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【SQL】NULL値を制御/SQLマスターへの道「COALESCE」

Last updated at Posted at 2024-05-13

導入

SQL文でNULL値を扱う際の便利な関数、COALESCEを紹介しようと思います。

  • SELECT句で、NULL値を置き換えることで、データの可読性を高めることができたり。
  • ORDER BY句で、NULL値のソートの条件分岐の複雑性を吸収したり。

と、SQL文の簡略化にぴったりです。

今回の記事では、簡単にCOALESCE関数の説明と実践例を2つご紹介します。

COALESCEについて

リストの最初の非 NULL 値を返します。非 NULL 値がない場合は、NULL を返します。

つまり、欠損値(NULL)にデフォルト値を指定することができます。

SELECT COALESCE(`office`.`locale`, `office`.name`, `リモート勤務`);

上記のクエリを例にすると...。
office.locale(オフィスの場所)を出力。
office.localeが空の場合、office.name(オフィス名)を出力。
office.nameが空の場合、リモート勤務と出力します。

これだけでもだいぶ便利そうですよね。

ポケモンを例に実践してみます。

実践① - たねポケモンを一覧でわかりやすく表示

一覧内でたねポケモンかどうかを判別したい時、恐らくありますよね。

COALESCEを用いて、SELECT句内で「たねポケモン」表示をしてみましょう。

サンプルデータ

ID 名前 タイプ 進化前(1) 進化前(2)
1 フシギダネ くさ・どく NULL NULL
2 フシギソウ くさ・どく 1 NULL
3 フシギバナ くさ・どく 2 1
4 ヒトカゲ ほのお NULL NULL
5 リザード ほのお 4 NULL
6 リザードン ほのお 5 4
7 ゼニガメ みず NULL NULL
8 カメール みず 7 NULL
9 カメックス みず 8 7

Query

SELECT `POKEMON`.`ID`, `POKEMON`.`名前`, COALESCE(`POKEMON`.`進化前(1)`, `進化なし`) AS `進化前のポケモンID`
FROM POKEMON;

解説

ちょっと雑ですがこんな感じですかね。
進化前のポケモンが存在する場合は、IDを表示。なければ「たねポケモン」と表示させるようにしてみました。

結果

ID 名前 タイプ 進化前のポケモンID
1 フシギダネ くさ・どく たねポケモン
2 フシギソウ くさ・どく 1
3 フシギバナ くさ・どく 2
4 ヒトカゲ ほのお たねポケモン
5 リザード ほのお 4
6 リザードン ほのお 5
7 ゼニガメ みず たねポケモン
8 カメール みず 7
9 カメックス みず 8

実践② - 最終進化のポケモンのソートキーを制御

最終進化後のポケモンのソートを軽くして、たねポケモンと1段階進化後のポケモンのソートを重くしたい...と思いました。
(要件が思いつかないので多少強引です。)

先ほどと同じテーブルを使います。

サンプルデータ

ID 名前 タイプ 進化前(1) 進化前(2)
1 フシギダネ くさ・どく NULL NULL
2 フシギソウ くさ・どく 1 NULL
3 フシギバナ くさ・どく 2 1
4 ヒトカゲ ほのお NULL NULL
5 リザード ほのお 4 NULL
6 リザードン ほのお 5 4
7 ゼニガメ みず NULL NULL
8 カメール みず 7 NULL
9 カメックス みず 8 7

Query

SELECT `POKEMON`.`ID`, `POKEMON`.`名前`
FROM POKEMON
ORDER BY COALESCE(`POKEMON`.`進化前(2)`, `2147483647`) ASC, `POKEMON`.`ID` ASC

解説

  1. 2進化前のポケモンのIDでソートを行う
  2. 2進化前のポケモンが存在しなければソートを重くし、IDでのソートを行う

※ MySQLではINT型の最大値は2,147,483,647です。

結果

ID 名前
3 フシギバナ
6 リザードン
9 カメックス
1 フシギダネ
2 フシギソウ
4 ヒトカゲ
5 リザード
7 ゼニガメ
8 カメール

これで、最終進化後(2進化)のポケモンのソートを軽くしたテーブルを出力することができましたね。

まとめ

今回は、COALESCE関数を使ってNULL値の扱いについて触れてみました。

ちなみに...。

WHERE句でも良い判定方法ができるかなと調べてみましたが、IS NOT NULLの方が楽ですよね。

SELECT * FROM `テーブル名` WHERE `フィールド名` IS NOT NULL;

※ NULL以外を出力。

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