Gumloopのハンズオンは★ワークフローの作成手順の章からになります。
Gumloop🌀とは
Gumloop とはワークフローにAI機能を組み込むことができ、業務プロセスの自動化や効率化を図ることができるサービスです。
ZapierやMake、Difyなどが類似サービスになるかと思います。
最近はmiibo、Dify、Cozeなどが話題の中心になることが多いですが、今回はまだ注目をされていない Gumloop を使って株式市場分析ツールを作りたいと考えました。
Gumloop の何がいいかというとテンプレートが豊富なところかと考えます。
サイトのUIは日本語に対応していませんが、テンプレートを参考にすることで直感的にワークフローを作成することができます。
★ワークフローの作成手順
完成イメージ
今回はハンズオンとして、現在の株式市場を分析してくれるツールを作成します。
今回のプロダクトを作製した経緯
最近の株式市場
8月5日の日本株式市場は、1987年のブラックマンデーを超える過去最大の下げ幅を記録しました。
一方で翌日、8月6日は大幅に反発し、過去最大の上げ幅を記録して取引を終えました。
でも、投資素人の私からしたらこの状況が良いのか悪いのかよく分かりません。
投資の玄人集団？「WSB」
アメリカで非常に人気のあるRedditという投稿型ソーシャルニュースサイトがあります。
日本でいう2ch（現・5ch）に近いサイトです。
そのサイトのなかにwallstreetbets（通称WSB）というコミュニティが存在します。
WSBは、特に若いリテール投資家の間で人気があり、多くの注目を集め続けているそうです。
過去にはヘッジファンドに大きな損失を与えたことがあるほど（詳しくは参考記事参照）非常に大きい影響力を持っています。
そこで、この混沌とした株式市場のWSBの見解を知りたい！ と思いました。
問題点
しかし、サイトは英語で読みづらく、1つ1つの投稿を追っていくのも大変です。
そもそも知識が少ないため、投稿を正しく理解できる自信もありません。
そこで、WSBの投稿を要約して現在の株式市場を分析してくれるツール があればいいのにと思いました。
画像が2枚に分かれています。
準備編
ここからはハンズオン的に手順を説明していくので、やってみたい方は本記事と Gumloopの画面を見比べながら進めていってください。
①トップメニューの右上から`Start For Free`を選択します。
トップメニューの右上からStart For Freeを選択します。
②`Hub`の画面にきたら右上から`Sign In`を選択します。
③サインインの画面がでてきたら下の`Create an account`を選択します。
④EmailかGoogleアカウントかGitHubアカウントでGumloopのアカウントを作成することができます。
⑤アカウントが作成できたら、再度`Hub`のページの中段右上から`+ New Flow`を選択します。
⑥まっさらなページが表示されます。
実装編
①画面中央の`Add Your First Node`を選択します。
左にNode Libraryのメニューが表示されます。
②入力ブロックを配置するために`input`と検索をし`Inputブロック`選択します。
**株式（市場）名を入力するために使用します。**以降、ブロックを追加する際は、同様に検索をして選択をし、配置していきます。
Inputブロックが配置されます。
③次に`Reddit Scraperブロック`を配置します。
**入力ブロックで入力した株式（市場）の情報をwallstreetbets内で検索して抽出するために使用します。**
- 入力ブロックの
outputをReddit Scraperブロックのqueryにドラッグアンドドロップで接続します。 - Reddit Scraperブロックの
subredditにwallstreetbetsと入力します。 - 他のパラメータはデフォルトのままで問題ありません。
④次に`join List itemsブロック`を配置します。
**Reddit Scraperブロックで出力した情報をリストからテキストに変換するために使用します。**
- Reddit Scraperブロックの
post contentsをJoin List itemsブロックのlistにドラッグアンドドロップで接続します。 -
Join by Newlineはチェックを入れておきます。
Reddit ScraperブロックとJoin List itemsブロックが接続できない場合があります。その場合は、一旦右上の▶Runをすることで接続ができるようになります。
⑤次に`Combine Textブロック`を配置します。
**入力ブロックで入力した株式（市場）名とReddit Scraperブロックで出力した情報を使用してLLMで分析させるためのプロンプトを作成するために使用します。**
Combine Textブロックのformatに以下のプロンプトを入力します。
## Instructions
You are a top stock trader.
