
RSRP : -81dBm
RSRQ : -6dB
SINR : 17dB
[WWAN1] 25.12.17 22:54:58.381
device status : READY
power mode : Online
sim : slot-1
channel : 6100
cellid : XXXXXXX
mode : LTE
RSSI : -55dBm
RSRP : -81dBm
RSRQ : -9dB
SINR : 22dB
⋮
※Ctrl+Cで止めれます
内蔵通信モジュールの障害情報を確認する場合はこちら
Si-R G121# show wwan faultstat
reset_type : (0) unknown
reset_source : (0) unknown
crash_status
num crashes :
crash id :
crash data :
crash string :
dump string :
gstatus
State: NOCONN
System mode: LTE TDD mode: FDD
Mobile country code: 440 Mobile network code: 10
Cell ID: XXXXXXX Physical cell ID: XXX
E-UTRA-ARFCN: 1850 frequency band: 3
UL bandwidth: 5 DL bandwidth: 5
Tracking area code: XXXX
RSRP: -88 RSRQ: -10
RSSI: -57 SINR: 7
Select RX level: 41
使ってみる
有線LAN編
設定を入れたら、(念の為)再起動し、WWANが光ることを確認します。
LAN側ポート(Group2)にLANケーブルを刺し、PCをつなぎ、DHCPでIPアドレスが割り当てられることを確認します。
>ipconfig /all
イーサネット アダプター イーサネット:
接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
説明. . . . . . . . . . . . . . . . .: Microsoft Network Adapter Multiplexor Driver
物理アドレス. . . . . . . . . . . . .: EC-79-49-XX-XX-XX
DHCP 有効 . . . . . . . . . . . . . .: はい
自動構成有効. . . . . . . . . . . . .: はい
リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::85cb:9c5b:6724:9bab%3(優先)
IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.1.2(優先)
サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
リース取得. . . . . . . . . . . . . .: 2025年12月18日 (木) 1:50:04
リースの有効期限. . . . . . . . . . .: 2025年12月19日 (金) 1:50:04
デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 192.168.1.1
DHCP サーバー . . . . . . . . . . . .: 192.168.1.1
DHCPv6 IAID . . . . . . . . . . . . .: 1189902665
DHCPv6 クライアント DUID. . . . . . .: 00-01-00-01-2E-6B-B1-XX-XX-XX-XX-XX-XX-XX
DNS サーバー. . . . . . . . . . . . .: 2404:1a8:7f01:a::3
2404:1a8:7f01:b::3
192.168.1.1
NetBIOS over TCP/IP . . . . . . . . .: 有効
OKですね。第一関門突破です。
そして、どこか(Google.comとか)にPingを飛ばしてみます。
>ping google.com
google.com [142.251.42.142]に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
142.251.42.142 からの応答: バイト数 =32 時間 =51ms TTL=115
142.251.42.142 からの応答: バイト数 =32 時間 =64ms TTL=115
142.251.42.142 からの応答: バイト数 =32 時間 =50ms TTL=115
142.251.42.142 からの応答: バイト数 =32 時間 =55ms TTL=115
142.251.42.142 の ping 統計:
パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
最小 = 50ms、最大 = 64ms、平均 = 55ms
通りました!!
どのくらいのスピードが出るのか、試してみます。
>echo %date% %time%
2025/12/18 1:58:28.41
>speedtest -s 48463
Speedtest by Ookla
Server: IPA CyberLab 400G - Tokyo (id: 48463)
ISP: Japan Communication
Idle Latency: 60.81 ms (jitter: 6.77ms, low: 57.57ms, high: 77.75ms)
Download: 36.21 Mbps (data used: 65.5 MB)
279.33 ms (jitter: 79.97ms, low: 43.16ms, high: 760.66ms)
Upload: 12.31 Mbps (data used: 14.4 MB)
344.49 ms (jitter: 88.81ms, low: 51.94ms, high: 506.57ms)
Packet Loss: Not available.
