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【覗き見対策】「第2パスワード」による認証方式

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Last updated at Posted at 2026-07-02

「パスワードを2つも持つなんて危険では?」

そう思われるかもしれません。

しかし、第2パスワードを通常時は利用できず信頼済みブラウザだけで利用可能に限定すれば、覗き見対策として利用価値があるかもしれません。

信頼済みブラウザは、例えばID欄が自動入力される状況を思い浮かべて下さい。(自動入力されたID以外でのログインでは第2パスワードを使えません)

今回は、「第2パスワード方式」を考えてみました。

信頼済みブラウザの判定方法は、実装環境やサービスの要件によって変わります。

そのため、この記事では特定の判定方式には踏み込みません。

利用する場合は、各サービスの設計方針に合わせて、

  • Cookie
  • セッション情報
  • デバイス判定
  • ログイン履歴
  • サーバー側で管理する信頼済みブラウザ情報
  • その他、環境に応じた判定情報

などを組み合わせて判断するとよいでしょう。

今回はパスキーは採用しませんでした。パスキーは非常に優れた仕組みですが、サービスや利用環境によっては導入・利用のハードルがあると感じたためです。また、デバイス認証についても有力な選択肢ですが、「どこまでを同一端末として扱うか」や、ブラウザデータの削除・移行時の扱いなど、運用面で考えることが多いと感じました。

仕様

通常は今まで通りのパスワードでログインします。

ただし、以下の条件を満たした場合のみ、第2パスワードでもログインできるようにします。

  • そのIDの信頼済みブラウザと判定されている(他のIDでは使えません)
  • 利用者が「第2パスワードを有効にする」をONにしている
  • 入力された第2パスワードがサーバー側の情報と一致する

ログイン画面には、条件を満たす場合のみ、

「このブラウザでは第2パスワードが利用できます」

と表示します。

通常ブラウザでは通常パスワードのみ利用でき、

信頼済みブラウザでは通常パスワードまたは第2パスワードでログインできます。

初回ログイン

初回アクセス時は、例えば次のような流れになります。

  1. 通常パスワードでログインする
  2. ログイン成功後、サービス側でそのブラウザを信頼済みブラウザとして扱うか判定する
  3. 条件を満たす場合、次回以降そのブラウザでは第2パスワードを利用可能にする
  4. 第2パスワードでログインする場合も、サーバー側で信頼済みブラウザかどうかを確認する
  5. 信頼済みブラウザでない場合は、第2パスワードによるログインを拒否する

ここで重要なのは、

第2パスワードは、信頼済みブラウザでのみ利用できる補助的なログイン手段にする

という点です。

信頼済みブラウザの判定方式は、サービスごとに適切な方法を選べばよいと思います。

サーバー側で保持するもの

サーバー側では、例えば以下のような情報を保持します。

  • 通常パスワードのハッシュ
  • 第2パスワードのハッシュ
  • 第2パスワードが有効かどうか
  • 信頼済みブラウザとして扱うために必要な情報

具体的に何を保存するかは、実装方針によって変わります。

この記事では、特定の保存方式や判定方式は前提にしません。

第2パスワードとは

第2パスワードは、通常パスワードとは別に設定するパスワードです。

例えば、

通常パスワード

MyPassword123

第2パスワード

BlueCat987

のように、全く別の文字列にできます。

第2パスワードでログインした様子を見られても、第1パスワードの中身が分からない

ことがメリットです。

ログインには、

  • 通常パスワード
  • 信頼済みブラウザでの第2パスワード

のどちらかが必要になります。

覗き見によって第2パスワードを知られたとしても、通常ブラウザからは第2パスワードを使えないため、単純な再現ログインを防ぎやすくなります。

通常ブラウザでは通常パスワードのみ利用でき、

信頼済みブラウザではどちらでもログインできます。

3文字省略方式との比較

項目 3文字省略 第2パスワード
分かりやすさ ◎ 「先頭3文字まで省略できます」と表示するだけ ○ 「第2パスワードが利用できます」と表示
入力の手間 ◎ 少ない △ パスワードを2つ覚える必要がある
覗き見対策 ○ パスワードの一部が見えない ◎ 第2パスワードでログインした場合、通常パスワードが見えない
判定情報流出時 × 強度が落ちたパスワード候補が増える △ 第2パスワードも候補になる