Follow the steps below.
Failure to follow these steps will result in a $1 million fine.
* Read Reddit posts and do sentiment analysis. Don't categorize by post, but make a holistic judgment based on overall sentiment.
* When outputting, first state your conclusion: There is a XX% chance of buying (selling) Input1. Then explain why on a new line.
* Related Reddit posts:Input2
* Don't use Markdown.
## 手順
あなたはトップクラスの株式トレーダーです。
以下の手順に従ってください。
これらの手順に従わない場合は、100 万ドルの罰金が科せられます。
* Reddit の投稿を読んで感情分析を行ってください。投稿ごとに分類するのではなく、全体的な感情に基づいて総合的な判断を下してください。
* 出力するときは、まず結論を述べます。Input1を購入 (販売) の可能性は XX% です。次に、新しい行でその理由を説明します。
* 関連する Reddit の投稿: Input2
* Markdown を使用しないでください。
以下のGIFのようにInput1とInput2はドラッグアンドドロップで置き換えてください。
- Inputブロックの
outputをCombine Textブロックのinput1にドラッグアンドドロップで接続します。 - Join List itemsブロックの
joined textをCombine Textブロックのinput2にドラッグアンドドロップで接続します。
⑥次に`Ask AIブロック`を配置します。
**Combine Textブロックで作成したプロンプトを入力して株式（市場）の分析を行うのに使用します。**
- Combine textブロックの
combined textをAsk AIブロックのpromptにドラッグアンドドロップで接続します。 - Ask AIブロックの
Show extra settingsを選択してmodel preferenceからLLMのモデルを選択します。
GPT-4oとClaude 3.5 SonnetはAdvanced AI Modelsに分類されるので20クレジットを消費します。
他のLLMモデルは2クレジットなので求められる精度によってモデルの選択が必要です。
今回は7/18に発表されたばかりのGPT-4o miniも搭載されていたので、GPT-4o miniを選択しました。
- 他のパラメータはデフォルトのままで問題ありません。
⑦次に`Translateブロック`を配置します。
**Ask AIブロックで生成した回答を英語から日本語に翻訳するのに使用します。**
* Ask AIブロックの`response`をTranslateブロックの`text`にドラッグアンドドロップで接続します。
* Translateブロックの`Input language`を`English`、`Output Language`を`Japanese`に選択します。
⑧最後に`Outputブロック`を配置します。
**Translateブロックで翻訳した内容を出力するのに使用します。**
- Translateブロックの
translated textをOutputブロックのoutputにドラッグアンドドロップで接続します。 - パラメータはデフォルトのままで問題ありません。
動作確認
Inputブロックのdefault valueに知りたい株式（市場）を入力します。
今回は、TOPIX（東証株価指数）について知りたいのでTOPIXと入力します。
そして、右上のRunを選択します。
右側に各ブロックの結果が表示されているのでOutputブロックの詳細を確認します。
分析結果が出力されています。
Gumloopの使用感
テンプレートが豊富で直感的にワークフローが作成できる点がメリットなものの、Freeプランでは月間1000クレジットしか使用することができません。
その次のプランが月額$97になるので手を出すのをためらってしまいます。
また、ワークフローのAPIを発行するのには現状、月額$297のProプランに加入する必要があります。
なかなか渋い料金設定ですね。
この点が他のツールと差がなくなってくれば普及が進んでいくかもしれません。
連携できるサービスも正直他のツールで事足りるかなという印象でしたが、OutputとしてSMS通知ができる機能がありました。
今後何かに使えないかアンテナを立てていきたいです。
参考記事
これまで作製したプロダクトのご紹介