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ふりかえりの導入・始めかた

この記事について

こんにちは。森です。
この記事は、「ふりかえりの導入・始めかたを知る~「いちばんやさしいアジャイル開発の教本」著者と語るふりかえり~」のイベント前半で小田中さん(@dora_e_m)・森(@viva_tweet_x)・KANEさん(@higuyume)とで話した内容を文書化したものです。

ふりかえりをどうはじめればよいのか、というのをざっくばらんに語っています。

ふりかえりはなぜ大事なのか?

なぜふりかえりを行うのか、重要視しているか

ふりかえりをやっている現場は増えた。KPT(ケプト)をやっている現場も増えた。
そのため、ふりかえりといえば何を指しているか、は伝わるようになっている。

ただ、「なんのためにやってるの?」という問いかけに対しては「ずっとやってるから」「プロセスに組み込まれてるから」という返答が返ってくる。

なぜ、が浸透していない。
社会人の始まりの段階でwhyを叩き込めば、ぶれずにふりかえりをやっていける。

また、理由の一つは「チームがどう協力して仕事を行うか」にある。
「成長の原動力になる」「課題と原因の解像度を上げる」というのが、ふりかえりの目的。

新卒研修向けに語ったふりかえり

研修をこなしながら、ぶちあたる課題が「与えられた課題が思ったように進まない」というもの。
「その原因は何だ」と問われたときに、「自分の能力のせい」だと思ってしまう。

その原因に対してのTryが「もっと頑張ります」「…何を?」になってしまってはいけない。

そこで、解像度を上げる問いが重要になってくる。

  • 「何がどのようにうまくいっていないの?」
  • 「期待値とのギャップは?」
  • 「本当に能力が原因なの?」
  • 「外部要因が原因ではないの?」

このように、丁寧に掘り下げてあげる。自己批判的に逃げるのではなく、本当に捕まえるべき課題に向き合い、カイゼンしていく。向かうべき方向を定める。そのためにふりかえりをする。

チームでなぜふりかえりをするか?

書籍「アジャイルレトロスペクティブズ」を参考にしている

チームでなめらかに活動をするための起点となる。

ふりかえりをやっていると、ごっついの(大きな課題や、改善が大変なもの)がでてくる。
実際には、チームの中で「日々の声掛けをしましょう」とか「気軽にモブやろう」とか、仕事を進めていく中でのひっかかりを作っていくというのがふりかえりでは大事

ふりかえりでは「大きな問題を扱わないといけない」と考える人がいる。

  • 「せっかくふりかえりをしているのだから、この程度のことをふりかえりで出さなくても…」
  • 「すごい改善を、必殺技を出さなくちゃ」

一人で仕事をしているのと違って、チームで仕事をしているということは、全員が別々のコントローラーを持って、全員が同じボタンを押さないと技が出ない、というような状態。
全員が弱パンチを出せるようにする、という解像度を揃えるというのも立派なふりかえり。

人生初のリモートワークでのふりかえり

初のアクションは「朝会は毎日やってるけど、夕会もしよう」というものだった。
みんなが同じオフィスにいたときだったら、夕方に自然発生した「みんなどう?」がなくなってしまっていた。

わちゃっと集まって解決する、というのがリモートだと発生しない。自然に発生しないなら、人為的にやるべきだ。という風に考えていった。

エンジニアの性で効率化したくなる。少しずつ効率化していった。
「最初は文章で会話をやってみよう。slackでやろう」
「温度感が伝わらないよね」
「じゃあ、夕会だ!」

これは今も続いている。危険なにおいを捕まえられていると感じている。

小さなMTGをやりましょう、はチームメンバーから出てきた。
ちょっとしたことがアクションで出るというのがいい。
小さな取り組みをすることが出来るチームは強い

最初のころは必殺技を繰り出そうとするので、それを止めよう。

ふりかえりをどう始めればいいの?

