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LM StudioでローカルLLMを選ぶなら、パラメータ数よりVRAM:RTX 3060 12GBで4モデルをOCR比較

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Last updated at Posted at 2026-08-29

※本記事では、実際の調査のログをもとに文章の構成と校正に生成AIを使用しています。内容は人間が確認し、修正しています。

RTX 3060(VRAM 12 GB)1枚で、カード画像に書かれた日本語の文章を書き起こしています。

LM Studioで4モデルを同じOCRパイプラインに載せて比較したところ、応答時間に最大で約20倍の差が出ました。この比較での分かれ目は、パラメータ数ではなく、モデルがVRAMに収まったかどうかでした。

これはモデル一般の優劣ではなく、RTX 3060 12 GBでの実測です。

結果:12 GBを境に応答時間が跳ね上がる

モデル 量子化 lms ps の表示サイズ 平均応答
gemma-4-12b-qat Q4_0 7.15 GB 2,303 ms
gemma-4-12b Q4_K_M 7.56 GB 2,571 ms
gemma-4-26b-a4b-qat Q4_0 15.63 GB 12,366 ms
qwen3.8-27b Q4_K_M 17.74 GB 50,391 ms

同じ12Bクラスの2モデルは差が1割未満なのに対し、26Bで約5倍、27Bで約20倍かかっています。連続的に遅くなるのではなく、ある地点で跳ねるのが特徴です。

1枚ごとに見ても分布は重なりません。gemma-4-12b が最も遅かったカードで 3,870 ms、gemma-4-26b-a4b-qat が最も速かったカードで 10,065 ms でした。

その地点がどこかを、以降で見ていきます。

なお、この20枚では、遅くなったぶん精度が上がったわけでもありませんでした。正解テキストは、同じカード画像をClaudeに読み取らせて用意したものです。これとの一致度は4モデルとも0.83〜0.86でした(空白を除いた正規化レーベンシュタイン類似度。1.0が完全一致で、0.85は編集距離が長いほうの文字数の約15%にあたります)。数値・記号を含む重大な誤りがなかったカードは、12Bの2モデルが8/20・6/20、大型の2モデルはいずれも3/20でした。少なくともこの20枚では、精度の面でも大きいモデルを選ぶ理由はありませんでした。

検証環境とタスク

  • 測定日: 2026-08-29(GPU使用率の追測定は2026-08-30)
  • CPU: Core i3-12100F / RAM 32 GB / GPU: RTX 3060 12 GB
  • Windows上のLM Studio。WSL2のBashから localhost:1234 に接続
  • LM Studio CLI: commit 71bd99c、NVIDIA driver: 572.16
  • 4ビット量子化GGUF、コンテキスト長8192、temperature: 0

カード画像のうち文章が書かれている部分だけを切り抜き、PNGで3倍に拡大して渡します。固定したのは、20枚のカード、切り抜き位置、拡大率、プロンプト、アシスタントの応答をあらかじめ途中まで入れる設定(assistant prefill)、temperature、出力上限(350トークン)です。

上に挙げた条件は、4モデルすべてで同じです。とくにassistant prefillを使用しているため、推論モデルの思考は実質的に抑制された状態です。

なお、位置も書式も決まっている項目を読むだけなら、テンプレート照合や従来のOCRのほうが速く確実です。ここでLLMを使っているのは、読ませる対象が可変長の文章で、記号や独自の表記が日本語に混ざるためです。

タイムアウトだけは、遅いモデルを人工的に打ち切ってしまわないようモデルごとに変えました(12Bは20秒、26Bは60秒、27Bは120秒)。今回の4モデルではタイムアウトは発生していないため、結果には影響していません。

カードによって文章の長さが違うため、1枚ごとの時間にはばらつきが残ります。ただし全モデルが同じ20枚を通るため、このばらつきがモデル間の平均応答時間の差を直接説明するものではありません。

なお、今回の結果は画像1枚を読ませて短い日本語を返させるOCR負荷(最大350トークン、1件ずつ処理)に限られます。テキストのみ、長文生成、複数リクエストを同時に処理する用途では、速度差の比率は変わり得ます。

速度差の主因は、VRAMに載りきったかどうかだった

lms ps のサイズはモデル全体の表示サイズで、GPUが実際に使うVRAM量と同じではありません。今回、7.56 GBの12BモデルをロードしたときのVRAM使用量は10,231 MiBでした。

