Arch Linuxの記事はシリーズになっています。
記事を順番に読み進めると、Arch Linuxをいい感じにセットアップできます。
- Arch Linuxのインストール方法(Windows)
- Arch Linuxのセットアップ方法 ←イマココ
はじめに
Arch Linuxをインストールしたあとのセットアップを紹介します。
基本的には以下の記事から自分に必要な設定を行います。
環境
- PC: ThinkPad T480
- プロセッサ: Intel(R) Core(TM) i5-8350U CPU @ 1.70GHz 1.90 GHz
- 実装 RAM: 8.00 GB (7.84 GB 使用可能)
- システムの種類: 64 ビット オペレーティングシステム、x64 ベース プロセッサ
- OS: Windows 10 Pro
Arch Linuxのセットアップ手順
Arch Linuxのセットアップ手順を紹介します。
1 システム管理
インターネットへの接続
iwctl
コマンドを使い、 1.7 インターネットへの接続 と同じ手順でインターネットへ接続します。
ip addr show
でインターネットへ接続できているか確認できます。
1.1 ユーザーとグループ
ルートユーザーは権限を持ち過ぎているため、普段使うユーザーを作成します。
ユーザーの作成
useradd
コマンドでユーザーを作成します。
私は uhooi
としました。
# useradd -m uhooi
-m
オプションを付けることで、ユーザーのホームディレクトリが /home/{username}
に作成されます。
# ls /home
uhooi
パスワードの設定
passwd
コマンドでパスワードを設定します。
# passwd uhooi
sudoのインストール
一般ユーザーからルートユーザーでしか行えない操作をするnに必要なため、 sudo
コマンドをインストールします。
# pacman -S sudo
sudoの設定
先ほど作成したユーザーで sudo
コマンドを使えるようにします。
# export EDITOR=vim
# visudo
wheel
グループのメンバーに、任意のコマンドの実行を許可します。
# ...
## Uncomment to allow members of group wheel to execute any command
- # %wheel ALL=(ALL:ALL) ALL
+ %wheel ALL=(ALL:ALL) ALL
# ...
先ほど作成したユーザーを wheel
グループに追加します。
# gpasswd -a uhooi wheel
これで uhooi
が sudo
コマンドを実行できるようになりました。
ユーザーの切り替え
ここからはルートユーザーでなく一般ユーザーで操作します。
ルートユーザーをログアウトし、一般ユーザーでログインし直します。
カレントディレクトリを出力し、 /home/{ユーザー名}
になっていたらユーザーの切り替えに成功しています。
$ pwd
/home/uhooi
2 パッケージ管理
2.1 pacman
Arch Linuxのインストール方法(Windows) で紹介した通り、pacmanはArch Linuxのパッケージマネージャーです。
よく使うパッケージのインストール
必要に応じてよく使うパッケージをインストールします。
$ sudo pacman -S man
$ sudo pacman -S git
$ sudo pacman -S ghq
$ sudo pacman -S neovim
2.4 Arch Build System
「Arch Build System」は「ABR」と略します。
ソースコードからソフトウェアをビルドやパッケージングするためのシステムです。
各リポジトリには PKGBUILD というビルドスクリプトが含まれており、ソフトウェアのソースコードやバイナリは含まれていません。
makepkg を実行することで、ソースコードがダウンロードされ、ビルドやパッケージングが行われます。生成されたパッケージはpacmanでインストールできます。
2.5 Arch User Repository
「Arch User Repository」は「AUR」と略します。
コミュニティによって運営されている非公式リポジトリです。
AURにあるパッケージはpacmanで直接インストールできず、手動で makepkg
を実行してパッケージを生成し、 pacman -U {パッケージファイル}
でインストールします。
Yay
Yayはpacmanのラッパーです。
AURにあるパッケージをコマンド一発でインストールできたりと、非常に便利なコマンドです。
Yayのインストール
READMEに従ってインストールします。
$ sudo pacman -S --needed git base-devel
$ git clone https://aur.archlinux.org/yay.git
$ cd yay
$ makepkg -si
あとはpacmanと同じように使えます。
基本的には pacman
でなく yay
を使っていいと思います。
ただAURにあるパッケージは誰が作っているかわからないため、 yay -Si
でAUR URLを出力してページを開き、PKGBUILDを見て悪意あるスクリプトが実行されていないか確認するのが望ましいです。
AURにあるパッケージのインストール
必要に応じてAURにあるパッケージをインストールします。
$ sudo yay -Sy
$ sudo yay -S google-chrome
$ sudo yay -S android-studio
4 グラフィカルユーザーインターフェース
4.3 デスクトップ環境
Arch LinuxはデフォルトでWindowsやMacのようなデスクトップ環境がありません。
xmonad のようなウィンドウマネージャーを使いこなせるなら不要ですが、そうでない場合はインストールすると格段に使いやすくなります。
GNOME
本記事では GNOME をインストールします。
GNOMEのインストール
pacmanでインストールします。
$ sudo pacman -S gnome
必要に応じて gnome-extra
もインストールします。
GNOMEの自動起動
GNOMEを自動で起動させたい場合、gdm.serviceを有効化します。
$ sudo systemctl enable gdm
ネットワーク設定
networkmanager
をインストールし、NetworkManager.serviceを有効化することでGNOMEからネットワークの設定を制御できるようになります。
$ sudo pacman -S networkmanager
$ sudo systemctl enable NetworkManager
ネットワークの設定をGNOMEに任せるため、 iwd
と dhcpcd
は無効化しておくと変に競合しないと思います。
$ sudo systemctl disable iwd
$ sudo systemctl disable dhcpcd
9 最適化
9.2 パフォーマンスの最大化
パフォーマンスの向上に関する設定です。
スワップ
物理メモリとスワップ領域の合計が仮想メモリのサイズになります。
スワップ領域はパーティションとファイルがありますが、本記事ではスワップファイルを作成します。
スワップファイル
mkswap
コマンドで4GBのスワップファイルを作成します。
$ sudo mkswap -U clear --size 4G --file /swapfile
スワップファイルを有効化します。
$ sudo swapon /swapfile
fstab
ファイルを編集し、スワップファイルのエントリを追加します。
+ /swapfile none swap defaults 0 0
これでスワップファイルの作成が完了です。
System Monitorを開き、Swapが4.3GBあればスワップファイルの作成に成功しています。
もしスワップファイルを無効化する場合、 swapoff
コマンドを実行してからファイルを削除します。
$ sudo swapoff /swapfile
$ sudo rm -f /swapfile
おわりに
ここまで設定したら、Arch Linuxでいろいろ遊べるようになると思います。
Arch Linuxライフを楽しみましょう