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Google SpreadSheetのデータを Pythonで取得する

Last updated at Posted at 2022-09-15

目的

概要

ヴェネクト株式会社のディレクター 小峰です。
今回の記事では、Google SpreadsheetのデータをPythonで取得する方法をご紹介します。
VENECT内での活用事例を踏まえつつ、下記の要素を説明します。

  • どのPackageを利用すべきか
  • アカウント認証をどのように行うか
  • Google Spreadsheetのデータをどう取得するか
  • 活用しやすいようにDataFrame変数に加工する

利用例

Google Spreadsheetに記載される情報をBigQueryに送信するために利用しています。担当者が手動で入力・管理したい情報をGoogle Spreadsheetのテンプレートで管理し、PythonのアプリケーションでBigQueryに送信しています。そのデータをシステム側で処理し、必要なデータに加工しています。

プログラム実行環境

利用するPackage

Google Spreadsheetのデータにアクセスするために、gspread というPackageを利用してデータ取得を行っています。Google公式が提供しているPackageよりも必要なデータにアクセスする処理がシンプルなので、こちらをおすすめします。

インストール方法

pipで配布されていますので、下記のコマンドをコマンドプロンプト(MS)やターミナル(MAC)で実行すれば取得することができます。

pip install gspread

API利用前の準備

GCPAuth情報の取得方法

Spreadsheet APIですが、GCPのAuth情報が必須になります。そのため、GCPのAuth情報を取得するための手順を記載します。

GCPのプロジェクトを作成する

作成手順は下記の公式Helpをご確認ください

GCP|プロジェクトの作成と管理
https://cloud.google.com/resource-manager/docs/creating-managing-projects?hl=ja

API接続用の認証取得

APIでリクエストを行う際に、GCP認証用のJsonファイルが必要になります。GCPのプロジェクトを作成後、下記の手順で認証用Jsonファイルを取得できます。

  1. ページ左側のメニューから「APIとサービス」>「認証情報」を選択する
    スクリーンショット 2022-09-15 16.23.10.png

  2. 認証情報ページが表示されるので、ページ上部の「+ 認証情報を作成」を選択する。次にサービスアカウントを選択する
    スクリーンショット 2022-09-15 16.23.59.png

  3. 必要項目を設定後、「完了」ボタンを押す
    68747470733a2f2f71696974612d696d6167652d73746f72652e73332e61702d6e6f727468656173742d312e616d617a6f6e6177732e636f6d2f302f323539383034332f37336237363466622d333137662d363434312d366432322d3239343866333133363261312e706e67-2.png

  4. 「​​サービスアカウント」の項目にある作成したアカウントを選択する

  5. ページ上部のメニューにある「キー」を選択し、「鍵を追加」を選ぶ
    スクリーンショット 2022-09-15 16.25.58.png

  6. 「JSON」形式を選択し作成、作成が完了すればAuth情報を記載するJSONファイルをダウンロードできる
    スクリーンショット 2022-09-15 16.26.23.png

結果、認証情報を記載したJsonが得られるため、管理しやすい場所で保管してください。

APIの有効化

SpreadsheetのAPI利用には、GCPの側で下記の2つのAPIを有効化する必要があります。

  • Google Drive API
  • Google Sheets API

設定方法ですが、下記の手順です。

  1. 「APIとサービス」>「有効なAPIとサービス」から有効化APIの選択画面に遷移する
    スクリーンショット 2022-09-15 16.28.44.png

  2. ページ上部の「+ APIとサービスの有効化」を選択する
    スクリーンショット 2022-09-15 16.29.09.png

  3. APIライブラリに遷移するため、上記の2つのAPIを検索し、有効化する
    スクリーンショット 2022-09-15 16.29.45.png
    スクリーンショット 2022-09-15 16.30.11.png

対象SpreadsheetにAPIアクセスを許可する

APIによるスプレッドシートへのアクセスですが、 CGCPAuth情報の取得方法 で取得したJsonファイルに記載されるGoogleアカウントより行われます。
認証用のJsonファイルを確認し Client_email の項目に記載されるGmailアカウントをコピーしてください。
その後、APIでアクセスさせたいGoogle Spfreadsheetを開き、下記の手順で対象のアカウントに権限を付与してください。

  1. 右上の「共有」ボタンを押す
    スクリーンショット 2022-09-15 16.32.37.png

  2. 「ユーザーやグループを追加」の欄に該当のGamilアカウントを貼り付ける
    スクリーンショット 2022-09-15 16.33.03.png

  3. 権限を「編集者」にし「送信ボタンを押す」

上記で、APIを利用するための準備は完了になります。

サンプルコード

次にPythonを利用してGoogle Spreadsheetの情報を取得するサンプルコードを記載します。

利用するPackage

今回の処理では、下記のPackageを利用します。

import pandas as pd
import numpy as np
import gspread
from oauth2client.service_account import ServiceAccountCredentials
import pytz
from google.cloud import storage
import os

