【LPIC-1】微経験エンジニアが1ヶ月90時間で合格した勉強法(あずき本→スピマス順)
LPIC-1(LPIC レベル1、101/102)を、IT 経験が約3ヶ月の 微経験エンジニア が、1ヶ月/合計約90時間で取った手順をまとめます。
「何を覚えるか」より「どの教材をどの順で回し、どこで落とすか」を中心に整理しました。同じくらいのスペックでこれから受ける人の参考になれば。
前提:スペックと目的、学習時間
- IT 経験:約3ヶ月(微経験)
- 現職:インフラ寄り(ヘルプデスク)
- 受験動機:今の仕事が Linux に少し関わる/エンジニアの基礎としての Linux 知識を証明したい
- 学習期間:約 1ヶ月/平均 1日3時間/合計 約90時間
- 想定読者:LPIC-1 を受けようか迷っている、または受けると決めた IT 微経験〜初級者(未経験寄りの人 にも当てはまる前提)
結論:1ヶ月の骨子
- あずき本 → スピマス の順で進める
- 101 試験と 102 試験は ノートを最初から完全に分ける
- スピマスの「踏み込みすぎな解説」は飛ばして OK。試験範囲外の深掘りに引きずられない
- 試験当日は「複数選択数」と「記述の粒度」を毎問チェックする
学習設計:なぜ「あずき本→スピマス」の順なのか
スピマス(LPIC レベル1 スピードマスター問題集)の解説は、試験範囲のなかでもかなり踏み込んだ内容まで含まれています。
分かっている人が知識を整理するには頼もしいのですが、IT 経験が浅い段階でいきなり開くと、
- 用語が一気に押し寄せる
- 「これも覚えなきゃいけないのか」と量に圧倒される
- 結果、序盤で詰まって挫ける
…という流れになりがちです。
順序としては:
- あずき本(Linux 教科書 LPIC レベル1 version5.0 対応)で「101/102 の試験範囲はだいたいこういう範囲」と地図を持つ
- その上でスピマスを問題形式で回し、間違えた箇所をあずき本に戻って確認する
- スピマスにあってあずき本にない説明は、試験のために必要かどうかを 1 段冷静に判断する
ちなみに、スピマスに書いてあるポイントが、あずき本に書いてあるとは限らない 点は要注意です。両方を行ったり来たりしながら、自分用の整理ノートを作るのがおすすめです。
教材の役割分担
| 教材 | 役割 | 注意点 |
|---|---|---|
| Linux 教科書 LPIC レベル1 version5.0 対応(あずき本) | 範囲と概念の土台作り | まずはここから。1周目は完璧を狙わない |
| LPIC レベル1 スピードマスター問題集(スピマス) | 試験形式での演習 | 本番に近い概念が出やすい。ただし深掘り解説は飛ばして良い |
| Linux 標準教科書(Apple Books などで無料配布) | 参考用・補助 | 試験対策には情報量が足りない。「Linux を学びたいだけ」の人の入口にはアリ |
101 試験で一番落とした:パッケージ管理コマンドの暗記法(apt / yum / dnf / dpkg / rpm)
101 のなかでも、パッケージ管理コマンド はコマンド数が多く、丸暗記でやろうとすると確実に消耗します。
実務でパッケージ運用をしていない人だと、自分のように本番で ここでかなり落とす ことになります。
丸暗記で詰まった結果、自分はこう整理し直しました。
ディストリの系統で分ける
-
Debian 系(Ubuntu など) →
dpkg(低レベル) /apt(高レベル) -
Red Hat 系(RHEL, CentOS, Fedora など) →
rpm(低レベル) /yum(高レベル) /dnf(yum の後継)
「低レベル=パッケージファイルを直接操作/高レベル=依存関係を自動で解決」という対比を先に頭に入れておくと、コマンドオプションの暗記が「丸暗記」から「使い分けの確認」に変わります。
よく使うサブコマンドだけ先に固める
- インストール / 削除 / 検索 / 一覧表示 / 詳細情報
- この5つの動詞が、
apt/dnf/dpkg/rpmでそれぞれ何になるかを 対応表にして1ページにまとめる
自分が実際に作って毎日眺めていた表がこれです。
![[packagememo.png]]
「上位ツール(依存関係を自動解決)/下位ツール(単体操作のみ)」の対比と、install / remove / search / info / 一覧 / 詳細情報 の動詞列で揃えると、本番で「あれ、これどっちの系統だっけ?」と迷う回数が確実に減ります。
…とはいえ自分は本番で取りこぼしたので、早めに対応表を作って、毎日眺めるのを習慣にする のを強くおすすめします。実務でパッケージ運用がない/IT 経験が浅い人ほど、暗記より構造で乗り切るほうが現実的です。
102 試験は範囲広いのに迷わない:101 との違いと学習配分
102 試験は 範囲こそ広いものの、一つひとつの概念が独立していて、101 のようにごちゃつかない 印象でした。
個人的には 101 より 102 のほうが手応え的にラクで、「網羅率を上げる」イメージで進めれば足ります。
