30
25

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

1年間の「ふりかえり」をふりかえる

Last updated at Posted at 2017-12-28

はじめまして、こんにちはこんばんは。
びば(viva_tweet_x)です。
ふりかえりに関して、1年間やってきたことをふりかえってみようかと思います。
自分のためのふりかえりのデータ分析が主ですが、私のふりかえりのやり方等で参考になることがあれば幸いです。

#「ふりかえりの種類」をふりかえる
今年は、以下のふりかえりを行いました。

1. ふりかえり
スクラムのレトロスペクティブ。チームに対して毎週目的や構成を考え、実践する。

2. ふりかえりのふりかえり
レトロスペクティブの中の「ふりかえりを終了する」アクティビティとして行う、ふりかえり自身のフィードバックを受けてのふりかえり。ふりかえり自身をよりよくするために定期的に行う。

3. ふりかえりのふりかえりのふりかえり
レトロスペクティブを行った日に、Confluenceに自身のふりかえりがどうだったか、次はどうすべきか、という内容を記載し、次に活かすようにする。また、レトロスペクティブを行った翌日、通勤時間中に「ふりかえり」に関する内容や所感などを思い出しながら記載し、記憶の定着を図る。こちらはtwitterに毎週垂れ流されています。

4. 業務のふりかえり(YWT)
1週間の自分自身の業務をYWTでふりかえり、個人でのアクションに取り組む。(10月あたりから)

5. 勉強会・カンファレンスのふりかえり
業務外で勉強会・カンファレンスに行った際、自身で書いたメモやグラフィックレコードをもとに、内容の反芻や気づき、自身への取り組みなどをConfluenceに記載する。

6. 講演のふりかえり
今年実施した講演やワークショップについて、反省や改善点をふりかえり、次回の講演に活かせるようにする。

7. 日々のふりかえり
スクラムチーム内外のことに関して、毎日カンバンの「カイゼンボード」を更新し、KPTを回し続ける。

8. 年間のふりかえり(未実施)
3年前から継続。1年間の出来事を4名で話し合い、成長や今後の課題などを客観的に議論する。こちらは2月に実施予定。

こうして見ると、結構いろんなふりかえりをやってるなーとしみじみ。
次に数値を見てみます。

#「ふりかえりの時間」をふりかえる

活動を始めたのは4月からなので、4月~12月でカウント

  • スクラムチームのふりかえり
  • 準備:60分 × 29回 = 1740分
  • 実施:90分 × 29回 = 2610分
  • ふりかえりのふりかえりのふりかえり:90分 × 29回 = 2610分
  • 新人教育のふりかえり
  • 準備:60分 × 8回 = 480分
  • 実施:90分 × 8回 = 720分
  • ふりかえりのふりかえりのふりかえり:90分 × 8回 = 720分
  • 総ふりかえり:準備60分 + 実施540分 + ふりかえりのふりかえり60分 = 660分
  • 他チームへのふりかえり指導(計3回)
  • 90分 + 300分 + 300分 = 690分
  • 業務のふりかえり
  • 10分 × 8回 = 80分
  • 勉強会・カンファレンスのふりかえり
  • 30分 × 29回 = 870分
  • 講演のふりかえり
  • 60分 × 9回 = 540分
  • 日々のふりかえり
  • 10分 × 39週間 × 5日 = 1950分

計:13670分 = 228時間
業務時間が1日8時間とすると、4~12月の稼動時間は8時間 × 39週 × 5日 = 1560時間です。
業務時間のうち1日14%をふりかえりに費やしたことになります。
なかなかの数字が出てきました。
1日14%の時間を割いて、自身・チームの生産性向上に努めてきた、と言い換えることもできます。
4月に比べればとんでもなく成長したのが、自身でも実感できています。これは、やはりふりかえりにこれだけのパワーを割いてきたのも一因と言えそうです。

#「ふりかえりでやってきたこと」をふりかえる
ふりかえりのファシリテーションを考えてみる でもいくつかアクティビティを紹介いたしましたが、今年どれだけのアクティビティを実践したのか、調べてみました。
回数順に並び替えています。

場を設定するアクティビティ

アクティビティ 回数
DPA(Design the Partnership Alliance 6
希望と懸念 (Hopes and Concerns) 5
チェックイン / One Word (Check-In / One Word) 2
フォーカスオン / フォーカスオフ (Focus On / Focus Off) 2
チームの約束 (Working Agreements) 2
ハピネスレーダー (Happiness Radar) 2
タイムライン上のハピネスレーダー (Happiness Radar for Timeline) 2
3 dots 1
Six Thinking Hats(Blue Hat) 1
連想ゲーム 1
Good & New 1
Keep + Wakattakoto 1

チームビルディングに使いやすい「DPA」や、ふりかえりの目的を確認する「希望と懸念」を良く使っていました。個人的にも、迷ったらこの二つ、という印象が強いです。

データを収集するアクティビティ

アクティビティ 回数
タイムライン (Timeline) 6
KPT (Keep, Problem) 2
ORID (Objective, Reflective) 2
5つのなぜ (Five Whys) 2
FMEA 2
熱気球 (Hot-air Balloon) 2
バーンダウンチャート / バーンアップチャートの分析 2
ベロシティレポートの分析 2
コントロールチャートの分析 2
Six Thinking Hat (White Hat, Red Hat, Yellow Hat, Black Hat) 1
Value Stream Map 1
555 (Triple Nickels) 1
Story of Story 1
喜、怒、哀 (Mad, Sad, Glad) 1

「Timeline」1強でした。他のデータを収集するアクティビティと組み合わせて使用することもままあります。他は、問題解決や学習、チームのベロシティにフォーカスしたりと状況に応じて使い分けていました。

