マイケル・ロップ氏の「リーダーの作法 ささいなことをていねいに」を読み解きながら、メモを残しています。
各章ごとにまとめていますが、章の原題ではなく私にとってのまとめをタイトルにつけなおしています。
この本との出会いと、アウトプットしながら読み解く経緯はこちらの記事で。
本文で登場する「ランズ」は、ロップ氏のネット上のハンドルネームです。
「はじめに」で、自身を「ロップ」とも「ランズ」とも呼ぶと宣言しています。
第III幕 Slack:エグゼクティブ
「リーダーの作法 ささいなことをていねいに」は、大きくは3部構成になっています。
- 第I幕 Netscape:マネージャー
- 第II幕 Apple:ディレクター
- 第III幕 Slack:エグゼクティブ
今回は3つ目の 「第III幕 Slack:エグゼクティブ」の22章~24章 について学びメモを残します。
第III幕 Slack:エグゼクティブ
22章 アンチフロー
22.1 アンチフローの活用
22.2 インスピレーションの創出を武器にする
23章 実力主義は後追いの指標
23.1 2 つのキャリアパス
23.2 2 つの平等なキャリアパス
23.3 成長税
23.4 リーダーシップはどこからでも生まれる
23.5 後追いの指標
24章 うわさ話の由来
24.1 灰色の空間
24.2 付和雷同
24.3 くだらないからこそ深刻
24.4 うわさ話は文化と共に大きくなる
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22章 「なにも意図しない」狭間、人は召喚士になれる
ロップ氏は、プロジェクトや課題について直接考えていない時、脳が作り出すランダムな結びつき、思考のシャワーからハッとする事象を通じて、アンチフローをインスピレーション創出の武器にしうるということを語っています。
- 大前提として、フロー状態は並外れた価値を生み出す
- しかし、アンチフローはいわば召喚魔法のような、予想外のものを生み出す
ジョン・D・クランボルツ教授の計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)にも通じるお話? とも思ったりしたけど、どちらかというと、再現性のある理論というより、セレンディピティに寄ったことを語っているのかも。
23章 「金メダルを取るためには、金メダルを取ることだ」なんて馬鹿げているだろう
ロップ氏は、実力主義とは実現できたとしても所詮後追いの指標である、と語ります。
後追いの指標、という言葉が単独では少しわかりにくい気もしますが、章全体では階層構造によるサイロ化への警鐘を鳴らしていて、リーダーシップはマネージャーだけのものであるという(不適切な)認識をつくってしまうことを災難とまで表現しています。
- リーダー陣が「リーダーシップを発揮するのは一般社員の仕事ではない」認識をつくる→災難
- 「これは私たちのもの、あれはあの人たちのもの」「彼らのミッションが最高のミッションなのに、私たちのミッションは大したことない」→災難
- 「私たちは実力主義を採用しているので、いいアイデアを出せるか次第だ」→最悪の答え
コメントしたいけれど、いろいろな意味でためらわれる難しい課題です。
ロップ氏によれば、実力主義であることは哲学であって戦略ではなく、ある意味(実現できたとして)最後に現れる金メダルのようなもの。それを後追いの指標と表現している…と私は読みました。だからたどり着くためにやるべきこと(言葉の定義よりも、努力)があるということです。
- 「リーダーシップを発揮している一般社員とマネージャーの両方を、一貫して公平に昇進させているか?」
- 一年中、一般社員とキャリアについて会話できるにマネージャー
- 一般社員が社内を自由に異動できる
- 会社全体でフィードバック
- 役割を降りるときに烙印を押さない
ささいなことをていねいに…に戻ってきますね。
24章 毒食わば、真実まで
ロップ氏は、うわさ話は人から人に伝わる中で悪意のない残酷で効率的な編集作業が発生し、書き換えられ、話が盛られてゆくものだが「毒に含まれる真実がどのようなものか立ち止まって考えること」だけができると伝えています。
リーダーであれば、チームの少なくとも30%が自分のパフォーマンスに不満があるものと心得ておきましょう。
- そこにある真実を探せば、問われていることへのヒントが見つかる
- 洞察を手にすれば、反応、考察できる
- 自分の行動を変え、真実を解き放つ
ここまでの雑感
前回からだいぶ時間があきました。
エグゼクティブの第III幕は流石にこれまで以上に手ごわいです。一見言葉は平易でもいろいろな経験が関連情報として引き寄せられアレコレ考え込んだりしてしまいます。
でも、だからこそ読む意味があります。