米国テキサス州オースチンで毎年3月に開催されるSXSW (サウス・バイ・サウスウェスト)。今年も、3月8日から17日まで開催されました。SXSWも日本でだいぶ認知されるようになってきたイベントですが、インタラクティブ・音楽・映画の見本市。10日間で8万人を超える有料入場者がある、オースチンという街全体を使った大規模イベントです。認知されるようになってきて、逆に2,3年前にあった、参加・出展することに対するエッジさがなくなってきたからか、オンラインメディアで取り上げられる数が今年は少なかったようでもありますが、その中からピックアップして紹介します。
※下記サイトからの転載。ビッグデータ・AIなどに関するトピックを毎週取り上げています。
TechCrowd: https://www.techcrowd.jp/related/
SXSW 2019 Interactive現地レポート(その1)
起業家と投資家を繋ぐ」をコンセプトに国内スタートアップを中心としたテクノロジー系ニュースを毎日配信するブログメディア「BRIDGE」のSXSW 2019の現地レポートです。
SXSWについて、世界で最もクリエイティブな祭典の1つという紹介からはじまっています。SXSWの前半に開催されたインタラクティブ関連のハイライトを紹介してくれています。
まずは、経済産業省の主催、ソフトバンクらの協賛、メディアアーティストの落合陽一氏プロデュースで開設された「The New Japan Islands(NJI)」。「デジタル発酵する風景」をコンセプトに近未来の日本を、食やデジタル文化、サブカルチャーなどの分野にスポットライトを当て表現した展示だったようです。
NJI 開設初日となった10日には、落合氏のほか、関係者が神式で NJI の成功を祈ったほか、この施設では、日本酒メーカー、印刷会社有志、福井県の永平寺などがプロダクトや宗教・文化などを紹介していたほか、夜には J-POP を扱ったディスコイベントやカラオケ大会が行われたようです。
東大から学生チームを SXSW に派遣する「Today to Texas(TTT)」も紹介しています。ユニークさと見た目の奇抜さで TTT のチームは群を抜いていたとのこと。たとえば、JellySurfは加速度センサーと LED を内蔵したサーフボード。透明なボードに LED が埋め込まれており、ユーザの動きに同期してイルミネーションが彩りを見せる。サーフィンの上達を意図して制作されており、ユーザは光の動きを追って身体の重心を変えるなどしてトレーニングができるようです。
また電通の展示も紹介しています。電通は昨年「Sushi Teleportation」という展示をしていますが、それをもう一歩進めた形の未来型寿司レストランとして「Sushi Singularity」が出展されていました。3Dプリンタを使った距離や場所にとらわれない寿司体験の実現を目指したもので、2020年には Sushi Singularity の開店を目指しているようです。
[SXSWが発表した「2019年のトレンド」5選。テクノロジーの進化が、サービス体験にもたらす変化とは] (https://exp-d.com/topics/3076/)
SXSW 2019が3月に開催されるのに先立って、主催者であるSXSWが「発表した2019年のトレンド」について株式会社プレイドが運営するCX (カスタマーエクスペリエンス) に特化したメディアXD (クロスディー) が取り上げている記事です。
SXSWが発表したトレンドは全体で10。XDではその中でもCXの領域にもかかわる5つを選んでいます。
最初に取り上げたトレンドは「デジタルへの不信感の克服」(Conquering an Era of Digital Distrust)。消費者はモノを購入するときに、企業から提示された情報だけでなく、SNSや口コミ情報サイトなどさまざまな情報源を調べて選ぶようになった。北米では、一つひとつの製品を丁寧に検証するレビューサイト「BestReviews」が人気を集めていることなどからも、人々が調べることに重きを置き始めていることが伺えるとのこと。企業が競合に対して優位に立つためには、より信頼できる企業になるよう投資する必要があり真摯にユーザーと向き合い、信頼できる情報を届けていかなければならないと解説してくれています。
2つ目のトレンドは、「輸送革命」(Evolution of Transportation and Delivery)。SXSWにスピーカーとして登壇したTexas Guadaloopは、チューブの中の空気を減圧して、人や貨物の入ったカプセルを移動させる「ハイパーループ輸送車」を開発している。700km以上あるロサンゼルスからサンフランシスコまで、ガソリンを使わずに25分で移動することが可能になるという。
