Exposé, Mission ControlでのNSWindowの振る舞いを指定する

setCollectionBehavior:メソッドを用いると、Exposé, Spaces, Mission Control, フルスクリーン時のウインドウの振る舞いをビット演算で指定できる。
一方でsetCanBeVisibleOnAllSpaces:というメソッドも存在したが、こちらは10.5で非推奨扱いとなっている。

NSWindowCollectionBehavior

NSWindowCollectionBehavior

NSWindowCollectionBehaviorDefault
NSWindowCollectionBehaviorCanJoinAllSpaces
NSWindowCollectionBehaviorMoveToActiveSpace

NSWindowCollectionBehaviorManaged
NSWindowCollectionBehaviorTransient
NSWindowCollectionBehaviorStationary

NSWindowCollectionBehaviorParticipatesInCycle
NSWindowCollectionBehaviorIgnoresCycle

NSWindowCollectionBehaviorFullScreenPrimary
NSWindowCollectionBehaviorFullScreenAuxiliary

NSWindowCollectionBehaviorFullScreenAllowsTiling
NSWindowCollectionBehaviorFullScreenDisallowsTiling

10.5以降

NSWindowCollectionBehaviorDefault

ウインドウがひとつのスペースに関連づけられる。ウインドウ（アプリ）を選択するとそのウインドウが関連づけられているスペースに移動する。
一般的なウインドウの標準の振る舞い。

NSWindowCollectionBehaviorCanJoinAllSpaces

ウインドウがすべてのスペースに関連づけられる。スペースを切り替えてもウインドウが表示される。
NSWindowCollectionBehaviorMoveToActiveSpace と同時に使用できない。

NSWindowCollectionBehaviorMoveToActiveSpace

ウインドウ（アプリ）を選択したとき、そのウインドウが関連づけられているスペースに移動しないようにする。代わりにウインドウが現在のスペースに移動してくる。
NSWindowCollectionBehaviorCanJoinAllSpaces と同時に使用できない。

10.6以降

NSWindowCollectionBehaviorManaged

ウインドウがExposéに対応する。
NSNormalWindowLevelではこれが標準。

NSWindowCollectionBehaviorTransient

Exposéのときにウインドウが隠される。モーダルウインドウやユーティリティウインドウ（パネル）でよくある振る舞い。
NSNormalWindowLevelではないときにこれが標準。

NSWindowCollectionBehaviorStationary

ウインドウはDockやデスクトップのように固定され、Exposéの影響を受けなくなる。タイトルバーを持っていればドラッグによる移動は可能。
Exposé時にも固定で表示される。

NSWindowCollectionBehaviorParticipatesInCycle

ウインドウは“ウインドウサイクル”の一部になる。具体的には、command+F1によるウインドウ巡回機能で選択対象になる。

NSWindowCollectionBehaviorIgnoresCycle

ウインドウは“ウインドウサイクル”の対象外になる。具体的には、command+F1によるウインドウ巡回機能で選択されなくなる。

10.7以降

NSWindowCollectionBehaviorFullScreenPrimary

フルスクリーン用のボタンがタイトルバー右端に付いて（古い OS X）、フルスクリーンになれるようになる。

NSWindowCollectionBehaviorFullScreenAuxiliary

フルスクリーンウインドウと同じスペースに表示できる。10.11 だとフルスクリーンが無効化されズームボタンがデフォルトになる。

10.11以降

NSWindowCollectionBehaviorFullScreenAllowsTiling

フルスクリーンの分割表示に対応する。

NSWindowCollectionBehaviorFullScreenDisallowsTiling

フルスクリーンするが分割表示に対応しない。

デスクトップに張り付くウインドウの例

[window setCollectionBehavior:NSWindowCollectionBehaviorCanJoinAllSpaces | NSWindowCollectionBehaviorStationary | NSWindowCollectionBehaviorTransient | NSWindowCollectionBehaviorIgnoresCycle];
[window setLevel:kCGDesktopWindowLevel];

これで、スペースの影響を受けず、Exposé (Mission Control)にも現れないウインドウを作ることができる。
なお、ウインドウレベルを kCGDesktopWindowLevel 等にしておかないと NSWindowCollectionBehaviorTransient を指定してもデスクトップ Exposé のときにウインドウが画面外に飛んでいってしまうようなので、ウインドウレベルを設定しておく必要がある。