5
5

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【RAG】自社データを使って回答する生成AIチャットをノーコードで作る手順【ChatGPT】

Last updated at Posted at 2025-05-21

ノーコードで生成AIアプリを開発できる無料ツール「ADFI生成AI」を使って、RAG搭載(自社データの情報を使って回答が可能な)生成AIチャットを作成しました!
手順を解説します!

アプリのイメージ図.png

作ったAIアプリ(生成AIチャット)

自分のPCの指定したフォルダ内にあるPDFファイル(PDF以外の形式のファイルもOK)を読み込んで、その中の情報を使って、生成AIが回答します。

下の例では、洗濯機の取扱説明書の複数のPDFファイルの中から、正しいファイル(bw-dx100k_b.pdf)を読み込んで、正しい情報(88ページ目の表の中の仕様情報)を回答しています。
回答の根拠として参照元のPDFファイル名もAIが回答してくれるので、万が一、ハルシネーション(AIの誤回答)が発生した場合でも情報の正誤を確認できるので、とても安心!

AIエージェント例2.png

作成手順

事前準備

ADFI生成AIで作成したAIアプリを動かすために、PCにPython3.9をインストールしておく必要があります。

Windowsの画面下部のタスクバーの検索窓に「store」と入れると、メニューに「Microsoft Store」が表示されるので、それをクリック。
Microsoft Storeが起動します。

今度は、Microsoft Storeの上部の検索窓で「Python」と入れると、Pythonの各バージョンが表示されるので、「Python3.9」の「入手」(または「インストール」)をクリックします。

しばらく待つと、Python3.9のインストールが完了します。
これでPython環境の準備OKです!

Pythonインストール流れ.png

AI作成

ADFIにログイン後、「プロジェクト新規作成」をクリックします。

生成AI1.png

「ADFI生成AI」を選択して、好きなプロジェクト名を入力します。
「作成」をクリックして、プロジェクトを作成します。
生成AI2.png

作成されたプロジェクトの画面で、「AI新規作成」をクリックします。
生成AI3.png

作成したいAIの種類を選びます。
キャラクターが設定されているAIもありますが、今回は「シンプルAI」を選びました。
好きなAI名を入力して、「作成」をクリックすれば、AIの作成が完了です。
生成AI4.png

作成したAIの画面で「AIをダウンロード(Windows用)」をクリックして、作成したAIの圧縮ファイルをダウンロードできます。
生成AI5.png

ChatGPTのAPIキーの準備

作成したAIは、ChatGPTと連携するため、ChatGPT(OpenAI API)のAPIキーが必要です。
まだAPIキーを取得していない場合は、APIキーを取得しておいてください。
手順は過去記事「初めてOpenAI APIのAPIキーを取得する時の手順」で解説しています。

初回のセットアップ

AIを実行するために、初回のみセットアップが必要です。
先ほどダウンロードした圧縮ファイルを展開してください。
フォルダ内の「0_Initial_setup_tool_for_Windows.bat」を実行すると、自動でセットアップを行ってくれます。
フォルダ1.png

Windows Defenderのポップアップが出るので、「詳細情報」⇒「実行」をクリック。
ポップアップ.png

コマンドプロンプトが立ち上がって、自動的にセットアップ処理が進みます。
コマンドプロンプトにセットアップ完了のメッセージ「続行するには何かキーを教えてください」が出るまで、10分くらいかかりました。

生成AIに読ませるデータの準備

ADFI生成AIで作成したAIは、RAG(Retrieval-Augmented Generation)が搭載されています。
生成AIに読み込ませたいデータが入ったフォルダを指定するだけで、生成AIが自社データを使って回答します。

この記事では、自社データを公開できないので、メーカーのホームページからダウンロードできる家電の取扱説明書のPDFファイルで試してみました!
ちなみに、どの取扱説明書もページ数が多かったです(70~90ページありました)。
日立.png

3種類の洗濯機の取扱説明書をダウンロードして、適当なフォルダに格納しました。
家電フォルダ.png

展開したフォルダ内にある「ai_for_Python3.9」フォルダの中に「target_dir_list.txt」というテキストファイルがあります。
このテキストファイルに、生成AIに読み込ませたいデータが入ったフォルダの絶対パス(C:\から始まるパス)を記入します。
Pythonフォルダ2.png

パスを記入して上書き保存します。
改行して、複数のフォルダを指定することもできます。
ターゲットリスト.png

AIの実行

「ai_for_Python3.9」フォルダの中の「config.ini」ファイルをメモ帳などのテキストエディタで開きます。
Pythonフォルダ1.png

「open_api_key」の右側に、ChatGPT(OpenAI API)のAPIキーを記入して、上書き保存します。
コンフィグ.png

「1_AI_server_start _for_Windows.bat」を実行すると、AIが起動します。

フォルダ2.png

Windows Defenderのポップアップが出るので、「詳細情報」⇒「実行」をクリック。
ポップアップ.png

コマンドプロンプトが立ち上がって、AIサーバーが立ち上がります。
「AIサーバーの開始準備が完了しました。利用できます。」のメッセージが表示されたら、AIの起動完了です。
AIアプリを利用できる状態になりました。
コマンドプロンプト.png

AIアプリの利用

AIサーバーが起動した状態だと、AIアプリが利用できます。
すぐにノーコードで利用できるAIアプリとして、以下の3つが入っていました。

  • AIエージェント(生成AI搭載チャット)
  • 社内データ検索
  • 情報抽出AIアプリ

今回は「AIエージェント(生成AI搭載チャット)」を試しました。

フォルダ3.png

「AIエージェント(生成AI搭載チャット)」を開くと、チャット画面が表示されます。
AIには、先ほどダウンロードした3種類の洗濯機の取扱説明書のデータが読み込まれています。
1つの型番「NW-50K」を入力して、製品の仕様を質問してみます。

AIエージェント1.png

すると、AIがすぐに、取扱説明書の47ページ目の表の中に記載されている正確な情報を回答してくれました!
しっかり、参照元のファイル名「nw-50k_1.pdf」も教えてくれています!
AIエージェント例1.png

別の型番「BW-DX100K」も聞いてみると、こちらも完璧に回答してくれました!

AIエージェント例2.png

感想

ノーコードで、RAG搭載のAIアプリを簡単に作成することができました!
初回セットアップには、30分くらい時間がかかりましたが、AIの作成自体は5分以内で作れました!
めっちゃ簡単で、助かります!

次の記事では、別のAIアプリを試してみます!

5
5
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
5
5

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?