3つ目は「サブスクリプションサービスの台頭」(Rapid Rise of Subscription Services)。米国では、ケーブルテレビなどの有料テレビを解約する「コード・カッティング」と呼ばれる動きが緩やかに進んでおり、Appleがオリジナル作品を目玉にした新たなストリーミング動画配信サービスを2019年後半にも開始する準備を進めていると報道されていたり、Disneyが同社の作品を一部独占的に配信するサブスクリプション型のサービスを2019年に立ち上げると発表するなど、オリジナル作品をめぐってサブスクリプション型の動画配信サービスの競争は激化し始めています。
4つ目は「AIと人との住み分け」(The Value of Human Touch in Music Curation)。AIが活躍する領域が拡大していく中で、「人の手によるキュレーションはまだまだ必要」として具体例として紹介しているのがSpotifyのキュレーターチーム。Spotifyには世界中の音楽を聴いてプレイリストを作るキュレーターが世界に60人ほどおり、そのラインナップの質が高く評価されているという。日々蓄積されているビッグデータからユーザーの嗜好を解析することによって、楽曲をオススメするAI的な機能との二軸でユーザーに音楽発見の楽しさを届けており、人が介在することの価値も忘れてはならないと解説してくれています。
最後のトレンドが「誰もがバーチャルリアリティを楽しめる世界」(XR is now)。SXSWは、ARコンテンツを容易に作ることができるAppleの開発者向けフレームワーク「ARKit」「ARCore」などの普及が、XR(VR、AR、MRなどの総称)の可能性を飛躍的に高めるとしています。
[日系企業は「SXSW」で存在感を示すことができるか?] (https://forbesjapan.com/articles/detail/25973)
Forbes JAPANのWebサイトでのSXSW 2019レポート記事です。2007年にはツイッターが、2011年にはエアビーアンドビーが、2012年にはピンタレストが「インタラクティブ・イノベーション・アワード」で表彰されたことをきっかけに注目を浴びるようになったイベントとして、冒頭にSXSWを紹介しています。
まず紹介している日本企業の展示がソニー。日系企業で最大規模のブースを出展しており、「テクノロジー×クリエイティビティ」をテーマに、体験型展示とトークセッションやプレゼンテーションを連日開催。伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスが描かれたエントランスから入ると、会場の至るところに「WILL TECHNOLOGY ENRICH HUMAN CREATIVITY?(テクノロジーは人の創造力を高めるか?)」という言葉が並ぶブースだったようです。
中でも行列が絶えなかったのが、インクルーシブデザインの体験型展示「CAVE without a LIGHT」。4人1組で暗闇の洞窟を再現した空間に入り、それぞれ柵で囲われたスペースに案内される。そこで4分間、手元にある小さい太鼓や手を叩いたりして全員で一曲の音楽を作るという展示です。
次に紹介しているのは落合陽一が統括ディレクターを務める日本館「The New JAPAN Islands」。中央のステージが畳、天井には提灯が飾られている「日本らしい」内装。会場でゲストを迎えるのは、「GROOVE X」の「LOVOT(らぼっと)」。
SXSWの中心エリア、コンベンション・センターで3月10日から催されている見本市に出展していた日本企業の展示の中でも人を集めていたのが、電通グループによる「SUSHI SINGULARITY(スシ・シンギュラリティ)」と父親向けの授乳デバイス「FATHER’S NURSING ASSISTANT(ファーザーズ・ナーシング・アシスタント)」とのこと。ファーザーズ・ナーシング・アシスタントは、父親が授乳することを可能にする。製品の片側はミルクタンク、もう片方から授乳ができる仕組み。小児科医やベビーシッターからのアドバイスを参考に、母親が授乳する状態に近いデザインなったといいます。
[まさかの巻き取りテレビに遭遇! LGの展示は見どころ多!] (https://www.gizmodo.jp/2019/03/lg-sxsw-2019.html#cxrecs_s)
GZMODOのSXSW 2019レポート記事。GIZMODEはSXSW 2019のレポートを多数掲載しています。ソニーの展示の記事も移動手段として目についたレンタル型の電動スクーターなども紹介してくれていますが、この記事はLGの展示ブースの紹介。CESでも展示していて話題になった、世界初の巻き取りテレビの紹介など見所満載だったようです。
「The LG SIGNATURE OLED TV R」が、実際に箱に収納されていく様子は感動! まさにテレビの未来だ!とテンションあがるとのことで、動画なども掲載されていますのでご覧になってください。横から見ると背景によっては、薄すぎて見えないほど薄いとのことです。