命題
ITエンジニアは転職した方が収入が増える
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2205/11/news170.html
これはある意味正しいが、ある意味間違っている。
なぜなら、「ITエンジニアの転職市場」の親クラスにあたる
「日本の転職市場」にはもっと重大なバグが潜在しているから。
重大なバグとは
人間を前職給与の多寡でしか評価しないというバグ。
多くの日本企業において、人事は人間の能力を評価できない。
彼らが拠り所とするのは
「その人が前の会社でいくらの給料をもらっていたか」
または
「その人が他社からいくらのオファーをもらっているか」
のみ。
スキル面
・現年収800万円以上の方
↑
それって、もはやスキルでも何でもないじゃん。
どこかの金持ちの2代目ボンボンが、能力もないのに役員で
年収800万円以上もらっていたらスキル面クリアってこと?
前職給与のパラドックス
例えば、現在の会社で年収400万円の正社員がいたとする。
そこからどれだけ経験やスキルを積もうと、転職市場ではこうなる。
「前職給与は?」
『400万円です』
「じゃあ、ウチは401万円で」
さらに新しい経験やスキルを積もうと、次の面接ではこう。
「前職給与は?」
『401万円です』
「じゃあ、ウチは402万円で」
だから、ITエンジニアは転職した方が収入が増えるには増えるが
微増しかしないというのが正しい表現となる。
なお、アメリカでは前職給与を尋ねることが禁止されているらしい。
https://wonderfullifeusa.com/salary/
過去の給与履歴を質問して新しいポジションの給与を決めていたら、永遠に性別による給与格差が埋まらないため、過去の給与履歴を禁止するトレンドが全米に広がっているのです。
本当に素晴らしい考え方だと思った。
呪縛を打破するには
年収400万円の正社員が、年収500万円を目指して転職する。
しかし、日本企業には前職給与を参照する慣習があるため、
正規の転職ルートに、そんなキャリアパスは存在しない。
現状で、解決方法は3つあると思う。(他に意見があれば求む)
1. 外資系に行く
純粋に能力だけで判断してくれる会社を探すこと。
または、前職給与を伝える必要がない転職ドラフトを使うのも良い。
2. フリーランスを経由する
不思議なことに、フリーランスだと「スキル見合い」という
前職給与に依らない、正当な評価によって報酬が決定されるため
年収400万円の正社員が、月収50万円のフリーランスになるのは簡単。
そして、バカ人事どもは個人事業主のリスクなんて分かってないから
フリーランスを経由した後の面接で
「前職給与は?」
『(フリーランスで)600万円ですが、貴社では500万円を希望します』
こう言えば、年収500万円の正社員になることは難しくない。
3. 黙秘権を使う
「前職給与は?」
『お答えしたくありません』
『貴社の年収テーブルに沿って
同等レベルの技術者と、同等の給料に設定していただきたく』
もっとも平等で公平なアメリカ流スタイル。
ただし、これをやると不採用になる確率は急上昇する。
私もある転職エージェントに、前職給与の非公開を宣言したところ
そこから音信不通になった経験がある。