具体的に、自分が学習したスピマスの章別ジャンルは次のとおりでした:
-
第7章:シェル・スクリプト(環境変数、関数、
read) - 第8章:X Window System(XDM/GDM/SDDM/LightDM、ウィンドウマネジャー)
-
第9章:ユーザー管理(
adduser/userdel/usermod、/etc/skel、ロケールLC_TIME) -
第10章:メール(
.forward,mailq) -
第11章:ネットワーク(最重量)(CIDR/サブネット計算、プライベートIP、ポート番号、
dig、nmcli/NetworkManager、IANA) -
第12章:セキュリティ(
chage,authorized_keys, PAM)
このうち 一番カロリーが高いのは第11章のネットワーク です。CIDR の /28 = 16個単位 のような計算、プライベートIP の範囲(10/8、172.16〜31、192.168)、ポート番号、NetworkManager の connectivity 状態など、覚える量が他章の倍くらいあります。
102 で時間が余るなら、迷わずネットワーク章に集中投下するのが効率的 です。
ちなみに、自分の模擬試験スコアは 1周目で 模擬1: 55%/模擬2: 63% とそこそこ低いところからスタートしましたが、復習を回したあとの2周目では 模擬1: 81%/模擬2: 95% まで戻しました。
1周目の点数が低くても、復習で巻き返せます。ここは大事です。
学習配分の結論としては、101 のほうに厚めに時間を寄せ、102 はネットワーク章だけ集中投下 が、自分にとっては期待値が高い配分でした。
本番で落とさないための3つのチェック
メモから抜き出した「これやっておけばよかった」リストです。
-
101 と 102 のノートを最初から分ける
特に練習問題のミスログ。混ざるとどちらの試験範囲か曖昧になり、復習効率が落ちます -
記述問題の粒度を毎回確認する
「コマンド名だけでよいのか/引数・オプションまで含めるのか」。設問の指示をちゃんと読まないと、書ける内容なのに落とします -
複数選択は「◯個選択してください」を必ず読む
分かっていてもミスする頻出ポイント。最後のチェックリストに入れておく価値があります
読者が今日からできる手元の最小ステップ:UTM で Linux 環境を立ち上げる
座学だけだと、コマンドが「画面に映らない」状態で進みます。
これは Linux の試験対策では結構もったいなくて、手元に Linux が動く環境を1つ作っておくだけで、記憶の定着率が体感で変わります。
おすすめは Mac 用の仮想マシンソフト UTM です。無料で、Apple Silicon にも対応しています。
- 公式: https://mac.getutm.app/
- インストールは Mac App Store または公式サイトの DMG から
- イメージは試験範囲に近いディストリを選ぶ(例:Ubuntu Server / AlmaLinux など)
立ち上がったら、まずは無害なコマンドを1つだけ叩いてみます。
# Debian 系 (Ubuntu) なら
apt list --installed | head
dpkg -l | head
# Red Hat 系 (AlmaLinux など) なら
dnf list installed | head
rpm -qa | head
「あずき本に書いてあるコマンドを、画面で見ながら復習する」だけで、座学のみより手応えが変わります。
1日30分でいいので、本番までの間に環境で何かを叩く時間を作る ことを強くおすすめします。
参考リンク
- LPIC-1(日本語): https://lpi.or.jp/lpic1/
- LPIC-1(グローバル): https://www.lpi.org/our-certifications/lpic-1-overview/
- UTM(Mac 用仮想マシン): https://mac.getutm.app/
- 教材
- 翔泳社「Linux 教科書 LPIC レベル1 version5.0 対応」(あずき本)
- 翔泳社「LPIC レベル1 スピードマスター問題集」(スピマス)
- 「Linux 標準教科書」(LPI-Japan、Apple Books などで無料配布)
関連記事(微経験 × 資格シリーズ)
同じ書き手が、未経験/微経験スタートで取った他の資格についても記事にしています。
今後も「微経験エンジニアでも取れる資格」シリーズで書いていく予定です。
まとめ
LPIC-1 は、「簡単」とまでは言わないけれど、IT 微経験者にとっては取りやすい部類 の資格です。
学んだ内容は、Linux サーバを触る場面はもちろん、コンテナ・クラウド・運用系の話題でもよく見かけるので、取った後に「使う場面」がちゃんとある のもおすすめできるポイントです。
同じくらいの IT 経験で、これから LPIC-1 を受けようとしている人の参考になれば。健闘を祈ります。