はじめに
2026年6月、EmbarcaderoからRAD Studio向けAIエージェント「Kai」が発表されました。
ウェビナー、FAQ、サポート情報を確認してみましたが、現時点では分かっていることと分かっていないことが混在しています。
この記事では、Delphi開発者の視点からKaiについて整理してみます。
Kaiについて分かっていること
KaiはAIそのものではない
FAQによると、
KaiはAIサービスそのものではなく、各種AIサービスと連携するためのAIエージェント
と説明されています。
つまりKai単体では動作せず、
- OpenAI
- Claude
- Gemini
- GitHub Copilot
- ローカルモデル
などと組み合わせて利用します。
RAD Studioに統合される
KaiはGetItからインストールし、
- チャット
- コード生成
- DFM編集
- ビルド
- コンパイルエラー修正
などをRAD Studio内から利用できます。
評価版は存在する
アップデートサブスクリプションが有効な
- RAD Studio
- Delphi
- C++Builder
ユーザーは30日評価版を申請できます。
チャットとコード補完は別
FAQで最も重要な情報です。
例えば、
- Chat:ChatGPT
- Code Completion:GitHub Copilot
という構成が可能です。
つまりChatGPTを契約していても、コード補完は別設定になります。
現時点で分かっていないこと
Kaiの正式価格
評価版の取得方法は公開されていますが、購入方法や価格体系はまだ情報が少ない状態です。
AI利用料金との関係
KaiはAIそのものではありません。
そのため、
- OpenAI API
- Claude API
- Gemini API
などを別途契約する必要があるのかが気になります。
実行時デバッグ支援
ウェビナーでは
- コード生成
- ビルド
- コンパイルエラー修正
が紹介されていました。
一方で、
- 実行
- GUI操作
- ログ解析
- パフォーマンス解析
については確認できませんでした。
Delphi開発者として気になる点
Kaiを利用する場合、構成によっては
- Delphi / RAD Studio サブスクリプション
- Kai サブスクリプション
- AIサービス契約
- GitHub Copilot
という複数契約になる可能性があります。
もしそうなると、個人開発者にとっては負担が大きくなります。
既存AIとの比較
| 項目 | Kai | ChatGPT | Codex |
|---|---|---|---|
| RAD Studio統合 | ○ | × | × |
| チャット | ○ | ○ | ○ |
| コード生成 | ○ | ○ | ○ |
| DFM編集 | ○ | × | × |
| ビルド | ○ | △ | ○ |
| コンパイルエラー修正 | ○ | △ | ○ |
| プロジェクト理解 | ○ | △ | ○ |
| GUI操作 | 不明 | × | ○(環境依存) |
| 実行確認 | 不明 | × | ○ |
| ログ解析 | 不明 | △ | ○ |
| 自動デバッグ | 不明 | × | ○ |
※ Kaiは公開情報ベースで記載。
個人的な感想
Kaiは単なるコード補完ツールではなく、RAD Studio向けのAI統合環境を目指しているように見えます。
一方で、既にChatGPTやCodexを利用している開発者から見ると、
「IDE内で完結できること」
が最大の価値になりそうです。
今後、実行時デバッグやログ解析まで対応するのか注目しています。
というのもコードの提案はChat-GPTで十分可能ですし、コード生成やDFM編集も可能です。
さらにCodeXの場合最新版ではビルドだけで無くアプリの実行とアプリ内を操作してAI自身がデバッグする機能も備わっています。
唯一の弱点と言えばアプリ間を移動する手間ぐらいでしょうか?
私は価格の問題、従量課金の問題が解決しないとなかなか厳しいのではないかと思います。
関連情報
ウェビナー
Kai製品概要
RAD Studio AI FAQ
RAD Studio 向け AI エージェント『Kai』サポート情報