Windows環境でZedをビルドして使う

Last updated at 2024-12-16Posted at 2024-06-28

はじめに

最近話題にあがるようになった軽量エディターであるZedは、現在Mac版のみの提供である。
しかし公式には提供されていないもののオープンソースかつクロスプラットフォーム対応なので自分でビルドすればWindowsやLinuxでも使うことができる。

公式にWindows向けのビルド方法が書いてあるのでそれを見ながらやっていく。
https://github.com/zed-industries/zed/blob/main/docs/src/development/windows.md

今回はインストーラーを作成する形式ではなくexeを直接生成するやり方である。
また、この流れで発生するいかなる事象について、私は一切の責任を負えないことを了承のうえで実行してほしい。

ZedはRustで記述されているため、まずはRustのインストールを行う。
今回はWindows向けのビルドなのでWSL環境やDevContainer環境でのRustが使えないことは注意が必要だ。

公式からダウンロード＆インストールしよう。
https://www.rust-lang.org/ja/tools/install

パッケージ管理ツールを使っている方はそちらからインストールでも良い。
たとえばwingetを使っているなら以下のコマンドを打つ。

winget install Rustlang.Rustup

アップデートの場合は下記コマンドを実行するだけで良い。

rustup update

次にWindows向けビルドをするためにMSVCが必要になる。
主に2つのやり方があるのでどちらも紹介する。

Visual Studio Installerの画面で追加コンポーネントを選ぶことができる。
このうち必要になるのは「C++によるデスクトップ開発」の項目だ。
「MSVC」が必要になるのでそれを選んでインストールしよう。

Visual Studioを入れる余裕がない人の選択肢がこちら。

一応winget版も書いておく。

winget install Microsoft.VisualStudio.2022.BuildTools

下記のコマンドでインストールしよう。

rustup target add wasm32-wasi

git clone https://github.com/zed-industries/zed.git

リポジトリのルートにあるファイルを編集して下記のように書き換える。
targetsの中身をMSVCのものに変えれば良い。

Cargo.toml

[toolchain]
channel = "1.79"
profile = "minimal"
components = [ "rustfmt", "clippy" ]
targets = [ "stable-x86_64-pc-windows-msvc" ]

以下のコマンドでビルドを行う。
長時間かかるしメモリ使用率・CPU使用率も跳ね上がるので事前に他のアプリは終了させておこう。
自分はというとRustRover内のコンソールでビルドしてしまってえらいことになった。デバッグビルドはともかくリリースビルドする時は落としておきたい

cargo build --release

ビルド終了後、リポジトリのある位置から target/release/ といけば本体のzed.exeファイルがある。
これを好きな位置に配置して実行しよう。

これで完了。

まずビルドしての感想。
Windowsビルドの難易度は全然高くないと思った。
英語を読む力（翻訳系アプリを使っても良い）がある程度あってWindowsアプリを何かしら作ったことがある人であれば問題なくできるだろう。
ドキュメントが簡潔にまとまってるのでかなり良いなという印象。

次にZed自体の感想。
起動時間がマジで早い。
サクラエディターより若干遅いが1秒かからず起動。
VS Codeより起動が早いのでササッとコード確認したいときには便利。

あれ、もしかしてサクラエディターすごい・・・？