1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

#04 壊れたPCをモニター化して再利用する【総編】

Last updated at Posted at 2023-07-30

壊れたPCの活用方法

IMG_4895(大).jpeg

皆さんは壊れたPCをどうしていますか?大体の方であれば修理に出したり、PCの使用年数が結構経っていれば新しく買う方もいるかと思います。
壊れて使わなくなったPCをモバイルモニターやディスプレイにして再利用する方法を紹介していきたいと思います。

初めて挑戦する方でも確実にできるように一つひとつ確認していきましょう。

計画編

必要なもの

・ノートパソコン(壊れているもの・使わないもの)
・LCDコントロール基盤
・電源アダプタ
・精密ドライバー(必要であれば)

必要なものはこれだけです
意外と用意する物も少なくて私でもできそうと思いましたね!

購入しないといけないのがLCDコントロール基盤ですが詳しくは後述します。
精密ドライバーは100円ショップに精密ドライバーセットがあるので、持っていない方はそれでも十分使えるので買ってみてはどうでしょうか。

ノートパソコンの液晶の再利用

IMG_4895(大).jpeg

私が今回使用するノートパソコンは[ThinkPad X240」です。

高専1年生の頃に配布されたPCで、今年で8年目に突入したのですが流石にガタが来てしまったみたいです。起動した直後にシャットダウンになって再起動することの繰り返しです。
それなりに愛着もあるので今回は液晶を再利用して、モニターにしていきたいと思います。

注意点

作業に取り掛かる前に大事なことがあります。ノートPCに内蔵されているバッテリーの設定を変えておく必要があります。この作業はBIOSでの設定が必要です。

IMG_4904(大).jpeg

WindowsOSは正常に動かなかったので、このBIOS設定もできないと思っていましたがなんとかBIOSは生きていたみたいです。
ところで、なぜこの設定をするのかというと、作業中の短絡(ショート)する可能性を下げてくれます。今回の作業は比較的問題はありませんが念のためです。
バッテリーが取り外せる場合は取り外してから作業を行いましょう。

液晶画面を取り出す作業

ThinkPad X240 の場合は液晶カバーがプラスチックの爪でとまっているだけだったので、簡単にパネルを取り外すことができました。 機種によってはここでプラスドライバーが必要になるかもしれません。部品が細かいので無くさないようにと怪我に気をつけましょう。

IMG_4899(大).jpeg

パネルを外すときに、なかなか外れにくくマイナスドライバーで隙間を作る方がいるかもしれませんが、液晶を傷つけたり割らないように注意しましょう。

IMG_4900(大).jpeg

液晶がめくれたら、裏面の本体とモニターをつなぐコードを外せば液晶を取り外すことができます。

液晶の型番確認

IMG_4902(大).jpeg

LCDコントロール基盤を注文するときに必要な作業です。
液晶の型番は、液晶パネルの裏側に貼ってあるのでそこを確認しましょう。型番が確認できたら「Panelook.com」で液晶パネルの詳細を確認します。

Panelook.com

サイトの検索欄で型番を入力します。
このThinkPadの液晶の型番は「HB125WX1-200」なのでこちらを検索します!

Panelook1(大).jpeg

確認する事項は以下の4つです。
1.Panel Size (モニターサイズ)
2.Resolution (画面解像度)
3.Lamp Type (照明のタイプ)
4.Signal Interface (接続のピン数)

Panelook2(大).jpeg

このパソコンの各ステータスは
1.Panel Size (モニターサイズ)"12.5"
2.Resolution (画面解像度)"1366(RGB)×768, WXGA 125PPI"
3.Lamp Type (照明のタイプ)"9S3P WLED , 15K hours , With LED Driver"
4.Signal Interface (接続のピン数)"eDP (1 Lane) , RBR (1.62G/lane) , 30 pins Connector"

準備編

LCDコントロール基盤の注文

Panelook2(大).jpeg

Panelook.comのページより「ThinkPad X240」を検索しました。
このパソコンの各ステータスは
1.Panel Size (モニターサイズ)"12.5"
2.Resolution (画面解像度)"1366(RGB)×768, WXGA 125PPI"
3.Lamp Type (照明のタイプ)"9S3P WLED , 15K hours , With LED Driver"
4.Signal Interface (接続のピン数)"eDP (1 Lane) , RBR (1.62G/lane) , 30 pins Connector"

amazon注文画面.jpeg

LCDコントローラ基盤ですが専用の基盤を入れるケースもあったので、きれいに収納したい方は合わせて注文しても良いかもしれません。私はケースを自作してみたいので買わないことにしました。

