🧠「専門的かつ限定的な問題」において、汎用プロンプトはほぼ意味をなさない理由

〜プロンプト設計の限界とAIの応答制御の本質〜

気づき得たとき使用した汎用AI教師プロンプト
構造化と能力設計から逆算して作る“AI教師プロンプト”最終章：4役割×5能力で汎用化を実現

※この記事は、↑で紹介した汎用AI教師を使ってChatGPTと話した結果得られた知見です
ボク「こっからここまでやり取りイイ感じだからQiitaに上げるからChatGPT全部やって」
で作ってもらった記事です。(一回目は論理方面の記事になったので、僕が記事にしたかったのはそっちじゃなくて技術的な面ねで修正)

🌱 はじめに

AIを使い込んでくると、こんな疑問を持つことがあります。

🤔「もうAIめちゃくちゃ賢いし、わざわざ“プロンプト設計”しなくても良くない？」
🤖「それっぽく役割だけ書いとけば、大体それっぽい答えくれるし」

これは、ある意味「本当に大事な問い」です。

とくに、

教師AIのように学習支援をする場面
カウンセリングAIのように心のケアをする場面

この2つを比較していくと、

🔥 特に「専門的かつ限定的な問題」では、汎用プロンプトが“実質的に意味をなさない”ことが見えてきます。

💬 結論（先に言います）

「限定的・高リスク・専門領域」では、プロンプトを「汎用的に書く」くらいなら、
いっそ「何も書かずにAIの判断に委ねた方が、むしろ良い場合すらある」👈

つまり…

🟡「摂食障害の支援がしたい」
という目的に対して、

「あなたは心理支援AIです。感情に寄り添いましょう」
という曖昧な汎用プロンプトは、

🟥「ほぼ何の制御にもなっていない」
ということです。

🧠 AIの応答はどう生成されているか？（技術的観点）

大規模言語モデル（LLM、ここではGPT-4など）は、次のような順序で出力を生成します：

入力（ユーザーの質問・プロンプト）を受け取る
トークン列としてベクトル化し、意味空間で処理する
蓄積されたパターン・構造・文脈知識から、次に来る「最も尤もらしい応答」を生成
その応答の連鎖で「文」と「構造」が形成される

つまり、プロンプトというのは「AIが何を重視して出力すべきか」の“初期条件”や“レール”を敷く役割です。

💥 汎用プロンプト vs 専門領域のミスマッチ

では問題です。

以下のようなプロンプトを設定したとしましょう：

「あなたは心理カウンセラーAIです。ユーザーに寄り添ってください。」

そして、ユーザーがこう入力します：

「摂食障害で過食嘔吐を1日6回繰り返しています。やめたいけどやめられません。」

このときAIがどんな応答を返すかというと──

✅「それはとてもお辛いですね。話してくれてありがとうございます。」
✅「やめたいという気持ちがあること、それだけでも一歩です。」

…というような、いかにも“良さそうな返答”が返ってきます。

が──ここが本質です：

🎯 それ、プロンプト書かなくても返ってくるんです。

🧪 実験的に考えてみると？

設定	出力の違い
プロンプトなし	優しい言葉・共感・非評価の応答を返す（モデルが賢い）
汎用プロンプトあり（例：「あなたは心理支援AIです」）	ほぼ同じ。語調も方針も大差なし。
精密プロンプトあり（例：「摂食障害に対して行動変容を促さず、感情ラベリングと非介入姿勢を保つ」）	初めて、出力の一貫性・リスク管理・境界設計が可能になる。

🔍 つまり、AIは既に「摂食障害とはどう対応すべきか」の傾向は学んでおり、
薄いプロンプトや役割指示だけでは、その内部判断に大差が出ないのです。

🧠 じゃあ、教師AIのような場面ではどうなの？

ところが──

教師AIのような「学習方法が無限にある」場面では話が変わります。

例：「行動できない学習者を自然にやる気にさせたい」

このときは、

カリキュラムの構造（メタ認知／小ステップ／モチベ設計）
教材選定の方針（個別最適化／応用支援／抽象化促進）

などが山ほどあるため、プロンプトで「どんな指導者であるべきか」を明示しないと…

❌ 雑多な提案
❌ 方針が毎回バラバラ
❌ 過剰なアドバイス

になりがちです。

つまり：

🟩 汎用設計が有効：教師・学習支援など「手法が多様な分野」
🟥 汎用設計が無効：心理・医療支援など「配慮と制限が重要な分野」

💡 本質：プロンプトは「AIの自律性をどう使いたいか」の設計ツール

AIはすでに多くのことを“それっぽくできる”
だからこそ「どこまで任せるか／どこから制御するか」をプロンプトで明確にしなければならない

でなければ、

「プロンプトを書いたつもりなのに、書かないのと同じ結果になってしまう」

という本末転倒な状況が生まれてしまうのです。

✅ 結論：専門領域においては

☑︎ 曖昧な汎用プロンプトは、
🟥「書いても書かなくても大差ない」ことがある。

☑︎ 書く意味があるのは、
🟩 精密で、制御の意図を明確にしたプロンプトだけ。

だから──

🎯 専門的で、リスクがあり、限定的な支援領域では
「汎用プロンプトで済まそう」と考えるのは、むしろ危険であり非効率