ルーティング インスタンス(RI)
JNCIA-DC資格試験では、ルーティング インスタンス(RI)およびルーティングインスタンスバックグラウンド(RIB)グループについての知識が求められます。以下にそれぞれの概要を説明します。
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ルーティングインスタンス(RI):ルーティングインスタンスは、論理的に分離されたルーティングテーブルの集合です。つまり、各ルーティングインスタンスは、異なるルーティングプロトコルや異なるVRF(仮想ルーティングおよび転送)インスタンスなど、異なるルーティングテーブルを保持できます。
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ルーティングインスタンスバックグラウンド(RIB)グループ:ルーティングインスタンスバックグラウンドグループは、RIのルーティング情報ベース(RIB)を表すために使用されます。つまり、RIの各RIBグループは、そのインスタンスに関連する情報を収集・保持し、各ルーティングプロトコルの学習、フィルタリング、そして転送決定を実行するのに使用されます。
ルーティングインスタンス(RI)は、同じデバイス上で異なるルーティングプロトコルを実行する必要がある場合に、それぞれのルーティングプロトコルに対して独自のルーティングテーブルを作成することができるため、ネットワークの柔軟性を高めることができます。
例えば、BGPプロトコルでインターネットルーティングを行うRIを作成し、同じデバイス上でOSPFプロトコルを使用して内部ルーティングを実行するRIを作成することができます。
ルーティングインスタンスバックグラウンド(RIB)グループは、RI内の複数のRIBをグループ化して、同じルーティングプロトコルに関連する情報を管理するために使用されます。
各RIBは、同じルーティングプロトコルに関連する情報を管理するために使用されますが、同じルーティングプロトコルでも、異なるネットワークのセグメントに関連する情報を別々のRIBで管理することができます。
また、試験では、RIBグループの役割に加えて、RIBグループを構成するために使用されるフィルタリングオプション、およびRIBグループ間での経路交換に使用されるルーティングポリシーに関する知識も求められます。
フィルタリングオプション
RIBグループを構成するために使用されるフィルタリングオプションとしては、以下のようなものがあります。
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受信フィルタ:RIBグループ内で学習された経路のうち、特定の条件を満たすものだけを選択することができます。例えば、プレフィックスの長さやプレフィックスリストに基づいてフィルタリングすることができます。
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出力フィルタ:RIBグループから広告される経路のうち、特定の条件を満たすものだけを選択することができます。例えば、宛先プレフィックスに基づいてフィルタリングすることができます。
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サンプルリアルタイムフィルタ:ルーティングテーブルの変化をリアルタイムで監視し、フィルタリング条件に一致する経路が変化した場合に通知することができます。
ルーティングポリシー
RIBグループ間での経路交換に使用されるルーティングポリシーには、以下のようなものがあります。
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インポートポリシー:外部のルートを内部のルーティングテーブルに導入する際に、どのような条件を満たすルートを受け入れるかを制御するために使用されます。例えば、ルートのタグやルートのネクストホップなどに基づいてフィルタリングすることができます。
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エクスポートポリシー:内部のルートを外部のネットワークに広告する際に、どのような条件を満たすルートを広告するかを制御するために使用されます。例えば、ルートのタグや広告するネクストホップなどに基づいてフィルタリングすることができます。
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ポリシー優先順位:ルーティングポリシーが競合する場合に、どのポリシーが優先されるかを制御するために使用されます。