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エンジニアの「雑談」の効能を考える

はじめに

COVID-19の影響によりリモート化が急速に進んだエンジニアの世界。
リモート化によって移動時間が減ったり、打ち合わせや仕事の切り替えがスムーズになったり、と多くの恩恵はあるものの、失ったものもあるはずです。

その一つが、雑談です。

リモート環境では、これまでのように、手を休めている人を見かけてから声をかけに行ったり、ランチの際に他愛もない話をしたり、ということがしにくくなっています。多くの現場で、完全になくなったわけではないものの、確実に減っているのが雑談です。

そんな雑談について、「エンジニアが雑談をすることによる効能」をNRI bitLabsのチームで雑談しながら考えてみました。

本記事は、以下の構成になっています。

  • 雑談のフレームを使い分ける
  • 雑談のチャネル

前半は雑談のパターンを紹介し、後半は実際に私が使っているチャネルを紹介しています。
何か、お役に立つ情報があれば幸いです。

雑談のフレームを使い分ける

「雑談が大事だよね」と言われるけど、全員が頭の中に腹落ちしているわけではありません。
なぜ雑談が大事なのか、雑談の価値を言語化できるようになると、効果的に雑談を活用できるようになるのだと思います。

雑談のフレームは2つ。話し方のフレーム話す内容のフレームです。

話し方のフレームとしては、以下の2つ。

  • 意識的な雑談:意図的に「雑談」と宣言して雑談する
  • 無意識的な雑談:「雑談」と言わずに雑談をする

そして、話す内容のフレームとしては以下の2つ、

  • 仕事以外の話:天気の話や趣味の話など、所謂「雑談」として一般的に捉えられるもの
  • 仕事の話

上記の「話し方のフレーム」×「話す内容のフレーム」の組み合わせによって、得られる効果は違ってきそうです。

A. 意図的な雑談×仕事以外の話

例えば、打ち合わせ・会議の最初に行うアイスブレイクなどがこれにあたります。
顧客と会ったときに話す最初の内容もこのパターンです。

この雑談の効果は、その場で全員が一言ずつでも話すことで、その後の打ち合わせに積極的に参加する姿勢が生まれやすくなることです。また、打ち合わせの際に喋りやすくなり、活発な議論を促進する、という効果も見込めそうです。

NRI bitLabsでも、週1で行われる定例会議(15人程度参加・1時間)のうち最初の10分間はこの雑談をしています。仕事に関係したりしなかったり、な話ですが、直接私たちの活動とは関係のない話もよくします。この文化は1年程度続いており、私としても満足度の高い活動です。なお、この記事の元ネタも10分間の雑談から生まれています。

私が2020年4月から行っている、5人のチーム活動でも、必ず意図的に雑談(アイスブレイク)を入れて、何かしらのネタでみんなで自己開示する・会話するようにしています。こちらは、チームが出来て間もない際には、関係性を向上させ、一方的な報告の場になりがちな「定例会議」を、双方向での相談・共有の場にしやすいという効果も得られているように思います。

B. 無意図的な雑談×仕事以外の話

ふらっと同僚の席に立ち寄って雑談をする、というのがこのパターンです。
また、飲み会での会話も同様でしょう。

こちらの効能としては、「関係の質を向上する」「心理的ハードルを下げる」効果があります。

  • 飲み会で上司の考えがよくわかる
  • 部下が上司の話を聞いてどう感じているのか、というのを聞きやすくなる
  • 部下から話しかけやすくなる
  • チームで議論をしやすくなる
  • 第三者に話した内容が回りまわってフィードバックされてくる

といったように、結果的に仕事の中でのコミュニケーション・コラボレーションを促進し、別のパターンでの雑談へと繋げやすくなる効果も見込めそうです。

C. 意識的な雑談×仕事の話

1on1や、壁打ちなどのコミュニケーション、そして仕事中に誰かに声をかけて始まる仕事の話がこのパターンです。
Bのパターンから、自然にCへと派生する場合もあります。

このパターンでは、チーム目線で見ると、互いの状況を把握したり、学びや気付きを共有する効果があります。

チームによっては、デイリーミーティング(スクラムにおけるデイリースクラムなど)でこの効果を意識しながらを行うことで、チームメンバー内の透明性が向上し、協調作業がしやすくなる、互いに手助けをしやすくなるでしょう。

マネジメント目線では、リスクの早期検知に繋がります。雑談という「報告」よりも心理的ハードルの低い状態で仕事の話ができるようになれば、部下・チームから様々な情報を拾い上げることができるようになります。
定例会議や報告の場で「レポートしなければ」と思うよりも低いレベルの「懸念事項」「ちょっとした悩み」を共有してもらえれば、怪しい匂いをかぎ分けて、何かしらのアクションを取る事ができます。また、互いに小さなことでも言えるような関係性を保てれば、部下・チームのモチベーション・エンゲージメントも高水準で維持しやすい状態となるはずです。

