はじめに
この記事は 1on1 Advent Calendar 2019 の5日目の記事です。
私の組織では、1on1を導入して1年以上経ちました(多分。いつ入れたか覚えてない)。
現在どんなことを1on1でやっているのか、ということと、それまでに至るまでにどんな変遷があったのかをふりかえってみようと思います。
現在の1on1の姿
個人的には、理想的な1on1の姿で行えていると考えています。
導入当初から、毎週30分、上司(グループマネージャー)と1on1を行っています。同じ拠点にいるときは対面で行いますが、私も上司も複数の拠点に行ったり来たりを繰り返している関係上、一緒の拠点にいれないときは、Skypeで行っています。
対面率は30%程度でしょうか。
1on1では、ほぼ雑談として言っても差し支えない進め方で行われます。
私から話したい内容を話す日もあれば、話したい内容が思いつかないときは上司から質問を投げかけられたりします。
話している内容は、「1on1っぽい」内容もありますが、雑談という形式で行われます。
- キャリアについて
- 最近の仕事について
- 困りごと
- (上司が)任せたい業務についてのモチベーティング
- 私がやりたい業務の相談
などなど。
1on1カードを使って雑談してみたこともありました。
他の同僚がどういった1on1をしているかは聞いていないので分からないのですが、どの同僚も上司との関係は非常に良好でしょう。
私自身は、1on1で以下のような効果を感じています。
- 自分のやりたい仕事が上司と共有でき、仕事に繋がっている
- 上司にキャリアや目標について、常に共有できており認識のズレが発生しにくい
- 私がやりたくない仕事に関しては上司がしっかりモチベーティングしてくれる
- それはやりたくない、という相談も気軽にできる
- 組織としてのミッション・ビジョンが上司を介して、自分の言葉として落とし込まれている
大きく変わったのは半年に1度の目標面談です。1on1を導入するまでは、目標面談の際に対面で打ち合わせる時間設定をし、初めて目標をこちらから共有してコメントを貰ったり、逆に上司からミッション・ビジョンを提示されて話し合ったり、という場に使っていました。それ自体は悪くはないことなのですが、現在では、目標面談の時間も1on1の時間内に行うため調整が不要なのはもちろんのこと、普段から私と上司の双方での目標に関するコミュニケーションが取れているため、目標の認識相違がなく、雑談をしつつ「頑張ってね」と後押ししてもらえる場となっています。
緊張感はなく、こちらから先を見据えた大きな話や夢について話したり、目標面談とは全く関係のない話題で盛り上がったりもします。1on1の時間を、存分に楽しんでいる自分がいます。
「いいよなぁこの1on1」と思える状態なのですが、世に出回っている(または仕事の関係で耳にする)1on1の話を聞くと、この姿とはだいぶギャップがあるなと感じています。なぜ、現状のような姿になったのか、というのをふりかえることで少しでも再現性が上がらないかな、と考えたのがこの記事の発端です。
1on1の変遷
組織に1on1を入れよう!と言い始めたのは、私の元上司(この人もグループマネージャー)だったと認識しています(今も一緒に仕事しています)。
その時から、グループマネージャーが数人集まって1on1についての勉強を進めていたのですが、「興味あるから混ぜろー」と言って、その勉強に混ざっていたのが私です。
グループマネージャーと手分けして1on1関連の研修に受けに行ったり、1on1の進め方についての議論を社外の実践者の方としたり、かなり色々調べて行っていました。
丁度私はそのころコーチングスキルを伸ばしたいと考えていて、その一環として1on1は有効に作用すると考え、自分なりに調べていました。
そして、実際にやってみようということになり、グループ内でトライアルが始まります。私は普段からふりかえり人間なのもあって、普段自分ひとりでやっているふりかえりを、上司と一緒にやってみる、というような進め方で始めました。
その結果、「自分からの内省・省察」「自己開示による相互理解」が進み、コミュニケーションがしやすい関係が生まれていったものと考えています。
また、面白い取り組みとして「ナナメ1on1」をやってみたり、@nitt_sanさんに1on1をお願いしてみたり、と個人的にも模索しながら1on1をやっていた時期でした。
上司側でも、やってみた結果を共有して改善する、という活動も定期的に行われていました。
これら双方が作用し、今のいい感じのふりかえりになったのかなと思います。
あまりまとまりのない話になってしまいましたが、いい感じの1on1になった理由を最後にまとめます。
- 上司の1on1への理解。一人で理解するだけでなく、複数人で話し合って、改善をしていった
- 部下の1on1への理解。受ける側が「する側」の立場になって考えることで、話す話題が広がった
- ふりかえりの習慣化。平時からふりかえりをしていることで、1on1の中での「内省・省察」が高速で行えた
- 内面の開示。双方歩み寄りによる内面開示により、話しやすさが増した
- 頻度。最低週1、毎回同じ時間で行うことで、リズムもできるし、話もしやすくなった
1on1を組織的にやる、となると上司側への働き掛けをまず考えがちですが、部下・上司が一緒になって、1on1というものをどう扱うか、どうやっていこうかと考えていくことも非常に重要な要素だと感じています。
1on1が雑談、いいじゃないですか。
その結果、モチベーションが生まれ、エンゲージメントが高まる。そうした正の好循環が、よい組織を生み出していくのだと思います。
次のバトン
@radiocat さんの6日目に続きます。お楽しみに。