電源供給ケーブルの注文

持ち運びできるようにUSBの昇圧ケーブルにしました。
これならモバイルバッテリーがあればどこでも使えるからです。
LCDコントロール基盤の規格に合った電源アダプタを選択しましょう。

amazon注文画面2.jpeg

昇圧ケーブルとは

昇圧ケーブルには、昇圧型DC-DCコンバータが内蔵されています。この昇圧型DC-DCコンバータに電流が流れている状態からスイッチをOFFにすることで発生する高電圧を利用して昇圧させています。スイッチのONとOFFを高速に切り替えることで、元々流している電圧よりも高い電圧を作り出すことができます。

ここからが完成編です。

完成編

パーツ確認

IMG_5535(大).jpeg

・LCDコントローラーボード
・信号ケーブル
・ケーブル付きキーボート
・リモコン
・電源アダプタ

液晶パネルに接続

IMG_5540(大).jpeg

PCの液晶に接続する前に、PCに接続されているコネクタを取って今回購入したコネクタを取り付けられるように準備します。

IMG_5544(大).jpeg

こちらが液晶部を分解したものになります。これからパネルに接続をして、ケースはそのまま利用したいと思います。

※ケースを閉じるときに、突起部分がケースの内側に多くあるのでケーブルが挟まらないよう十分注意しましょう。

コネクタの接続

IMG_5545(大).jpeg

絶縁処理

IMG_5546(大).jpeg

ケースに戻す

IMG_5547(大).jpeg

IMG_5549(大).jpeg

動作確認

IMG_5550(大).jpeg

電源を投入してみて、一通りの操作ができるかの確認を行います。ここで動作不良などが見つかったら返品処理などをして替えてもらうようにしましょう。私の購入したパーツは問題ありませんでした。

IMG_5551(大).jpeg

準備ができたのでこれからLCDコントローラの電源を投入します。

IMG_5552(大).jpeg

今回は MacBook Air に接続して確認をしました。問題なくHDMI接続もできているので他のデバイスでも問題なく使用できると思います!

リモコンを使ってみようと思いましたが、電池は空輸で規制がかかるみたいなので別売りでした。今度試してみたいと思います。おそらくリモコンを使うことはあまりないかもしれません。

まとめ

壊れたPCを大体の修理や廃棄せずに、モバイルモニターやディスプレイにして再利用する方法を紹介しました。今回の方法であれば誰でも簡単にディスプレイにすることができると思います。もし家に眠っているノートパソコンがあってディスプレイが欲しいけど、何万円も出してまで欲しくはないという方に関してはおすすめです!

補足

昇圧ケーブルの仕組み

電圧を昇圧させるにはコイルの性質を利用します。コイルには急激な電流の変化が生じると、変化前の状態を維持しようとする力が働きます。
電気が流れていない状態からコイルに電流を流すと、電流を流させまいとしてエネルギーを蓄積して一定以上の電気は流れない性質があります。逆に電気が流れないようになると、それまで蓄積していたエネルギーを放出して元々入力されていた電気以上の電圧で電気を流す動きをします。これが昇圧ケーブルの仕組みです。

LCDコントローラ基盤とは

LCDコントローラ基盤は、液晶ディスプレイの制御に必要な回路が搭載された基盤です。液晶ディスプレイは、液晶素子に電気信号を与えることで画像を表示するため、LCDコントローラ基盤は液晶素子の電気信号を生成し、表示するための制御回路を含んでいます。 LCDコントローラ基盤には、ディスプレイの解像度、表示色数、表示方法(表示方式)、ディスプレイの種類(TFT、STN、TNなど)に応じたコントローラが使われます。また、LCDコントローラ基盤には、ディスプレイの信号入力(VGA、HDMI、DVIなど)に対応した入力端子が備わっていることが一般的で、液晶ディスプレイの制御に必要な要素が集約された重要な部品であり、様々な電子機器の中で広く利用されています。

1
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?