アイデアを出すアクティビティ

アクティビティ 回数
KPT (Try) 3
ORID (Interpretative, Decision) 2
学習マトリックス 2
Celebration Grid 2
ささいな利益 (Marginal Gains) 2
アクションのフォローアップ (Following up on Action Items) 2
Six Thinking Hats (Green Hat) 1
Repeat / Avoid 1
パターンとシフト (Patterns and Shifts) 1
ブレインストーミング (Brainstorming) 1
4Ls (Liked, Learned, Lacked, Longed for) 1
なぜなぜ分析 1
ドットによる優先づけ (Prioritize with Dots) 1

困ったら「KPT (Try)」でお茶を濁す、という使い方になっています。「学習マトリックス」「Marginal Gains」は使いやすく、重宝しています。

何をすべきかを決定するアクティビティ

アクティビティ 回数
KPTA (Action) 3
SSC (Stop, Start, Continue) 3
努力と苦痛 (Effort and Pain) 3
小さなヒトデ (Small Starfish) 2
質問の輪 (Circle of Questions) 2
アクションプランの作成 2
ドット投票 2
ヒトデ (Starfish) 1
Six Thinking Hats (Red Hat) 1
SMARTな目標 (SMART Goals) 1

ほぼ横並びです。どんなアクションを出させたいか、によってアクティビティを使い分けているためだと思われます。

レトロスペクティブを終了するアクティビティ

アクティビティ 回数
プラス/デルタ (+/Delta) 4
役立った、邪魔した、仮定した (Helped, Hindered, Hypothesis) 4
感謝 (Appreciations) 2
投資時間対効果 (ROTI) 2
自分のためのメモ (Note to Self) 2
Six Thinking Hats (Blue Hat) 1
温度計 (Temperature Reading) 1
360度感謝 (360 degree appreciation) 1
3 dots 1

全員からフィードバックを貰う「プラス/デルタ」「役立った、邪魔した、仮定した」を良く使っています。あとはチームビルディングとして「感謝」あたりでしょうか。

見直してみると、全体的にまんべんなく使っているのが分かります。こうして書き起こしてみると、名前を見ればパッとアクティビティですべき内容や効果が想起されるので、「ふりかえりのふりかえりのふりかえり」をしている効果が大きいのだと思われます。今では状況に応じて適切なアクティビティが選択できると自信を持って言えるようになりました。
色々なアクティビティに精通していると、新しいアクティビティを導入してみたいときにも、目的や効果を(他のアクティビティと比較することで)想像しやすく、導入に失敗することがなくなってきたように思います。積み重ねが活きてきているのだなぁとしみじみと感じます。

「ふりかえりの成長」をふりかえる

過去の記録を辿ると、大体こんな感じで成長の仕方をしていました。

  • 4~6月:とにかくTimeline + KPT / YWTの同じやり方で回す
  • 今見ると、効果的なやり方ではありませんでした。
  • 毎週の状況に合わせて、チームの問題にフォーカスしやすい状況を作ってあげることが出来ていませんでした。
  • 7~8月:自身の参加するスクラムチームで~6月までと同じやり方でスクラムマスターがファシリテートしてくれているのを横目に、別のチームでふりかえりの手法を色々試し始める
  • 自分でファシリテートして、どう目的や構成を作って、どうやれば参加者がより成長できるのか、というのを具体的に考えた時期でした。
  • Try & Errorの連続でしたが、ここでの実験的な試みが、今のスタイルに繋がっています。
  • 9月~10月:~8月で培った知識をスクラムチームに持ち帰って実践する。また、他チームへのふりかえりのアドバイザーなども行い始める
  • 事前にうまく効果が狙えるようなアジェンダを組んでおき、それにしたがってふりかえりを実施
  • 自チーム以外へのアドバイザー対応により、知識や対応の幅がグンと広がる
  • アジャイルひよこクラブにてふりかえりのファシリテーションについてLTをすることで、自身の知識体系を整理
  • 11月:アジェンダを何パターンか組んで、状況に応じて切り替えるようになる
  • ここら辺から、チームが何を求めているのかをヒアリングしてからアクティビティを切り替えられるようになりました。
  • 事前に何パターンか想定しておくことで、スピーディーな対応が出来るようになりました。
  • 変化球が来ても、タイムボックス内で必ず効果のあるアクションを出せるようになってきました。
  • 12月:ファシリテーターをチームに任せ始める
  • 事前に目的やアジェンダの想定だけはしておいて、場面に応じてアクティビティが即座に組み替えや選択できるようになりました。
  • チームメンバーにファシリテートさせつつ、時間内に収めるなどをし、チーム全体の成長を加速させる取り組みも試み始めました。
  • 各社との情報交換や、他社でワークショップを開かせていただき、自身の知識体系をより展開しやすい形で構築しなおせたと思います。

個人的には8月から加速度的に知識・スキルが高まっていったように思えます。**これは、カンファレンスで繋がった方との情報交換や、アウトプットのための情報整理があったうえで、いろんな場所で実践する場をいただけたからだと思います。**皆様、ありがとうございます。

今後の自身の「ふりかえり」の展望

今後もふりかえりはこの調子で続けていきます。守破離の「守」はできてきたと思いますので、そろそろ「破」にいきたいな、と考えています。
正直なところ、目的さえ達成できればふりかえりに形はなくてよく、形がないほうが参加者にとっては取り組みやすい場合もあるかと思います。そのため、来年は「形を意識させないふりかえり」ができるようにスキルを磨いていきたいと思います。
また、前を向いていくためにも、Retrospectiveのみならず、Futurespectiveの知識も溜めていきたいと思います。

皆様もよいふりかえりライフを。

30
25
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
30
25

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?