Packageの解説をします。

  • Pandas
    取得したGoogle Spreadsheetの データをDataFrame変数に加工するために利用します
    その結果、不要列と不要行の削除・列単位でのデータの加工など、実用的な処理を行うことができます
    VENECTでは、一度DataFrame変数に加工し適切な処理をした上でBigQueryに送信し業務に活用します。
    DataFrame変数に加工することでTable形式への変換もスムーズに進みます

  • Numpy
    numpyに組み込まれている関数を利用します

※今回の処理では採用していませんが、Pandasと相性が良く、使う機会も多いため、一応記載します
  • gspread
    今回のGoogle SpreadSheetのデータ取得の核となるPackageです
    データ取得・データの変換まで一括で行ってくれるためかなり利便性が高いです

    ※Google公式のPackageを採用しても処理は可能ですが、gspreadの方がシンプルで使いやすいです
  • ServiceAccountCredentials
    GCPの認証に利用します

  • Storage
    GCPの認証に利用します

※Google Storage自体は関係ありません
  • OS
    環境変数に認証用アカウントを設定するために利用します

認証情報の設定

下記がサンプルコードになります。

Auth = 認証用のJsonファイルのPath
os.environ['GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS'] = Auth
storage_client = storage.Client()
buckets = list(storage_client.list_buckets())
scope = ['https://spreadsheets.google.com/feeds','https://www.googleapis.com/auth/drive']
credentials = ServiceAccountCredentials.from_json_keyfile_name(Auth, scope)
Client = gspread.authorize(credentials)

Client変数にGoogle Spreadsheetの接続情報が格納されます。

Google Spreadsheetの情報を取得する

先にサンプルコードを記載します。gspreadを利用することでかなりシンプルに取得できます。

CASE1|シート内のすべてのセルから情報を取得する

SpreadSheet = Client.open_by_key(Google Spreadsheetのキー)
RawData = SpreadSheet.worksheet("シート名"])
Data = pd.DataFrame(RawData.get_all_values())

上記3行だけで、対象シートの情報を取得しData Frame変数に内容を格納できます。

1行目で対象のGoogle Spreadsheetに接続します。
キー番号は、対象シートのURLに記載されていますので、そちらから取得してください。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/”ID番号”/edit#gid=0

2行目で対象のシートに接続します。

3行目で対象シートのすべてのセルの情報を取得します。
この際に、下記のように2重のList変数で情報を取得します。

[
	[1行目の要素(セル毎にList要素として出力する)]
	[2行目の要素(セル毎にList要素として出力する)]
 	…..
]

一旦、細かい加工を先送りにし、DataFrame変数として定義します。(DataFrame変数に変形した方が、加工をしやすいため)

CASE2|特定のセルを指定し情報を取得する

サンプルは下記です。

SpreadSheet = Client.open_by_key(Json["SPREADSHEET_KEY"])
RawData = SpreadSheet.worksheet(Json["WorkSheet"])
Val = RawData.acell('B1').value

サンプルとして B1 を記載していますが、AI Notion形式で特定セルを指定することで情報を取得できます。

AI Notion

  • レンジには対応していないことに注意してください。
    • sheet1|A1:Z100 のように範囲指定はできません。
    • レンジで情報を取得したい場合、 シート内のデータをすべて取得し、DataFrame変数での条件抽出を活用し、必要な情報にだけ取得する 処理で対処してください。

他にもシート作成やセル値の代入もgspreadは可能です。
詳細は下記の公式Helpよりご確認ください。

情報を加工する

以下は、不要かもしれませんが弊社で採用している加工処理を紹介します。

1行目をColumn名にする

Data.columns =  list(Data.iloc[0])
Data = Data.drop(0, axis=0)
Data = Data.reset_index(drop=True)

「シート内のすべてのセルから情報を取得する」で取得したData Frame変数を対象にします。1行目をColumn名に設定し削除しています。合わせて自動設定されるIndexも削除します。

空白行を削除する

Data = Data[Data["列名"]] != 0]
Data = Data[Data["C列名"] != "0"]
Data = Data[Data["列名"]] != ""]
Data = Data[Data["列名"]] != "-"]
Data = Data.dropna(
   subset=[Json["列名"]],
   axis=0
)

指定した列の値が、空白や0である場合、削除する処理を行っています。

数値列内の0や空白, Nanを"-"で置換する

for Column in ["列名のリスト"]:
   for i in ["", "0", 0, "Nan", "None", "-", " ", " ", "   ", "   "]:
     Data[Column] = Data[Column].fillna(0)
     Data[Column] = Data[Column].replace(i, 0)

nanを0で置換しています。
BigQueryに送信する場合、nanは文字列判定されるエラーを誘発するため、本工程はかなり重要です。

データ型を定義する

Data = Data.astype(
   "データ型を指定するDict"]
)

指定したDict変数に従い型変換をします。
必須ではないですが、BigQueryにデータ送信するため、エラー回避のため、DataFrame変数の各列のデータ型を定義しています。

以上となります。お読みいただきありがとうございました。

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