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【創作料理対決】ChatGPT vs. Gemini(もったりスノーボール編)

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Last updated at Posted at 2026-03-14

極限吸水スノーボールをAIに設計させてみた

「口の中の水分をすべて奪うお菓子」を、本気で設計したらどうなるのか。
しかも、人間ではなく 生成AIにレシピ設計をさせたら?

本記事は、その実験記録である。


きっかけ

赤ちゃん用ミルクが大量に余った。
消費のために「ミルク入りスノーボール」を作ったのが始まり。

参考レシピはこちら:
https://oceans-nadia.com/user/599208/recipe/452753

これが、おいしいだけでなく面白い。

  • 超もったり
  • 超ねっとり
  • 口の中の水分が一気に持っていかれる

乾く、というより「拘束される」感覚。
水分が奪われ、粘性へ変換されていく。

ここで思いつく。

  1. ミルクを代替してカロリーを抑えつつ、この“もったり拘束感”を再現できないか?
  2. 存在しないレシピをAIはうまく設計できるか?

これが本記事の Research Question である。


ゴール

口の中の水分を猛烈に奪う、面白くて美味しいスノーボールの設計

単なる油や砂糖を減らす低カロリー化ではなく、「脱水体験」を設計する。


設計フロー

今回は以下の2系統を用いて実験。

  • ChatGPT (GPT-5.2)
  • Gemini (Gemini3 Pro)

以下のフローでレシピを設計する。
flow.png

特徴は以下:

  • まず、水分吸収の方針を検討させる
  • 相互レビューも取り入れる
  • 最終レシピv3は別チャットでレシピ出自を隠して最良案を出させる

最終レシピ

それぞれのAIが出したレシピv3は以下の通り (命名も各AIのものを採用する)。

① 極限吸水スノーボール (HAS) by ChatGPT

High-Absorbance Snowball

材料(約12個)

材料 分量 (g) 機能
薄力粉 40 最小骨格
無塩バター 40 最小限のバインド
イヌリン 25 主吸水材(化学的拘束)
エリストール 25 甘味+吸熱
アーモンドプードル 15 風味・ホロホロ
難消化性デキストリン 15 初速水和
微粉おから 6 物理吸水
0.7 口渇感強化
バニラ 少量 ミルク錯覚
仕上げイヌリン 適量 ファーストアタック層

最小骨格というのは、これ以上減らすと構造を保てない(砂になる)ということ。

② Dry Milk Snowball (DMS) by Gemini

材料(約12個)

成分 分量 (g) 機能
薄力粉 40 最小骨格
無塩バター 25 骨格維持の下限値
イヌリン 20 粘性バインダー
微粉おから 15 物理吸水
スキムミルク 10 低カロリーなミルク感の欺瞞工作
エリストール (or ラカントS) 25 甘味+吸熱
0.8 浸透圧変化による口渇感
仕上げイヌリン+スキムミルク 適量 ファーストインパクト

制作工程のポイント

ChatGPTもGeminiも同じ点を強調:

  • プレミックス: 事前に粉類を均一化
  • サブラージュ: 練らずに粉とバターと混合するテクニック (スコーンでよく使われる)
  • 高圧整形: 練らずに圧縮して固める
  • 低温焼成: 150℃で25~30分 (焼くというより乾かす)

評価

制作したスノーボール3点は以下の通り (違いが分かりやすいように破壊している)。

もったりスノーボールv1.jpg

オリジナル(粉ミルク)

制作性: 私が作っていないため未評価
外観: ココアの茶色
食感: ホロホロ後に急激なもったり感
特徴: 強烈な粘性で口の中が重たくなる
風味: ココアが効いていて、マイルドな甘み

HAS (ChatGPT)

制作性:力を入れて圧縮することが必要だが比較的安定
外観:やや黄色
食感:硬め、意外と粉感は弱い
特徴:ザリっと感+わずかな冷感
風味:バニラ主体

→ 「吸水」というより「乾いたクッキー寄り」
色はアーモンドプードルに起因している。
画像からも分かる通り、割ってもまとまっていて屑が出にくい。

DMS (Gemini)

制作性:HASよりまとまりにくい(高圧必要)
外観:白い
食感:粉感やや強い
特徴:吸水は強いが、粘性拘束は弱い
風味:ミルキー

→ 粉による脱水体験は比較的強い
アーモンドプードルがないため、粉本来の白さが見える。
バターの少なさが作りにくさと粉感に寄与(HASが40gに対してDMSは25g)。

比較評価

1~3の3段階で評価する。得点が高いほど高評価。

評価軸 HAS DMS オリジナル
おいしさ 3 3 3
粉感 1 2 1
ホロホロ感 1 1 3
ねっとり感 1 1 3
水分吸収 2 2 3
総合 8 9 13

粉感は、砂のように口の中の水分を奪う感覚。
ホロホロ感は、噛んだ時の崩壊具合。
ねっとり感は、粉がミルクに戻っていきもったりする強い粘性。
水分吸収は、粉感やねっとり感により水分を奪われているという感覚

結論

Geminiの勝利。

ただし、圧倒的な差があるわけでもなく、バターの少なさに起因する粉感で若干DMSが勝っている程度。

また、本来の面白さだった「ミルクへ戻る粘性」はどちらも再現できていない。
AIは「脱水=粉感」と定義した。
しかし、人間が感じた面白さは「粉から液体に戻ることによる粘性変化」だった。


所感

興味深い点は、

  • イヌリン
  • 難消化性デキストリン
  • エリストール

といった、通常の菓子では使わない素材を積極的に提案してきたこと。

これは明らかに「機能から材料を特定して設計する」アプローチであり、料理というより科学実験に近い。

一方で、

粘性変化という“時間軸の体験”

は、十分に設計できなかった。

理由として考えられるのは、

  • 設計要件の「ホロホロ」が強調されて粉感による吸水に最適化された
  • 口の中の水分を吸収する料理の前例が存在しない/データが少ない
  • 粘性変化の官能評価が学習されにくい

など。

AIと料理する記事は良くあるが、変な料理を真面目に考えて実際に作るというのが面白い。料理に限らず、ちょっと馬鹿なことを真面目にするってのが凄く面白いと思う。

次回予告

次は、最終版レシピをもとに、「粉感ではなくミルクに戻るねっとり感」を再現するようにレシピを修正させる。

おまけ (材料変化)

初期レシピから最終レシピへの材料変化を下図に示す。

resipi_change.png

興味深いのは、

  • ChatGPTの最終レシピはGeminiの初期レシピをかなり参考にしていること
  • Geminiの最終レシピでスキムミルクが急に出てきたこと
  • イヌリンがキー材料だという見解は初期レシピから変わっていないこと

料理はGeminiの方が得意なのかもしれない。

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