【Java Gold】Stream API について

Posted at 2025-06-16

はじめに

JavaのストリームAPIについて、試験対策として整理しました。

ストリームAPIとは？

JavaのStream APIは、大量のデータに対して「何をしたいか」を宣言的に記述できる仕組みです。従来のforループに比べ、簡潔で可読性の高いコードが書けます。

List<String> names = List.of("Alice", "Bob", "Charlie");

names.stream()
     .filter(name -> name.length() > 3)
     .map(String::toUpperCase)
     .forEach(System.out::println); // 出力: ALICE, CHARLIE

このように、中間操作 → 終端操作の流れで処理パイプラインを構成します。

Stream APIの特長

特長	説明
宣言的	「どうやるか」より「何をするか」を記述し、可読性が高い
連結可能	`.filter().map().sorted()`のように処理をチェーンできる
遅延評価	中間操作は終端操作が呼ばれるまで実行されない
並列処理しやすい	`.parallelStream()`で簡単に並列化可能
イミュータブル	元のデータを変更せず、副作用の少ない処理が可能

ストリーム処理の3ステップ

ステップ	説明	例
1. ストリーム生成	コレクションなどからstreamを生成する	`list.stream()`
2. 中間操作	絞り込み・変換などの処理（Streamを返す）	`filter()`, `map()`
3. 終端操作	最終的な結果を取得または処理（値を返す）	`forEach()`, `count()`

Streamとforループの違い

項目	forループ	Stream API
スタイル	命令型（手続き的）	宣言型（関数型）
副作用	変数を多用しやすく副作用が生まれやすい	副作用を極力排除
並列処理	自分で実装が必要	`.parallelStream()`で簡単に実装可能
集計結果取得	明示的にリストやカウンタが必要	`collect()`, `count()`などで簡単

注意点

Streamは一度しか使えない（再利用不可）
インデックス付きの処理は難しい
null要素の扱いには注意（例外の原因に）

中間操作（intermediate operations）一覧

中間操作はストリームの変換・フィルタリングなどを行い、別のストリームを返します。

（主要なもののみ抜粋）

メソッド	説明	引数	戻り値
`filter`	条件に合致する要素のみ残す	`Predicate<T>`	`Stream<T>`
`map`	要素を変換（型変更も可）	`Function<T, R>`	`Stream<R>`
`flatMap`	ネストされた要素を平坦化	`Function<T, Stream<R>>`	`Stream<R>`
`distinct`	重複要素の除去	なし	`Stream<T>`
`sorted`	昇順ソート	`Comparator<T>` (省略可)	`Stream<T>`
`limit` / `skip`	指定数の要素を取得/スキップ	`long`	`Stream<T>`
`takeWhile`	条件がtrueの間だけ要素を取得	`Predicate<T>`	`Stream<T>`
`dropWhile`	条件がtrueの間はスキップ	`Predicate<T>`	`Stream<T>`
`peek`	各要素に副作用処理を追加（デバッグ）	`Consumer<T>`	`Stream<T>`

終端操作（terminal operations）一覧

終端操作はストリームを処理し、最終的な結果を得る操作です。

メソッド	説明	引数	戻り値
`forEach`	各要素に処理を適用	`Consumer<T>`	`void`
`collect`	Listなどへ収集	`Collector`	`Collection`
`reduce`	要素を1つに集約	`BinaryOperator`など	`Optional/T`
`count`	要素数をカウント	なし	`long`
`min` / `max`	最小 / 最大値を取得	`Comparator<T>`	`Optional<T>`
`findFirst`	最初の要素を返す（順序あり）	なし	`Optional<T>`
`findAny`	任意の要素を返す（並列向き）	なし	`Optional<T>`
`anyMatch`	条件に合う要素が1つでもあればtrue	`Predicate<T>`	`boolean`
`allMatch`	全要素が条件を満たすならtrue	`Predicate<T>`	`boolean`
`noneMatch`	条件を満たす要素がなければtrue	`Predicate<T>`	`boolean`

使用例

List<String> names = List.of("Alice", "Bob", "Charlie", "David", "Bob");

List<String> result = names.stream()
    .filter(name -> name.length() > 3)
    .distinct()
    .map(String::toUpperCase)
    .sorted()
    .collect(Collectors.toList());

System.out.println(result); // [ALICE, CHARLIE, DAVID]

補足ポイント

reduce は引数の数により戻り値が異なる：1つの場合は Optional<T>、2つの場合は T
takeWhile, dropWhile はJava 9以降で追加された便利な短絡操作
forEachOrdered は順序を保証（並列時に有効）
peek は本番コードでは使用注意（副作用）
mapToInt, mapToLong, mapToDouble などはプリミティブ向けのストリームに変換するための操作

`BaseStream`とは？

java.util.stream.BaseStream<T, S extends BaseStream<T, S>> は、すべてのStreamインターフェースの基本的な動作（例：iterator()、spliterator()、close() など）を定義する 共通のインターフェース です。

