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Amazon S3の「事実上無制限」とは?

Last updated at Posted at 2024-05-20

おことわり

新人目線でイメージをつかむため記載したものです。
専門的な調査を行ったり、専門的な資料から統計を取ったという訳ではありません。

きっかけ

今年度、新卒メンバーにはAWSに関する研修が含まれており、
質問は、私の所属チームが回答することになりました。

順調に質問・回答のラリーが行われ、研修期間も終わりに差し掛かったころ、
ある質問がチャンネルに投稿され、メンバーを悩ませることになりました。

S3の容量は無限にある?

質問の要約は次の通りです。

Amazon S3のストレージは無制限ということは、容量が無限にある?
それとも容量自体は有限の値でその容量に制限をかけていないだけ?
容量が無限にあるという意味ならば技術的にどうやって実現している?

おそらくこの質問が生じたきっかけは、
下記内容に近い文言をどこかで目にしたからでしょう。

Q: Amazon S3 とは何ですか?
Amazon S3 は、任意の量のデータの保存と取得をどこからでも行えるように設計されたオブジェクトストレージです。S3 は、業界をリードする耐久性、可用性、パフォーマンス、セキュリティ、および事実上無制限のスケーラビリティを非常に低コストで提供する、シンプルなストレージサービスです。1

事実上無制限 ってなんだ?といったところでしょうか。
そんなことを今まで意識をしていなかったため、回答に窮し、
「海の水が無限に見えるようなもんだよ」と、お茶を濁しました。

明確化されている要件

一旦、落ち着くためにS3の一般的な使用制限を整理します。
これらは検索すればすぐに出てくる内容です。1 2

項目
オブジェクトの最大サイズ 5TB
オブジェクトの個数 / 1バケット 無制限
バケットの個数 100個 (最大1000個)

確かにオブジェクトの個数は無制限です。

回答したものの

どうすれば「無制限である」と感覚的に理解できるのか?ということを考えると、
「想像できないほどの数」ということが分かれば良いのかなと思いました。

S3には累計どれほどのデータが保存されているのか?

S3に保存されたデータ総量についての言及を見つけることはできませんでした。
しかしながら、AWS公式ブログに存在するいくつかの記事にて、
「オブジェクトの総数」という形で、情報を得ることが出来ました。

年度 保持オブジェクト数 備考
(2006) 8 億個以上3 ローンチから4か月
2021 100 兆個以上4 2006年の125,000倍
2022 200 兆個以上5
2023 280 兆個以上6
2024 350 兆個以上7

定期的に、S3の料金は値下げが行われていますが、
それでも何百億・何兆のオブジェクトを管理する場合、
ストレージ使用料、転送・リクエスト料金は天文学的数字になると思われます。

また別の視点から見ると、
たとえ大企業のデータレイクであろうと、その企業が支払えるコストを鑑みると
需要が青天井ではないことも容易に想像できます。

そのため、個人利用の規模であろうと、大企業の利用規模であろうと、
AWS全体から見れば同様とみなせるほど小さいと考えられます。

それゆえ、利用者は上限を気にすることなく利用しても支障が無いとして、
「事実上無制限」としているのでしょう。

おわりに

ネットで調べた方が正確では?と思うところもありましたが、
少なくとも質問される側としては、知識を再確認できる良い機会であったかなと思います。

何にでも疑問を持つこの姿勢は見習う必要があると感じました。

  1. よくある質問 - Amazon S3 |AWS 2

  2. バケットの制約と制限 - Amazon Simple Storage Service

  3. Amazon S3 Shoots, Scores, Soars | AWS News Blog

  4. Celebrate 15 Years of Amazon S3 with ‘Pi Week’ Livestream Events | AWS News Blog

  5. Welcome to AWS Pi Day 2022 | AWS News Blog

  6. Celebrate Amazon S3’s 17th birthday at AWS Pi Day 2023 | AWS News Blog

  7. AWS Pi Day 2024: Use your data to power generative AI | AWS News Blog

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