UnityでPhoton Realtimeを触り始めたのだが、書籍のサンプルがどうにも動かずハマったのでメモ。

概要

いわゆるオンライン対戦ゲームのサンプルで、PhotonView.isMineが必ずfalseを返してくるという問題に遭遇。PhotonView.isMineは実行中のPhotonViewが自分かどうかの判定に使う。

Photon経由でのオンライン同期処理はできているはずなのにisMineが一向にtrueを返すことがない。PhotonView実行してるの私だ。

ググってみた結果

「photonview.ismine not working」的なキーワードでググるとそれらしいやりとりは出てくるのだが、どうにも解決に至る対応が見つからない。

ドキュメントを見ても情報が増えなかったため純粋に「photonview.ismine」で情報を漁り始めたところ、ピンポイントな記事にたどり着いた。

PUNを使っているとこういうコードに出くわす。（シンタックスハイライトしなきゃ。でもめんどくさい）
test.cs
class test : Photon.Monobehaviour
{
        void test()
        {
             if(photonView.isMine)
             {
                 "なんかのコード "
             } 
        }
}
で、 "なんかのコード"部分が実行されない時がある。

それはPhotonNetwork.ConnectUsingSettings("貴方のアプリの適当なバージョン")をあらかじめ呼ばなかった場合である。photonView.isMineがfalseを返しているのだ。

自分はオフライン環境でもコードを使えるようにしていたのだが、一向に”なんかのコード”部分が実行されず二時間ぐらい唸っていた。

凡人の活動記録: PhotonCloud photonView.isMineについて

ほぅ…

ConnectUsingSettings()の引数にバージョン番号を入れる

読んでいた書籍では説明が省かれていたが、ドキュメントやPhotonのソースを確認したところPhotonNetwork.ConnectUsingSettings()の引数にはクライアントのバージョン番号を入れる必要があることがわかった。

書籍ではPhoton Realtimeのサーバーへ接続する際にPhotonNetwork.ConnectUsingSettings(null);という感じで、引数にnullを指定していたので（ConnectUsingSettings()を呼んでいなかったわけではない）特に意識せず写経していた。

動いた

で、試しに適当なバージョン番号を入れて動かしてみる
PhotonNetwork.ConnectUsingSettings("v1.0.0");
この状態で実行すると、何事もなかったかのようにisMineがtrueを返してくれた。

二時間唸らずに済んだ。

ソースを少しだけ追ってみた

ConnectUsingSettingsの引数がnullだと何でisMineがfalse返すのかよくわからなかったので、少しだけ関連コードを追ってみた。

PhotonNetwork.cs

    public static bool ConnectUsingSettings(string gameVersion)
    {
        if (networkingPeer.PeerState != PeerStateValue.Disconnected)
        {
            Debug.LogWarning("ConnectUsingSettings() failed. Can only connect while in state 'Disconnected'. Current state: " + networkingPeer.PeerState);
            return false;
        }
        if (PhotonServerSettings == null)
        {
            Debug.LogError("Can't connect: Loading settings failed. ServerSettings asset must be in any 'Resources' folder as: " + serverSettingsAssetFile);
            return false;
        }
        if (PhotonServerSettings.HostType == ServerSettings.HostingOption.NotSet)
        {
            Debug.LogError("You did not select a Hosting Type in your PhotonServerSettings. Please set it up or don't use ConnectUsingSettings().");
            return false;
        }

        SwitchToProtocol(PhotonServerSettings.Protocol);
        networkingPeer.SetApp(PhotonServerSettings.AppID, gameVersion);

NetworkingPeer.SetApp()でgameVersionを渡しているようだ。

NetworkingPeer.cs

public void SetApp(string appId, string gameVersion)
    {
        this.mAppId = appId.Trim();

        if (!string.IsNullOrEmpty(gameVersion))
        {
            PhotonNetwork.gameVersion = gameVersion.Trim();
        }
    }

どうやらConnectUsingSettings()の引数がnullだと、PhotonNetwork.gameVersionがセットされない模様。

gameVersionはConnect〜系の引数で使われることが多いみたいなので、指定しないと色々な情報が抜けそうな予感。あとは任せた（早

ちなみにisMineのソースはこんな感じだった。

NetworkingPeer.cs

public bool isMine
    {
        get
        {
            return (this.ownerId == PhotonNetwork.player.ID) || (!this.isOwnerActive && PhotonNetwork.isMasterClient);
        }
    }

とりあえずバージョン番号を入れない理由はないので入れましょう。

参考サイト

凡人の活動記録: PhotonCloud photonView.isMineについて

参考書籍

Unity5オンラインゲーム開発講座クラウドエンジンによるマルチプレイ＆課金対応ゲームの作り方