ChatGPTで動画編集作業を自動化できないか、試してみたことがあります。
結論から言うと、専用のAI動画編集ツールと比べると精度や安定性は劣ります。
また、ChatGPTが動画編集ソフトの代わりに直接タイムラインを操作してくれるわけでもありません。
ただし、場合によっては手作業より楽になることがあります。
特に、動画編集ソフトの編集データがXMLのようなテキスト形式で管理されている場合、ChatGPTにその編集ファイルを書き換えてもらえる可能性があります。
ChatGPTは動画そのものを編集するわけではない
ChatGPTは、基本的に動画編集ソフトのように映像を直接カットしたり、タイムライン上に素材を配置したりするものではありません。
しかし、多くの動画編集ソフトでは、編集内容がテキストベースのファイルとして保存されていることがあります。
たとえば、編集ファイルの中には次のような情報が並んでいます。
- 何分何秒から何分何秒まで動画を使う
- どのタイミングで静止画を配置する
- どの素材をどのトラックに置く
- 音声や画像の開始位置・終了位置
- クリップの長さや配置情報
つまり、動画編集ソフト上ではタイムラインとして見えている内容も、内部的には「この時間にこの素材を置く」というデータの集合として管理されている場合があります。
この編集ファイルがテキスト形式であれば、ChatGPTが内容を読み取り、ある程度書き換えられる可能性があります。
既存の編集ファイルを元に書き換えてもらう
完全にゼロから編集ファイルを作らせるのは難しいです。
しかし、すでに正常に動作している編集ファイルがある場合は、その構造を参考にして、必要な部分だけを書き換えてもらえる可能性があります。
たとえば、以下のような流れです。
- 動作確認済みの編集ファイルを用意する
- 対象の動画ファイルも用意する
- ChatGPTに両方を添付する
- 編集ファイルの構造はできるだけ維持したまま、編集部分だけを書き換えるように依頼する
- 生成された編集ファイルを動画編集ソフトで読み込んで確認する
指示としては、たとえば次のようになります。
添付した編集ファイルの構造はできるだけ維持したまま、編集部分だけを修正してください。
添付した動画を元に、10分以内の切り抜き動画になるように編集ファイルを書き換えてください。
動画編集ソフトで読み込める形式を維持し、素材パスやプロジェクト全体の設定は不要に変更しないでください。
このように依頼すると、成功する可能性があります。
ポイントは「既存の正常なファイル」を渡すこと
ChatGPTに編集ファイルを扱わせる場合、重要なのは「すでに動作している編集ファイル」を渡すことです。
編集ソフトごとにファイル形式や内部構造は異なります。
そのため、何も参考情報がない状態で正しい編集ファイルを作るのは難しいです。
一方で、正常に読み込めるファイルを渡しておけば、ChatGPTはその構造を参考にできます。
たとえば、以下のような情報をChatGPTが読み取れる可能性があります。
- クリップ情報の書き方
- タイムライン上の配置ルール
- 素材ファイルの参照方法
- 時間指定の単位
- トラック構造
- プロジェクト設定部分と編集部分の違い
そのため、依頼するときは「全体を作り直して」ではなく、「既存ファイルの構造を維持して、編集部分だけ変更して」と伝えるのが重要です。
うまくいかないことも多い
もちろん、毎回うまくいくわけではありません。
次のような問題が起きることがあります。
- 編集ソフトで読み込めない
- ファイル構造が壊れる
- 素材の参照パスがおかしくなる
- 時間指定がずれる
- カット位置が意図と違う
- 10分以内に収まらない
- 一部のクリップが消える
- XMLとしての形式が壊れる
そのため、生成されたファイルをそのまま本番利用するのではなく、必ず編集ソフトで読み込んで確認する必要があります。
また、一度で成功しない場合は、エラー内容をChatGPTに伝えて再修正してもらうと改善することがあります。
たとえば、次のように追加で依頼します。
この編集ファイルを読み込もうとしたところ、動画編集ソフトでエラーになりました。
エラー内容は以下です。
〇〇〇〇
元の編集ファイルの構造と比較して、壊れている可能性がある箇所を修正してください。
このように、トライ&エラーを前提にすると使いやすくなります。
向いている作業
ChatGPTによる編集ファイルの書き換えは、次のような作業に向いています。
- 既存プロジェクトの一部だけを変更する
- 素材の配置時間をまとめて調整する
- 静止画やテロップの配置情報を変更する
- 切り抜き動画用にタイムラインを短くする
- 同じ構造の編集ファイルを複製して別動画向けに変える
- XMLやテキスト形式の編集データを整理する
特に、似たような編集を何度も行う場合は、手作業より楽になる可能性があります。
向いていない作業
一方で、次のような作業にはあまり向いていません。
- 映像の内容を高精度に判断して自動カットする
- 面白い部分を完全自動で抽出する
- 複雑な演出を正確に組む
- 編集ソフト固有の高度な機能を使う
- 完成品質を保証する
- エラーなしの編集ファイルを一発で作る
このあたりは、専用の動画編集AIツールや動画編集ソフトの機能を使った方が良いです。
実用上のコツ
試す場合は、以下の点を意識すると成功率が上がります。
- 必ず元の編集ファイルをバックアップする
- まずは短い動画や小さいプロジェクトで試す
- 「編集部分だけ変更して」と明確に伝える
- 素材パスやプロジェクト設定は変更しないように指示する
- 失敗したらエラー内容をそのまま伝える
- 一度で完成させようとせず、何度か修正する前提で使う
- 生成結果を必ず編集ソフトで確認する
特に、元ファイルのバックアップは必須です。
ChatGPTが出力した内容で元ファイルを上書きしてしまうと、復旧が面倒になる可能性があります。
まとめ
ChatGPTは、動画編集ソフトの代わりに直接動画を編集してくれるものではありません。
しかし、動画編集ソフトの編集ファイルがXMLのようなテキスト形式で保存されている場合、そのファイルを書き換えることで、動画編集作業の一部を補助できる可能性があります。
精度は専用のAI動画編集ツールに劣りますし、編集ファイルが壊れることもあります。
そのため、トライ&エラーは必要です。
ただ、既存の正常な編集ファイルと対象動画を渡して、
「編集ファイルの構造は維持したまま、編集部分だけを修正してください」
と依頼すれば、手作業より楽になる場面もあります。
完璧な自動編集ではありませんが、動画編集作業の補助として試してみる価値はあると思います。