はじめに
この記事は、MacでRuby on Railsの開発環境を構築する手順をまとめたものです。
これからRails学習を始める方が、できるだけ迷わず準備できるように整理しました。この記事を見ながら順番に作業してください。
この記事は Mac向け です。
シェルは zsh を前提にしています。
2026年5月14日時点の前提
- macOS Catalina 10.15 以降
- Rails公式の macOS 向けインストール手順をベースに構成
- Node.js は 2026年5月14日時点で LTS の
v24系を利用 - データベースは Rails 8 の標準である SQLite を利用
略称の補足
- LTS: Long Term Support の略です。長期間サポートされる安定版を指します。
- PATH: ターミナルでコマンドを探す場所の一覧です。
事前に用意するもの
作業を始める前に、次のものを用意してください。
- インターネットに接続できるMac
- Mac標準の「ターミナル」アプリ
- Macの管理者パスワード
- 作業時間の目安として30分から1時間ほど
環境構築の全体像
最初に全体像を共有します。この記事では、次の順番で環境構築を進めます。
- ターミナルと
zshを確認する - Xcode Command Line Tools を入れる
- Homebrew を入れる
-
miseを入れる - Ruby / Node.js / pnpm を入れる
- Rails を入れる
- SQLite を確認する
- Git と VS Code を用意する
-
rails newでアプリを作って起動確認する
1. ターミナルと zsh を確認する
この記事では、Mac標準の「ターミナル」アプリと zsh を使います。
現在使っているシェルは、次のコマンドで確認できます。
echo $SHELL
/bin/zsh のように表示されれば、そのまま進めて問題ありません。
macOS Catalina 10.15 以降では、標準のログインシェルが zsh です。通常は zsh を追加インストールする必要はありません。
ただし、macOS Mojave 以前からアップデートして使っている場合など、既存ユーザーの設定が bash のまま残っていることがあります。その場合は echo $SHELL の結果を見て判断してください。
Oh My Zsh を使う場合
Oh My Zsh は、zsh を便利に使うための設定フレームワークです。Railsの動作に必須ではありませんが、ターミナルの表示や補完を整えたい場合は先に入れておくと便利です。
インストールする場合は、Oh My Zsh公式サイト の案内に従って、次のコマンドを実行します。
sh -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/ohmyzsh/ohmyzsh/master/tools/install.sh)"
Oh My Zsh のインストールコマンドは ~/.zshrc を更新します。すでに自分で ~/.zshrc を細かく設定している方は、実行前に内容を確認してください。
インストール後は、ターミナルを開き直してから次へ進んでください。
2. Xcode Command Line Tools をインストールする
Rails開発では、Rubyのインストール時にコンパイラやヘッダファイルが必要になることがあります。最初に Xcode Command Line Tools を入れます。
xcode-select --install
すでに入っている場合は、インストール済みというメッセージが表示されます。その場合は、そのまま次へ進んで問題ありません。
3. Homebrew をインストールする
Homebrew は、macOS向けのパッケージマネージャーです。開発で使うツールをまとめて管理しやすくなります。
Homebrew の公式サイトにあるインストールコマンドを実行します。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
インストール後は、ターミナルに表示された案内に従って PATH の設定をしてください。
ここは表示されたコマンドをそのまま実行するのが安全です。
設定後、次のコマンドで確認します。
brew --version
Homebrew 4.x.x のように表示されれば完了です。
Homebrew のインストール先は、AppleシリコンMacでは通常 /opt/homebrew、Intel Macでは通常 /usr/local です。
4. mise をインストールする
mise は、Ruby や Node.js などのバージョン管理ツールです。Rails公式ガイドでも、Ruby の導入方法として mise が紹介されています。
次のコマンドを実行してください。
curl https://mise.run | sh
echo 'eval "$(~/.local/bin/mise activate zsh)"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
続けて、バージョンを確認します。
mise --version
バージョンが表示されれば完了です。
5. Ruby / Node.js / pnpm をインストールする
ここでは、Rails開発に必要な Ruby と Node.js、それから JavaScript パッケージ管理用の pnpm を入れます。
Ruby をインストールする
Rails公式ガイドに合わせて、Ruby は 3 系の最新安定版を入れます。
mise use -g ruby@3
確認コマンド:
ruby --version
Node.js をインストールする
Node.js は v24 系を使います。2026年5月14日時点では v24 系が LTS です。