`BaseStream`の主なサブインターフェース一覧

インターフェース名	要素型	説明
`Stream<T>`	任意のオブジェクト型	一般的なオブジェクトに使うストリーム
`IntStream`	`int`	プリミティブ型 `int` のストリーム（ボクシング回避）
`LongStream`	`long`	プリミティブ型 `long` のストリーム
`DoubleStream`	`double`	プリミティブ型 `double` のストリーム

各ストリームの特徴と使用例

`Stream<T>`（オブジェクトストリーム）

任意のオブジェクト型（例：String, User など）
最も一般的

Stream<String> names = Stream.of("Alice", "Bob");

`IntStream`

int専用のストリーム。ボクシングのコスト回避
特有メソッド：sum(), average(), range()など

IntStream.range(1, 5).forEach(System.out::println); // 1～4

`LongStream`

longに特化。IDや時刻の処理に有効

LongStream.of(100L, 200L, 300L);

`DoubleStream`

doubleに特化。統計や平均などの計算に便利

DoubleStream.of(1.5, 2.5, 3.5).average();

プリミティブストリームの活用ポイント

目的	使用するストリーム
一般的なオブジェクト処理	`Stream<T>`
数値・統計処理	`IntStream`, `LongStream`, `DoubleStream`
ボクシング回避による性能最適化	プリミティブストリーム
合計・平均・統計情報取得	プリミティブストリーム専用メソッド

型変換：プリミティブ → オブジェクト

IntStream.range(1, 4)
         .boxed()
         .collect(Collectors.toList()); // Stream<Integer>

IntStreamの中間操作一覧

メソッド	内容	引数	戻り値
`filter`	条件に一致する要素を残す	`IntPredicate`	`IntStream`
`map`	int同士の変換	`IntUnaryOperator`	`IntStream`
`mapToObj`	オブジェクトに変換	`IntFunction<R>`	`Stream<R>`
`flatMap`	複数のIntStreamに展開	`IntFunction<IntStream>`	`IntStream`
`distinct`, `sorted`, `limit`, `skip`, `takeWhile`, `dropWhile`, `peek`	共通操作	型ごとの関数型インターフェース	`IntStream`
`boxed`, `asLongStream`, `asDoubleStream`	型変換用	-	他のStream

IntStream専用中間操作（Streamでは使えない）

メソッド	説明
`mapToObj`, `mapToLong`, `mapToDouble`	型変換用
`flatMap`	`IntFunction<IntStream>` を使用
`boxed`	`Integer` へボクシング
`asLongStream`, `asDoubleStream`	型変換用

Streamで使えてIntStreamで使えない中間操作

メソッド	説明
`map(Function)`, `flatMap(Function)`	汎用的な型変換と展開
`sorted(Comparator)`	カスタムソート
`unordered`, `onClose`	並列・終了時処理
`peek(Consumer)`	汎用Consumer型の副作用処理

IntStreamの終端操作一覧

メソッド	説明	戻り値
`forEach`, `forEachOrdered`	各要素に処理	`void`
`toArray()`	`int[]` に変換	`int[]`
`reduce`, `sum`, `min`, `max`, `average`	集計	`OptionalInt`, `int`, `OptionalDouble` など
`summaryStatistics`	統計取得	`IntSummaryStatistics`
`collect(Supplier, ObjIntConsumer, BiConsumer)`	集計カスタマイズ	任意型 `R`
`anyMatch`, `allMatch`, `noneMatch`, `findFirst`, `findAny`	条件・検索	`boolean`, `OptionalInt`

IntStream専用終端操作（Streamでは使えない）

sum()
average()
min(), max()（→ OptionalInt）
summaryStatistics()

Streamで使えてIntStreamで使えない終端操作

メソッド	説明
`collect(Collector)`	`Collectors.toList()` など簡易集約
`reduce(BinaryOperator<T>)`	ジェネリクス対応の汎用集約
`toArray(IntFunction<A[]>)`	型付き配列変換
`iterator()`, `spliterator()`	イテレータ・スプリッタ取得
`close()`, `onClose()`	リソースクローズ処理

DoubleStream / LongStream の特有メソッド

メソッド	戻り値	説明
`sum()`, `average()`, `min()`, `max()`	`double`, `OptionalDouble`, `OptionalLong`	数値集計
`summaryStatistics()`	統計オブジェクト	全体の統計情報まとめて取得
`mapToX()`, `boxed()`, `asXStream()`	他型への変換

DoubleStream/LongStreamで使えないStream専用メソッド

メソッド	説明
`collect(Collector)`	`Collectors.toList()` など非対応
`map(Function)`, `flatMap(Function)`	オブジェクト用
`sorted(Comparator)`	カスタムソート非対応
`onClose()`, `unordered()`	ストリーム制御関連
`toArray(IntFunction<A[]>)`	型付き配列非対応

おわりに

誤記や改善点があればコメントなどでご指摘ください。

You get articles that match your needs
You can efficiently read back useful information
You can use dark theme

What you can do with signing up