Xcode 恋々
昔話。
その昔、Project Builder と Interface Builder という二つのアプリケーションがありました。NeXT 由来のこの二つのアプリは Mac OS X アプリの開発環境として Developer Tools CD という形で Power Mac シリーズあるいは OS パッケージに同梱されていました。今でも Xcode プロジェクトファイルの中に存在しているファイル pbxproj は、当時の Project Builder のプロジェクトファイル pbproj 由来のものです。インターフェース定義ファイル .nib は NeXT Interface Builder の略で、後に XML 版として用意されたのが .xib です。
http://www.macdevcenter.com/pub/a/mac/2002/04/16/osx_java.html?page=2&x-order=date
http://www.linuxfocus.org/English/November2002/article265.shtml
時は経ち Project Builder 改め Xcode が登場しました。これが1回目の UI の変革でした。ただこの時はまだ Interface Builder は別アプリとして存続しており、Xcode に統合されるまでは IB で UI を定義する、Xcode でコードを書く、という作業の分離が生じていました。でも Mac アプリはウインドウベースなのでこれでも良かったのかもしれません。ツールパレットからウインドウインスタンスをデスクトップに直接ドロップすると実際のウインドウが現れ、そこに NSView だとか NSButton だとかを配置していました。WYSIWYG 感がありましたね。
そして Xcode 4くらいで iOS アプリ開発もいよいよメジャーになってきて、2回目の UI の変革が起こりました。Interface Builder アプリケーションが廃止されて Xcode に統合されました。それと同時に Xcode 自体の UI も大きく整理されて今のような形になりました。
さて、Xcode 3以前の UI を覚えていらっしゃるでしょうか。まだ Project Builder 感が残っていたあの時代、Xcode の UI は今よりもちょっとぎこちないけれども、デバッガーコンソールは独立したウインドウだったので私は好きでした。Xcode 4に移行した時にこれが狭いウインドウに押し込められてしまって、最も拒絶感を抱きました。(エディター狭すぎだろ常考…)
http://rdingwall.com/2008/06/01/using-the-boost-unit-test-framework-with-xcode-3/
http://codewithchris.com/hello-world-iphone-app/
デバッグエリアを昔みたいに独立ウインドウに分離したかった
Xcode には Behavior という機能があります。いろいろな状態に合わせて UI の振る舞いを指定することができるものです。ビルド開始時に〜するとか、ランしたら〜するとか、そういうことができます。独自のビヘイビアを作ってショートカットを割り当てて好きな時に実行する、なんてこともできますね。
デフォルトだと Running / Generates output で Show debugger with Current Views
だけだったりするのですが、これを画像のように変更します。タブ名を指定して in separate window
とするのがポイントです。デバッグエリア以外は不要なので Hide
にしておきます。ツールバーもいりません。
やったね😊
何が嬉しいかって、プロジェクト(エディター)ウインドウはデバッグエリアがなくなった分広く使えます。一方で折り返しで読みづらくなりがちなデバッグエリアは独立して扱えるので好きに移動できるし、ツールバーを隠したから大きさも自由自在です。MacBook のように狭いディスプレイならこちらの方が良いですね。実はデバッグエリアのウインドウにもエディターペインが上にあるのですが、Hide editor
していることで自動的に隠れてくれています(NSObject.h を開いている)。間の帯をドラッグすればいつでも展開できますが、まあ使わないので気にしなくて良いでしょう。ウインドウタイトルだけがわかりづらいのがネックですが。
ということで、昔みたいにエディターとデバッグエリアを別ウインドウで左右に並べて作業することが実現できました。これで昔のことは思い出にできそうです。