皆さん、UiPath Communications Mining(以下はCMと略称)についてご存知ですか?
これは自然言語処理技術を用いて、メールなどの文章を解析し、業務を分析して自動化するツールです。日本語でのメールやカスタマーサポートのやり取りを効率的に分析、分類することが可能になります。
実際に、ある銀行ではCMを活用してメールの仕分け業務の自動化に取り組んでいます。詳しい事例については、以下の二つのページをご参照ください。
どんな処理をするか
UiPath CMは、プログラミングが不要な、最先端の自然言語処理技術を活用したプラットフォームで、教師なし学習とアクティブラーニングを組み合わせて、顧客固有の機械学習モデルを構築し、ビジネスコミュニケーションを分析および自動化します。
上記の図に示されている通り、最初のステップはデータ連携です。さまざまなデータをUiPath CMプラットフォームに取り込むことができます。
どんなデータの連携ができるのか
CMは様々なデータソースとの接続が可能です。これらデータをCMに取り込んで、外部の分析ツールや自動化ツールとの連携できます。
本記事では、ビジネスで最もよく使用されるメールデータの連携方法を紹介します。
メールデータ連携方法の紹介
メールサーバーの環境に応じて、以下の四つの方法が利用可能です。
- 方法1: Azureを通じてMicrosoft Exchangeとの統合(コネクタ接続)
- 方法2: UiPath Activitiesを利用してメールデータの連携(アクティビティ利用)
- 方法3: UiPathツール利用でPSTファイルを変換してアップロード(Re:Inferインポートツール)
- 方法4: CSVファイルのアップロード(CMのアップロード画面)
場合 | 方法1 | 方法2 | 方法3 | 方法4 |
---|---|---|---|---|
メールサーバーがMicrosoft Exchangeであり、かつUiPath CMとの統合可能な場合 | 〇(推奨) | 〇 | 〇 | 〇 |
メールサーバーがMicrosoft Exchangeであるが、UiPath CMとの統合が不可能な場合 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
メールサーバーがMicrosoft Exchange以外の場合(例:Gmail) | × | 〇 | 〇注1 | 〇 |
添付ファイル名の連携が必要な場合 | 〇(推奨) | 〇注2 | 〇 | × |
注1:必要なメールをPSTファイルにエクスポートする必要があります。
注2:添付ファイル名を連携する場合、ワークフローでメールの添付ファイル名を取得し、それをユーザー定義フィールドとして追加する必要があります。
方法1:Azureを通じてMicrosoft Exchangeとの統合
UiPathが提供するコネクターを使用して、CMがMicrosoft Exchangeと接続できるように、以下のステップにて設定する必要があります。
Azure側で作業する必要があるので、Azure管理者アカウントが必要です。
詳細な設定方法は以下の記事で記載しましたので、ご参考ください。
方法2:UiPath Activitiesを利用してデータの連携
Microsoft Exchangeとの統合が不可な場合は、UiPath Activitiesを利用して、メールデータをCMにアップロードできます。
詳細な利用方法は以下の記事で記載しましたので、ご参考ください。
方法3:UiPathツール利用でPSTファイルを変換してアップロード
UiPathの提供するツールを使用して、OutlookからエクスポートしたPSTファイルをCMにアップロードするためには、以下に示すステップに従って実施する必要があります。
変換後のPSTファイルをUiPath CMへアップロードするのに、UiPath CLIツールだけではなく、API経由でも可能です。詳細は以下のページをご参照ください。
https://developers.reinfer.io/api/reference/sources#update-a-source
上記のステップで使用するPSTファイル変換ツールは、UiPath社とのNDA(秘密保持契約)の手続きが必要となります。この方法を利用したい場合は、貴社のUiPath担当者にご確認ください。
方法4:CSVファイルのアップロード
CMの画面を直接使用して、メールのCSVデータ(最大サイズ:128M)をアップロードすることも可能です。
CSVファイル例:
CSVファイルのヘッダー名を含めたアップロード方法については、以下のページに記載されていますので、ぜひご参照ください。
最後に
上記で紹介した連携方法の中で、可能な限り、方法1であるAzureを通じたMicrosoft Exchangeとの統合を推奨します。この統合を通じて、複数メールアカウントのメールや特定のフォルダーや時間帯のメールがリアルタイムでUiPath CMへ連携でき、その結果、後続のデータ分析や自動化もスムーズに行えます。