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新入社員でも3分でわかる!シリアル通信の基礎(UART・USB・RS-232C)

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1. はじめに

みなさん、「シリアル通信」って聞いたことがありますか?
今はネットワーク通信(TCP/UDP)が当たり前に使われていますが、シリアル通信もIoTや産業機器では今も現役です。
この3分の記事で、「そもそもシリアル通信とは何か」をざっくり理解しましょう。

2. シリアル通信とは?

シリアル通信とは、機器同士が 物理的に直接つながった線で順番にデータを送受信する 仕組みです。

イメージとしては、隣の人に手渡しでメモをやり取りするような感じです。
TCPやUDPのネットワーク通信(宅配便/普通郵便)とは違い、線がつながっているので 直接・順番通りに届きやすい のが特徴です(ただし、ノイズや信号劣化で再送が必要になる場合があります)。

通信方式 イメージ 送信方法 確認・保証
TCP 宅配便 ネット越しで宛先に送る 確実に届く、順序も保証
UDP 普通郵便 ネット越しで宛先に送る 届くことや順序は保証されない
シリアル通信 隣の人に手渡し 物理的に直接つながる線で送る 基本的には順番通り届くが、ノイズやエラーで再送が必要になる場合もある

<TCP/UDPとシリアル通信の違いのイメージ>
image.png

3. それぞれのメリット

通信方式 メリット
TCP ・データの到達が保証される
・順序通りに届く
・ネットワーク越しでの通信に向く
UDP ・軽量で高速
・リアルタイム通信(音声・動画など)向き
・ネットワーク負荷が少ない
シリアル通信 ・物理的に直接つながるため通信の挙動を把握しやすい
・遅延が少なく、リアルタイム性が高い
・マイコンやIoT機器、産業機器など、さまざまなデバイスに適用可能

ポイント

  • シリアル通信は物理的に直接繋がるため、通信の流れを把握しやすい仕組みです
  • ただし手元に相手機器がない場合、PCで通信の模擬が必須になります

4. シリアル通信を行うためのケーブルは?

さて、シリアル通信を行うにはどんなケーブルを使うのでしょうか?
イメージしやすくするため、まず身近なTCP/UDPのケーブルの話から入ります。

4-1. TCP/UDPで使われるケーブル

TCPやUDPはあくまで 通信のルール(プロトコル) なので、特定の物理ケーブルに限定されるわけではありません。
しかし現実の現場では、以下のようなケーブルや通信経路が多く使われています。

ケーブル 用途 コメント
イーサネット(LAN)ケーブル 家庭や会社のネットワーク接続 初心者に一番身近で「ネットワーク=LANケーブル」という感覚がある
光ファイバー 長距離高速通信、データセンター 高速で大量データに強いが家庭ではあまり見ない
Wi-Fi(無線) 無線ネットワーク ケーブルではないがTCP/UDPがそのまま流れる例として重要
USBテザリング スマホとPCをUSB接続 USB経由でもTCP/IP通信が可能
PLC(電力線通信) コンセント経由のネットワーク 電源ケーブルを利用してネットワーク通信を行う珍しい例

<LANケーブルの例>
image.png
出典:フリー素材.com

4-2. シリアル通信の通信方式とケーブル

シリアル通信は、TCP/UDPと違って 機器同士を物理的に直接つなぐ通信 です。
そのため、使うケーブルもTCP/UDPとは異なります。
また、一言でシリアル通信と言っても、様々な通信方式があります。
代表的な通信方式と対応するケーブルを簡単に紹介します。

通信方式 特徴 主な用途例
UART 非同期、クロックなしで1ビットずつ送信 PCのCOMポート、マイコン間通信
RS-232C UARTに基づく古典的なシリアル通信、信号レベル規格あり 昔のPCのCOMポート、産業機器
I²C 2線(データ+クロック)、複数機器接続 センサー、液晶ディスプレイ
SPI クロックあり、複数線で高速通信 メモリ、センサー
USB シリアル転送+独自プロトコル PC周辺機器、IoT設定
RS-485 差動信号、ノイズに強く長距離対応 工場設備、ビル管理
通信方式 ケーブル
UART TX/RX/GNDの3本線(USB-UART変換でUSBケーブルも利用可能)
RS-232C 9ピンや25ピンのD-SUBケーブル(古典的COMポート)
I²C SDA/SCLの2本線
SPI 4本線(MISO/MOSI/SCK/CS)
USB USBケーブル
RS-485 ツイストペアケーブル(2〜4本)