プラクティスから入ってもいい

YWT, Fun/Done/Learnなど。儀式感がいい効果を出す。

日報から始める

手軽に、1日の最後の「日報」を書く。
日報の中で「期待通りにうまくいったこと」「いかなかったこと」「差分」を書く。
日報に少し足すだけ。ひと手間加えるところからふりかえりをする。

新卒エンジニアは日報を続けている。結果として…

  • 日報の質が変わった
  • 目の前の課題だけではなく、一段上の「なぜうまくいっていなかったか」を見て、具体的なアクションに落とし込んでいる
  • kolbの経験学習サイクルの経験→省察→概念化→実践が回せるようになっている

新卒向けふりかえり研修で伝えたこと

「丸一日」ふりかえり研修に使ってよいことになった。以下のような構成。

  • なぜふりかえりか
  • 期待となにが違ったか
  • ふりかえりを最初に試す。武器を与えない状態でふりかえりをしてもらう
  • ふりかえりの構成・Timeline・KPTなど
  • 夜に日報でふりかえり

こうやって仮想的な学習をさせた。

チームでのふりかえりの始め方

何も知らないところから始める場合、普段やっているところからコラボレーションするとよい。

YWTは知らないけど「やったこと」「つぎやること」は報告しあっているようなチームに、「わかったことを付けてみませんか?」と伝えたら、自然とYWTになった。

なじませるようにやる、少しだけ方向を変える。

また、知っている言葉からはじめる
「さぁFun/Done/Learnだ」は微妙。いきなりふりかえりだ、というのは厳しい。

熱意がある人が組織を変えようとするときのジレンマ。温度差があるが故に、「さぁこれをやろう」がうまくいかないので、相手の言葉で始める。

スクラムの導入にしても同じ。透明性・検査・適応てんこ盛りにしても、うまくいかない。「まずは透明性だけをフォーカスしよう」みたいにやるのがよい。いきなりよくするのは無理。

ふりかえりをどうやって組織に広めるとよいのか?

最初の一歩としてのふりかえり

スクラム・アジャイルの最初の一歩はふりかえり。現状と理想のギャップを明らかにして、アクションする。課題があってカイゼンできるよ、というエクスキューズを出す。ただし、課題に向き合うのが難しい。

ふりかえりの奥深さ

「ふりかえり」だけで番組作れるくらいてんこもり。深淵。なにかこうやったらうまくいく、というものではない。

過去のゲスト会では、色んな人のふりかえり観を広げていった。

ふりかえりの効果をどうやって説明すればいいの?

難しい。効果を説明する=事前に「こういう効果が出るはずだ」というのを決めていないとできない。

自分のふりかえりでも、必ず効果を明確に定義できているか、というとそうでない
「こういう効果を狙っているから、続けよう」という話は出来る。

ふりかえり単品で説明するのは難しい。ふりかえり主導する人が1on1をやっていたとしたら、チームの課題についても話すはず。

「コミュニケーションがうまくいっていなかったのが取れるようになって、致命的な状態をリカバリできるようになりました」
「リリースの遅れがなくなった、手前で助けることができました」

こうした変化・微分値を伝えていく。
ふりかえりの効果は定量的に伝えるのが難しい。

ふりかえりネイティブという世界

幸いなことに、自分が見ているチームは、1年以上たゆまなくふりかえりを進めていってくれている。
彼らはそれが特殊なことだ、ということに気づいていない。
「ふりかえりやらないんですか!?」くらいに思っている。
あって当たり前のものだと思っているから、ない状態を想像できない。

ふりかえりがあたりまえになっている人にとっては、「ふりかえりの導入…?」という風に想像できなくなる。

ふりかえりをどう説明していくか?

必殺技を出そうとしていないか?必殺技を期待していて、弱パンチが出てくると、ガックリしてしまう。そのため、期待値コントロールをする。
事後的に報告するだけでなく、ふりかえりの目的とはなんぞや、というのを関わる人に伝えていく。意義を伝えていく。

whyを共有する。なぜふりかえるかを意義を話し合っていく。
そうすることで、期待値とずれて、勝手に幻滅したり、という悲劇を防げる。

なぜをどう伝えていくか

「チームビルディングとして使ってもいいんだよ」というふうに伝える。ふりかえりは自律のための一歩。

ふりかえりに対してネガティブな気持ちを持っている人もいる。過去に「振り返り」で心を傷つけられた人。裁判所みたいな振り返りを経験した人。

そういう人が「振り返り」にイメージするものは、「時間がかかる」「どうせアクションはJiraなどに出されてもやられないでしょ?意味あるの?」

「そうじゃないよ」
「ちょっとしたものの積み重ねでやっていくものなんだよ」
という風に伝えていく。

辛い目にあっている人がイメージしているのは、半年一年のスパンで、その期間をふりかえるのに2-3時間しかとらないふりかえり。その結果、ツラミが凝縮している。

「1年に1回じゃなくて、毎週やって52倍カイゼンするんですよ!
「頻度高くやりましょうよ」
「弱パンチを重ねていくものですよ」
という風に効果を説明していく。

感謝って難しい

いきなり人間に感謝するのが難しければ、ツールからでもいい。
「Jenkinsありがとう」

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