ノーコードで生成AIアプリを開発できる無料ツール「ADFI生成AI」を使って、RAG搭載(自社データの情報を使って回答が可能な)生成AIチャットを作成しました!
手順を解説します!
作ったAIアプリ(生成AIチャット)
自分のPCの指定したフォルダ内にあるPDFファイル(PDF以外の形式のファイルもOK)を読み込んで、その中の情報を使って、生成AIが回答します。
下の例では、洗濯機の取扱説明書の複数のPDFファイルの中から、正しいファイル(bw-dx100k_b.pdf)を読み込んで、正しい情報(88ページ目の表の中の仕様情報)を回答しています。
回答の根拠として参照元のPDFファイル名もAIが回答してくれるので、万が一、ハルシネーション(AIの誤回答)が発生した場合でも情報の正誤を確認できるので、とても安心!
作成手順
事前準備
ADFI生成AIで作成したAIアプリを動かすために、PCにPython3.9をインストールしておく必要があります。
Windowsの画面下部のタスクバーの検索窓に「store」と入れると、メニューに「Microsoft Store」が表示されるので、それをクリック。
Microsoft Storeが起動します。
今度は、Microsoft Storeの上部の検索窓で「Python」と入れると、Pythonの各バージョンが表示されるので、「Python3.9」の「入手」(または「インストール」)をクリックします。
しばらく待つと、Python3.9のインストールが完了します。
これでPython環境の準備OKです!
AI作成
ADFIにログイン後、「プロジェクト新規作成」をクリックします。
「ADFI生成AI」を選択して、好きなプロジェクト名を入力します。
「作成」をクリックして、プロジェクトを作成します。
作成されたプロジェクトの画面で、「AI新規作成」をクリックします。
作成したいAIの種類を選びます。
キャラクターが設定されているAIもありますが、今回は「シンプルAI」を選びました。
好きなAI名を入力して、「作成」をクリックすれば、AIの作成が完了です。
作成したAIの画面で「AIをダウンロード(Windows用)」をクリックして、作成したAIの圧縮ファイルをダウンロードできます。
ChatGPTのAPIキーの準備
作成したAIは、ChatGPTと連携するため、ChatGPT(OpenAI API)のAPIキーが必要です。
まだAPIキーを取得していない場合は、APIキーを取得しておいてください。
手順は過去記事「初めてOpenAI APIのAPIキーを取得する時の手順」で解説しています。
初回のセットアップ
AIを実行するために、初回のみセットアップが必要です。
先ほどダウンロードした圧縮ファイルを展開してください。
フォルダ内の「0_Initial_setup_tool_for_Windows.bat」を実行すると、自動でセットアップを行ってくれます。
Windows Defenderのポップアップが出るので、「詳細情報」⇒「実行」をクリック。
コマンドプロンプトが立ち上がって、自動的にセットアップ処理が進みます。
コマンドプロンプトにセットアップ完了のメッセージ「続行するには何かキーを教えてください」が出るまで、10分くらいかかりました。
生成AIに読ませるデータの準備
ADFI生成AIで作成したAIは、RAG(Retrieval-Augmented Generation)が搭載されています。
生成AIに読み込ませたいデータが入ったフォルダを指定するだけで、生成AIが自社データを使って回答します。
この記事では、自社データを公開できないので、メーカーのホームページからダウンロードできる家電の取扱説明書のPDFファイルで試してみました!
ちなみに、どの取扱説明書もページ数が多かったです(70~90ページありました)。
3種類の洗濯機の取扱説明書をダウンロードして、適当なフォルダに格納しました。
展開したフォルダ内にある「ai_for_Python3.9」フォルダの中に「target_dir_list.txt」というテキストファイルがあります。
このテキストファイルに、生成AIに読み込ませたいデータが入ったフォルダの絶対パス(C:\から始まるパス)を記入します。
パスを記入して上書き保存します。
改行して、複数のフォルダを指定することもできます。
AIの実行
「ai_for_Python3.9」フォルダの中の「config.ini」ファイルをメモ帳などのテキストエディタで開きます。
「open_api_key」の右側に、ChatGPT(OpenAI API)のAPIキーを記入して、上書き保存します。
「1_AI_server_start _for_Windows.bat」を実行すると、AIが起動します。
Windows Defenderのポップアップが出るので、「詳細情報」⇒「実行」をクリック。
コマンドプロンプトが立ち上がって、AIサーバーが立ち上がります。
「AIサーバーの開始準備が完了しました。利用できます。」のメッセージが表示されたら、AIの起動完了です。
AIアプリを利用できる状態になりました。
AIアプリの利用
AIサーバーが起動した状態だと、AIアプリが利用できます。
すぐにノーコードで利用できるAIアプリとして、以下の3つが入っていました。
- AIエージェント(生成AI搭載チャット)
- 社内データ検索
- 情報抽出AIアプリ
今回は「AIエージェント(生成AI搭載チャット)」を試しました。
「AIエージェント(生成AI搭載チャット)」を開くと、チャット画面が表示されます。
AIには、先ほどダウンロードした3種類の洗濯機の取扱説明書のデータが読み込まれています。
1つの型番「NW-50K」を入力して、製品の仕様を質問してみます。
すると、AIがすぐに、取扱説明書の47ページ目の表の中に記載されている正確な情報を回答してくれました!
しっかり、参照元のファイル名「nw-50k_1.pdf」も教えてくれています!
別の型番「BW-DX100K」も聞いてみると、こちらも完璧に回答してくれました!
感想
ノーコードで、RAG搭載のAIアプリを簡単に作成することができました!
初回セットアップには、30分くらい時間がかかりましたが、AIの作成自体は5分以内で作れました!
めっちゃ簡単で、助かります!
次の記事では、別のAIアプリを試してみます!