<UART(TX/RX/GND)配線図イメージ>
image.png

<USBケーブルの例>
image.png
出典:フリー素材.com

補足

  • 昔のPCではRS-232CケーブルでUART通信をしていました

4-3. TCP/UDPのケーブルとシリアル通信ケーブルの比較

通信方式 ケーブル例 距離 特徴 用途のイメージ
TCP/UDP LANケーブル、光ファイバー、Wi-Fi 数m〜数km ネットワーク越し、到達保証(TCP)、高速・軽量(UDP) 家庭や会社のネットワーク、インターネット
シリアル通信 USBケーブル、ツイストペアケーブル 数cm〜数百m 機器同士を物理的に直接つなぐ通信、リアルタイム性が高い マイコン・IoT機器・工場設備など

5. まとめ と 次回予告🔥

シリアル通信とは

  • 機器同士が物理的に直接つながった線で順番にデータを送受信する仕組み
  • TCP/UDPのようなネットワーク通信とは役割が異なり、リアルタイム性が高い
  • USBやUARTのような「機器同士が直接つながるためのケーブル」を使用する

といった基本的な仕組みを押さえました。
でも、知識だけでは面白くありませんよね?

次回予告:PCで通信相手を模擬

現場では、IoT機器や産業機器同士がシリアル通信でやり取りして動作しています。
しかし、産業機器のように手元にない機器同士の通信を確認したい場合、毎回実機をそろえるのは、現実的ではありません。

ここで活躍するのが SocketDebugger です。
SocketDebuggerはPC上でCOMポートを指定してデータの送受信を行えるツールで、対応している通信方式は UART(USB-UART変換経由)RS-232C です。

USBポート経由であっても、仮想COMポートを通すことでUART通信としてデータをやり取りできるため、手元に実機がなくても シリアル通信の模擬 が可能です。

「本当にデータが流れている瞬間」を目で見て、操作して、理解できる体験をしましょう。
エンジニアの第一歩を体験するチャンスです!あなたのPCが「仮想デバイス」に変身する瞬間をお楽しみに!💻

🔍 補足コラム:USBとUARTの違い、なぜ混同される?

なぜ混同されるのか?

USBシリアル変換ケーブルの存在
「USBシリアル変換」という名前から、USB=シリアル通信(UART)と誤解されやすい。

COMポートの歴史
昔のPCにはRS-232Cの物理COMポートがありましたが、現在はUSB経由で「仮想COMポート」を作るのが一般的。
👉「USBでCOMポートを使える=USBはUART」と思いがち。

シリアル通信という言葉の広義性
USBも内部的にはシリアル転送方式を採用しているため、「USBもシリアル通信の一種」という説明が混乱を招く。

実際の違い

項目 UART USB
通信方式 非同期、シンプルなシリアル通信 パケットベース、階層化された複雑なプロトコル
信号線 TX/RX/GND(3本) 差動信号(D+/D-)、電源線含む4本以上
主な用途 マイコン間通信、簡易デバイス設定 PC周辺機器、ストレージ、IoT設定など

ポイント
・USBは「シリアル転送方式」を採用しているが、UARTとは全く異なるプロトコル。
・USB-UART変換チップを使うことで、USBポートをUART(仮想COMポート)として利用できる

<USB-UART変換の構成イメージ>
image.png

<Windowsが認識した仮想COMポートの例>
image.png

記事リンク

株式会社ユードム

株式会社ユードムはITと人間力で社会に貢献します。

SocketDebuggerのご購入はこちら(期間限定の試用版もあります)
https://www.udom.co.jp/sdg/index.html

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