エンジニア目線では、意図的な雑談を作る場を設けることで悩みを吐き出せるようになるほか、壁打ちをすることで思考の整理がしやすくなる効果が見込めます。
一人で悩むよりも、他の人に話をすることで思考が整理されるタイプの人は、うまく雑談を活用することで、自身の仕事をより効率的に進めることができるでしょう。ただ、「壁打ちに付き合ってもらうのは申し訳ないなぁ」と思う人もいるはずです。「付き合わせる」という心理的な障壁が発生してしまいます。そういった人は、相互に壁打ちが出来る人を探したり、気軽に断ってもいい、というようなチーム・組織ルールを設定するとよいかと思います。

D. 無意識的な雑談×仕事の話

雑談のテイストで、自然と仕事の話ができるような場のことです。
チームの中で誰かがぼやいた独り言がきっかけでコラボレーションが発生したり、仕事の中でセッティングされた、何かを合意したりするわけではない対話の場もこのパターンに該当します。
Cと厳密に区別するのが難しいのですが(区別する必要もないとは思いますが)、そこはあまり深く気にしないでください。

このパターンの効能としては、新しいアイデアや発見・行動に繋がりやすいというものがあると思います。

例えば、客先訪問帰りに、客先のビルから駅まで同僚と一緒に歩いている時を想像してください。訪問の感触や、学びを共有し、次のアクションなどを自然に話し合います。成果によっては、そのまま飲み屋に直行して(コンプライアンスの許す範囲で)今後の展望について話したりするでしょう。

または、ふりかえりの中で自然発生的に出てきた、ちょっとした気づきや学び・TIPSなどの共有。他の人の行動・結果を聞くことで、意外なところからチームのアクションが出てきたりします。

上記のような、特定のシチュエーションで発生する効能を引き出しやすくするのが、「雑談と言わずに、雑談のテイストで仕事の話をする」場であるこのパターンです。

倉貫さんの書籍 ザッソウ 結果を出すチームの習慣 ホウレンソウに代わる「雑談+相談」 で作る場が、このパターンに近いのかなと思います。

私の経験上、クリエイティビティを発揮したり、新しい技術を探索したり、チームにブレイクスルーを起こすときには、このパターンから何かが生まれることが多いです。

ここまで4つのパターンを紹介してきましたが、いかにして A, B, CのパターンをDに繋がるように持っていくかが重要なように感じています。何か一つのアプローチだけでは、Dのパターンは生まれませんので、色々組織にあう方法を模索していく必要がありそうです。もし、雑談そのものが少ない現場であれば、A, B, Cのパターンを意識的に作って、Dを自然発生しやすくする/組織的に作りやすくする、というのがよいかと思います。

雑談のチャネル

こちらでは、効能についてはあまり考えません。
私がよく使っているチャネルを紹介していきます。
何か参考になれば、程度です。

チャット(Mattermost, Slack, Chatwork, Discord, Facebook, Twitter, Messengerなど)

文字による非同期コミュニケーションです。
仕事色の強いものから、ただの雑談まで幅広いですが、なんやかんやで色んなところから日々情報を集めている/発信しているように思います。

音声コミュニケーション(Zoom, Spatial.chat, Discord)

エンジニアがチームで使える!音声通話・雑談ツール11選 でも紹介したいくつかのツールを使います。
一緒に働いているチームでは、Zoomで1日ビデオをつなぎっぱなしで、モブワークをしています。

会議の中で(Skype, Zoom)

会議・打ち合わせの冒頭で入れる意識的に入れる雑談です。
あるほうが楽しいですし、ただ会議に参加して聞いているだけよりは、実入りがいいと思います。

1on1(Zoom)

1on1の中で雑談をすることも多々あります。現在、上司3人、同僚5人、社外2人と定期的に1on1をしていますが、雑談からはじめることで、話をしやすくなっていると感じています。

日報(メール)

新入社員が毎日書いている日報のなかで、雑談を取り入れています。実際に、上司からのフィードバックが得られやすくなったり、距離感を縮める効果がみられています。

週報(Confluence)

定例の中で全員に共有する内容の中に、雑談ネタを盛り込んだりします。興味を引いてもらいやすくなったり、自己開示しやすくなる、という効果がありそうです。

おわりに

私は、1週間の予定がほぼテトリス状態で埋まっており(埋まったら1列まるごと消えてくれるといいのですが)、意図的に雑談を作らないと精神的にもしんどい状態になっています。うまく、雑談を活用しながら、自分のパフォーマンスを上げていけるようにしていきたいなと考えています。
皆さんの雑談への考え方はいかがでしょうか。是非、聞かせていただけると嬉しいです。

viva_tweet_x
チームファシリテーター。 ふりかえり・カンバンなど、チームをよりよくするための活動を推進しています。 社内外でのイベントレポートも行います。 twitter: https://twitter.com/viva_tweet_x speakerdeck: https://speakerdeck.com/viva_tweet_x
nri
NRIは「コンサルティング」「金融 ITソリューション」「産業 ITソリューション」「IT 基盤サービス」の4事業でお客様のビジネスや快適な社会、暮らしを支えています。※各記事の内容は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。
https://www.nri.com/jp/
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