はじめに
アドベントカレンダー12/3 = 3記事目
Windows で開発をしていると、必ずと言っていいほど触れることになるのが「ターミナル(コマンドラインツール)」です。
私自身、プロジェクトが変わり PC も新しくなったことで、
“あれ?結局どのターミナルを使えばいいんだろう…?”
と迷う場面がありました。
Windows には、コマンドプロンプト、PowerShell、WSL2(Linux環境)、そして Windows Terminal など、実は複数の選択肢があります。
しかし、どれも一見似ているようで、用途・強み・できること・得意な作業が少しずつ異なります。
そこで本記事では、各ツールの特徴・使いどころ・注意点の違いをまとめ、
「自分の用途に合わせてどれを選ぶべきか?」
という判断材料になるよう整理しました。
- キーボード操作を快適にしたい人
- Windows と Linux どちらも扱いたい人
- 新しい開発環境を準備しているエンジニア
- 「cmd と PowerShell の違いがまだ曖昧…」という初心者
何か参考になれば幸いです
広く利用されているツール
- コマンドプロンプト (cmd) – Windows に古くからある基本のコマンドライン環境
- PowerShell – Windows 標準から進化した、スクリプトや自動化にも対応するモダンなシェル
- WSL2 + Linux (Ubuntu など) – Windows 上で Linux を扱える互換レイヤ/環境。Linux のコマンドやツールをそのまま使いたい人向け
- Windows Terminal – 複数のシェル/環境を「タブ」や「ペイン」で切り替えて使える、便利でカスタマイズ性の高いターミナル “ランチャー/統合環境”
ツールの比較(表で整理)
| ツール/環境 | どこ/何に使うか | 強み・特徴 | 注意点/制限 |
|---|---|---|---|
| コマンドプロンプト (cmd) | Windows の基本的なファイル操作や環境操作 | 起動が速く、Windows に標準。昔から慣れている人には身近。単純な操作やバッチ処理に向く | 複雑なスクリプトや最新のツール・Linux 系コマンドには弱い。構文・機能が古め。 |
| PowerShell | Windows/スクリプト/自動化・システム管理 | Windows の管理機能と親和性が高く、オブジェクト操作や高度なスクリプトが可能。複数プラットフォーム対応版もあり。 | cmd とは構文が少し違うため、古いバッチや cmd 用スクリプトの一部が合わないこともあり。 |
| WSL2 + Linux (Ubuntu など) | Linux のコマンドや開発環境を使いたい/クロスプラットフォームで開発したい | 本物の Linux 環境を Windows 上で手軽に使える。Linux コマンド、パッケージ管理、開発ツールなどそのまま。 | Windows のファイルシステムやパスと Linux のそれが異なるので、操作や設定を切り替える必要あり。Linux の知識が前提。 |
| Windows Terminal | さまざまなシェル/環境を1つのウィンドウで使いたい | タブで複数シェル(cmd、PowerShell、WSL など)を切り替え。ペイン分割、Unicode/UTF-8対応、高度なカスタマイズが可能。モダンで使いやすい。 | Terminal 自体は「入れ物」。中で動かすシェル(cmd/PowerShell/bash など)を理解しておく必要あり。 |
どれを選ぶのが正解か?
- 「簡単なファイル操作」「昔からのバッチ処理」「ちょっとした確認」など → コマンドプロンプト (cmd) で十分
- 「Windows の設定変更」「環境設定」「複雑な処理の自動化」「スクリプト作成」など → PowerShell が便利
- 「Linux コマンドを使いたい」「Linux 向けソフトを触る」「クロスプラットフォーム開発」など → WSL2 + Linux (Ubuntu など) がベスト
- 複数の環境を使う人/ターミナルを頻繁に切り替える人/開発者やプロに → Windows Terminal を使うと効率的
具体例:
- Python などでクロスプラットフォーム開発 → WSL2 + Linux
- バッチでファイルを一括操作 → cmd または PowerShell
- Windows の設定変更やシステム管理 → PowerShell
- Linux と Windows 両方を行き来/複数シェルを同時に使いたい → Windows Terminal
さいごに
Windows では複数のターミナル/シェルが利用でき、それぞれに得意・不得意があります。
本記事では「cmd」「PowerShell」「WSL2 + Linux」「Windows Terminal」を比較し、どんな場面で使い分ければよいかを整理しました。
“目的に応じてツールを切り替える”
という考え方が大切になる事に気づけました。
今回あらためて整理することで、私自身も「なんとなく使っていたターミナルの違い」を言語化する良い機会になりました。
この記事が、あなたの開発環境づくりやツール選びの一助になれば幸いです。