Result URL: https://www.speedtest.net/result/c/acb8291c-94d9-4fc2-b432-7571d8b62823
光回線と比べるとかなりショボく見えますが、AppleMusicを流しながらTwitter(現X)をブラウジングしてみましたが、光回線と遜色ない快適さでブラウジングできたと思います。
また、YouTube動画(フルHD)の視聴についても止まることなく快適で、コメント欄をスクロールしても問題ありませんでした。
無線LAN編
今回は「フリーWi-Fi」を作るがテーマです。
なので、この有線LANポートに無線LANアクセスポイントをつなぎます。
今回は富士通繋がりで「SR-M50AP1」という11ac、外部アンテナに対応したAPを用意しました。
サクッとSSIDとパスワード、管理用IPアドレスを設定し、つなぎます。
Wi-Fiで利用される電波帯域のうち、5GHz帯の一部帯域は屋外利用が禁止されています。
電波法を遵守した設定を心がけましょう。
そして、MyCarのトランクに設置します。
今回、電源は、車の電源であるDC12VからUSB-PDを出力できるアダプタから取り、ルータ・APのDC12V端子にPDトリガーアダプタを介して給電しました。
電源の構成図は以下の通り。
--車のDC12V---[USB-PDアダプタ]-----USB-Cケーブル-----[トリガーアダプタ]---[Si-R]
└--------USB-Cケーブル-----[トリガーアダプタ]---[SR-M]
Si-RとSR-Mは12V要求なのだから、車の12Vを直接流し込めばよいのでは?と言われるかもしれませんが、車の電源は電圧変動が多く1、12Vよりも大きい電圧が瞬間的にかかることもあり、ルータのような商用電源を利用することを前提としている機器には負荷が大きすぎます。最悪、過電圧で故障や火災につながることも想定されます。そのため、一度自動車向けに設計されているアダプタを介することで、安定的な電圧で供給できるようにしています。
また、車載インバーターを用いてAC100Vを作り、付属のACアダプタやPoEインジェクターで供給する方法も検討しましたが、USB-PDを利用するよりも電源部分の大きさが圧倒的に大きくなってしまうため、不採用としました。

左:インバータ・ACアダプタによる電源
右:USB-PDアダプタによる電源
大きさは歴然だと思います。
また、トリガーアダプタをL字タイプにすることで、端子の出っ張りを抑え、省スペース性をさらに追求できました。
専用ACアダプタ以外の利用はメーカーの推奨するものではありません。
同様の構成で構築後、故障や火災の原因となっても筆者およびメーカーは責任を負いません。
お試しする場合は、極性・電圧変動・許容電流など安全に十分考慮し構築してください。
これらの工夫で、とにかく狭いハイブリッドコンパクトカーの荷室空間に、Si-R・SR-Mを設置することができました。
車の中で使ってみる
まずはSpeedtest(先程の有線LANと同タイミング、同一地点で測定しています)
有線LANにPCを接続していたときとはダウンロードは半分ほどになってしまっています。
しかしながら、実際にTwitter(現X)やInstagram、YouTubeを使ってみた感想としてはそこまで遅くはないと思います。外でモバイル回線を使ってネットサーフィンするのとほとんど体感的なレスポンスは変わりません。
ただし、YouTubeでShortsを見ているときに止まることが多いかなと感じました。
また、接続した状態でYahooカーナビで地図案内を表示しながら移動すると、地図が真っ白になったり、案内が飛んだりすることがありました。メインとサブのSIM自動切り替えのしきい値のチューニングが必要かもしれません。
そしてこの速度、Pingだと、zoomやTeamsを使ったオンライン会議は厳しいかもしれません。
当初の目的である、S◯ftBank Airやら、d◯ocomo Home 5Gみたいに、「置いたらネットが使える」みたいな便利アイテム、車載Wi-Fiを作るという目的は達成していますので、今回はここまでとします。
おわりに
今回はSi-Rを使いましたが、オンライン上の情報がほとんど公式サイトくらいしかなく、当初はかなり困りました。
コマンドリファレンスや設定事例集をひたすら読み漁ることで解決しました。
触ってみた感想としては、Ciscoに慣れていると最初は大変だけど、慣れればCiscoより楽かもしれないと思いました。というのも、リファレンスの日本語がちゃんとしているし(日本企業が作っているので当然?)、Ciscoよりも必要な説明を探すのが楽だからというのが一つの理由です。
現在発売されているSi-Rは4G LTE回線対応のモデルのみです。一人で使っている分には問題ないかもしれませんが、これを複数人で共有して使う場合、速度の面から厳しいものがあるのかもしれないと思いました。5G対応モデルの登場に期待が高まります。