LTS は Long Term Support の略で、長期間サポートされる安定版という意味です。初めて環境構築する場合は、基本的に LTS を選ぶと安心です。
mise use -g node@24
確認コマンド:
node --version
pnpm をインストールする
pnpm は、JavaScript パッケージを管理するためのツールです。Railsアプリで JavaScript 関連のライブラリを扱う場面に備えて入れておきます。
mise use -g pnpm
確認コマンド:
pnpm --version
pnpm は rails new のデフォルト設定では使われません。Rails 8 のデフォルトは Importmap です。この記事のサンプルアプリでは ESBuild を使うため、rails new 時に --javascript=esbuild を指定します。
Railsアプリで JavaScript を動かす方法は、大きく2つあります。
Importmap(デフォルト) は、JavaScriptファイルをそのままブラウザに送る方法です。Node.js や pnpm が不要でシンプルです。ただし、npm のライブラリを使いたくなったときに「そのままでは動かない」ことが多く、初心者がはまりやすいです。
ESBuild + pnpm は、JavaScript をブラウザ用にまとめてから送る方法です。最初の準備は少し多いですが、npm のライブラリを pnpm add で追加するだけで使えます。世の中のフロントエンドの説明はこちらの前提で書かれていることが多いので、調べながら学習するときに情報がそのまま使いやすいです。
インストール結果をまとめて確認する
mise list
ruby、node、pnpm が表示されていれば問題ありません。
6. Rails をインストールする
Ruby の準備ができたら、Rails をインストールします。
gem install rails
確認コマンド:
rails --version
7. SQLite を確認する
Rails 8 では、データベースとして SQLite が標準で使われます。そのため、学習用の環境構築では PostgreSQL を別途インストールしなくても始められます。
まずは SQLite が使えるか確認します。
sqlite3 --version
バージョン番号が表示されれば問題ありません。
もし sqlite3 コマンドが見つからない場合は、Homebrew でインストールしてください。
brew install sqlite
インストール後、もう一度確認します。
sqlite3 --version
SQLite はファイルベースのデータベースなので、PostgreSQL のようにデータベース用のサーバーを起動する手順は不要です。
8. Git と VS Code を用意する
Git を確認する
Xcode Command Line Tools を入れると Git も使えることが多いです。まずは確認してください。
git --version
もし最新の Git を Homebrew で入れたい場合は、次のコマンドを実行します。
brew install git
VS Code をインストールする
すでに使い慣れたエディタがあれば、それを使っても問題ありません。
VS Code は Visual Studio Code の略です。コードを書くためのエディタです。
VS Code の公式サイトから、Mac向けインストーラーをダウンロードしてください。2026年5月14日時点で、公式サイトでは macOS 12.0 以降が案内されています。
9. Rails アプリを作って起動確認する
最後に、Railsアプリを1つ作って起動確認します。ここまで通れば、Railsアプリを作り始められる状態です。
Rails アプリを作る
例として blog_app という名前で作ります。データベースは SQLite のまま、JavaScript は ESBuild を指定します。
rails new blog_app --javascript=esbuild
アプリのディレクトリへ移動する
cd blog_app
データベースを作成する
bin/rails db:create
Rails公式ガイドでも、アプリの中では rails ではなく bin/rails を使う流れになっています。
SQLite を使う場合、db:create はスキップしても問題ありません。bin/rails server 起動時や db:migrate 実行時に自動でファイルが作成されます。
サーバーを起動する
bin/rails server
別の書き方として、bin/rails s でも起動できます。
ブラウザで確認する
ブラウザで http://localhost:3000 を開いて、Rails のウェルカムページが表示されれば成功です。
サーバーを止めるときは、ターミナルで Ctrl + C を押します。
よくあるつまずきポイント
rails コマンドが見つからない
ターミナルを再起動してから、もう一度 rails --version を試してください。
brew コマンドが見つからない
Homebrew インストール後の PATH 設定が反映されていない可能性があります。インストーラーが最後に表示したコマンドをもう一度確認してください。
sqlite3 コマンドが見つからない
brew install sqlite を実行してから、もう一度 sqlite3 --version を試してください。
まとめ
Mac で Rails 学習を始めるための環境構築手順をまとめました。
この記事の手順どおりに進めて、最後に rails new blog_app --javascript=esbuild と bin/rails server まで動けば、Railsアプリを作って動かせる状態になります。
もし途中で詰まったら、どの手順で、どのコマンドを実行して、どんなエラーが出たかをメモしておくのがおすすめです。原因の切り分けがかなり楽になります。