一方、15 GBを超える2モデルは、GPUオフロードを最大に設定してもモデル全体が載りません。

4モデルの表示サイズを、VRAM容量12 GBの目安線と並べるとこうなります。| が12 GBの位置で、その右のドットは表示サイズが12 GBを超えた分です。実際にCPU側へ置かれた量とは一致しません。

gemma-4-12b-qat      ##############          |                  7.15 GB  収まった
gemma-4-12b          ###############         |                  7.56 GB  収まった
gemma-4-26b-a4b-qat  ########################|.......          15.63 GB  はみ出した
qwen3.8-27b          ########################|...........      17.74 GB  はみ出した
                                             |
                                         VRAM 12 GB

はみ出した2モデルは、ロード後のVRAM使用量がgemma-4-26b-a4b-qatで11,775 MiB、qwen3.8-27bで11,815 MiB(いずれも12,288 MiB中)で頭打ちになりました。器に入るところまで入って、残りはCPU側という状態です。

この4モデルでは、12 GBの目安線をまたいだ2モデルだけ、応答時間が大きく伸びました。モデルがCPU側の重みを使うと、CPUでの計算やGPUとのデータ移動が加わるためです。

なお、生成中のnvidia-smiのGPU使用率(0.4秒間隔で150サンプル)は中央値100%、最小29%で、「GPUが遊んでいる」形では観測できませんでした。utilization.gpuはカーネルが動いているかどうかを見る指標で、CPU側の重みを待っている時間を分離できません。遅さの判定には使えないため、VRAM使用量と実際の応答時間で見ています。

このため、今回の速度差を「27Bモデルが本質的に遅い」とは解釈していません。VRAM不足により一部の層がCPU側で実行される構成になったことが、大きな要因です。 コンテキスト長、KVキャッシュ、GPUオフロード設定、CPU性能でも結果は変わります。

一番やっかいな点:起動するので、遅い理由を見落としやすい

17.74 GBのモデルでも、ロード時に必ずエラーになるわけではありません。LM Studio/llama.cpp系の実行では、VRAMに載らない層をCPU側に配置して起動できます。

この場合、失敗の仕方が「起動しない」ではなく「起動するが極端に遅くなる」になります。遅さをモデル固有の性質だと誤解しやすいので、次の2つを確認しています。

# WSL2のBashで実行
lms ps
nvidia-smi --query-gpu=memory.used,memory.total --format=csv,noheader

lms ps ではモデルサイズとコンテキスト長を確認します。特にモデルサイズだけで「収まる」と判断せず、実際のVRAM使用量と応答時間を見るのが重要です。

なお、GPUに何層置かれたかはLM StudioのGUI(モデルのロード設定画面)には出ますが、lms ps や lms ps --json には含まれません。CLIだけで確認するならVRAM使用量が頼りになります。

同じ「はみ出した」でも、速度は同じにならない

どちらも12 GBのVRAMには収まりませんでしたが、gemma-4-26b-a4b-qat は12.4秒、qwen3.8-27b は50.4秒でした。VRAMに収まるかどうかは大きな分かれ目ですが、収まらないモデル同士の速度まで同じになるわけではありません。

このGemmaモデルはMoE(専門家混合)で、各トークンで有効になる重みは約4Bです。これが速さに寄与した可能性はありますが、今回の測定だけでMoEの効果を切り分けたわけではありません。llama.cppには、MoE重みをCPU側に置く--cpu-moeと、先頭から指定した層数のMoE重みをCPU側に置く--n-cpu-moe Nがあります。今回は未検証ですが、VRAM不足のMoEで試す候補になります。

このPCでの選び方

今回確認できたのは、コンテキスト長8192・このLM Studio設定では、表示サイズ7.15〜7.56 GBのモデルはGPUに収まり、15 GB超のモデルは全体を載せられなかったことです。

したがって、モデルを試すときは次の順で判断します。

「4ビットなら9 GB以下」のような固定の境界は、コンテキスト長、並列スロット、KVキャッシュ量で変わります。同じモデルでも設定次第で収まったり収まらなかったりするので、この環境で7.56 GBが収まったからといって、9 GBまで必ず収まるとは限りません。

まとめ

  • パラメータ数だけでは、ローカルLLMの実用速度は判断できない
  • 応答時間は連続的に悪化せず、VRAMに収まるかどうかで跳ねる。この画像OCRの負荷では、12 GBの線をまたいだ2モデルだけが5〜20倍遅くなった
  • 大型モデルはエラーにならずGPUとCPUに分割された構成で動くため、lms ps と nvidia-smi の確認が必要
  • MoEのCPU配置は改善候補だが、設定変更後の再測定が必要
  • まずGPUに収まる候補を選ぶ。何倍遅くなるかは負荷と設定で変わるため、その中で自分のタスクを実測する

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