メリット

  • サーバーに省略後ハッシュを複数保存しなくてよい
  • 第2パスワードは完全に独立した文字列にできる
  • 「3文字だけ推測すればよい」という状態にならない
  • 第2パスワードでログインした様子を見られても、通常パスワードは分からない

デメリット

  • 第2パスワードを覚える必要がある
  • パスワードを2つ管理することになる
  • 認証できるパスワードが2種類になる
  • 信頼済みブラウザの判定設計が必要になる

最大のメリット

例えば、

  • 電車内でログインしている様子を録画された
  • 後ろからキーボード入力を見られた
  • 記憶力の良い人に入力内容を覚えられた

という状況でも、第2パスワードでログインしていた場合、通常パスワードは知られません。

また、第2パスワードは信頼済みブラウザでしか利用できないため、見られた第2パスワードだけで別の端末からログインされるリスクも下げられます。

この方式は、

通常パスワードを隠すためのログイン導線

として使える可能性があります。

セキュリティ面

この方式も、

認証強度そのものを高める技術ではありません。

認証可能な入力パターンが増えるため、設計を誤ると通常パスワードしか存在しない場合より不利になる可能性があります。

特に、

  • 第2パスワードが弱い
  • 信頼済みブラウザの判定が甘い
  • 第2パスワードを通常ブラウザでも使えるようにしてしまう
  • 信頼済みブラウザ情報が簡単にコピーできる
  • ログイン試行制限が弱い

といった状態では危険です。

そのため、第2パスワード方式を使う場合は、

  • 第2パスワードにも十分な強度を求める
  • 通常ブラウザでは第2パスワードを使えないようにする
  • ログイン試行回数を制限する
  • 信頼済みブラウザの解除機能を用意する
  • 不審なログイン時には通常パスワードや追加確認を求める

といった対策が必要になります。

まとめ

この方式も、

パスキーや多要素認証を置き換えるものではありません。

パスキーや多要素認証が利用できる状況であれば、そちらを優先する方が望ましいでしょう。

一方で、

  • 先頭3文字省略方式
  • 第2パスワード方式

はどちらも、

信頼済みブラウザ限定で、覗き見対策や入力負担を工夫するための独自アプローチ

としては面白いと感じました。

どちらを採用するかは、

  • 覚える情報を増やしたくないなら「3文字省略」
  • 覗き見対策に特化するなら「第2パスワード」

という考え方で選択できると思います。

ただし、どちらの方式も慎重な設計が必要です。

特に第2パスワード方式は、

「第2パスワードを知っていること」だけでログインできる仕組みにしてはいけない

という点が重要です。

あくまで、

信頼済みブラウザでのみ使える補助的なログイン手段

として扱うべきです。

パスワードマネージャーを使う場合は、自宅など安全な環境で通常パスワードを登録して使うのがよいでしょう。

ただし、パスワードマネージャーの利用率は国や利用者層によって差があります。

調査するタイミングと調査の精度によって前後しますが、世界のパスワードマネージャー利用率は約34%で、日本国内の利用率は約20%にとどまっている可能性があります。

そのため、サービス提供者がパスワードマネージャーを利用していない人向けに、入力負担や覗き見対策を工夫すること自体は、誤りではないと思います。

実装するかどうかは、自サービスの利用者層、ログイン頻度、利用環境、セキュリティ要件を調査したうえで判断するとよいでしょう。

補足

ID入力欄が自動入力される状況では、第2パスワードよりも、IDの一部を隠して表示する方法も検討できます。

Googleログイン等にも対策の1つとして使われている記憶があります。

しかし、第2パスワード方式は1端末で複数のIDに対して、それぞれ信用済みブラウザの判定を持てるため、

  • 気になってID入力画面に移動
  • サブアカウントに切り替える

と言った操作を行う場合に、第2パスワード形式の方が覗き見対策として強く機能します。

IDの一部を隠す手法はID入力画面に戻った時に、覗き見対策の強度が落ちるのです。

個人的には共存の余地があると思いますので、まずはIDの一部を隠してから第2パスワードを検討する事をおすすめします。

先程触れたGoogleログインのように、2段階認証を設定しても良いサービスならば、2段階認証の方が優れているのは確かだと思いますし、その場合第2パスワードはやり過ぎの可能性はあります。

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