はじめに
Salesforce Prompt BuilderはAgentforce Studioに搭載されたプロンプトテンプレート管理機能です。
項目生成テンプレートを使えばレコード項目へのAI生成テキスト挿入が設定画面だけで実現でき、Flexテンプレートをエージェントのアクションに接続することで複数オブジェクトを横断した動的な応答生成が可能になります。
本記事では、Agentforce Studioの有効化からテンプレート作成・プレビュー・アクティベートまでを実装ステップ順に整理します。
特に「項目生成テンプレート 作成方法」「Flex プロンプトテンプレート Agentforce」で情報を探している方を想定した内容です。
Prompt Builderってそもそも何?
一言でいうと、「AIへの依頼書を再利用可能なかたちで管理するツール」 です。
Excelのひな形のようなもの、と思っていただけると近いかもしれません。毎回ゼロから指示を書くのではなく、マージ項目を使ってSalesforceのデータを自動で埋め込みながら、統一されたプロンプトを量産できます。
Agentforce Studioの中にある機能で、メニューから「プロンプトビルダー(Prompt Builder)」と検索するだけでアクセスできます。
テンプレートの種類は3つ
Prompt Builderで作れるテンプレートは、大きく3種類あります。
① Field Generation(項目生成)
1つのオブジェクトのデータを使って、レコードの項目にAI生成テキストを自動挿入するタイプです。たとえばケースの詳細からワンクリックで要約文を作って「Quick Summary」項目に入れる、といった使い方が典型例です。
② Flex(フレックス)
最も汎用性が高いタイプで、複数のオブジェクト・フリーテキスト入力・データモデルを組み合わせられます。最大5つのリソースを追加でき、チャット連携やパーソナライズ応答、Agentforceエージェントのアクションとして使う場合は、こちらがメインの選択肢になります。
③ Standard(スタンダード)
作業要約やセールスピッチコーチングなど、特定のユースケース専用のテンプレートです。用途が決まっていれば便利ですが、カスタマイズの幅は限られます。
AgentforceのActionに紐づけたいなら、基本的には Flex を使うと覚えておけばOKです!
Field Generationテンプレートの作り方
まずはシンプルな Field Generation から試してみましょう。ケースの詳細を要約して項目に自動入力する例で説明します。
前提:Agentforce Studioを有効化する
- 設定 アイコン → 設定 を選択
- クイック検索で「Salesforce Go」を検索・選択
- 「Agentforce スタジオ」を選んで「開始する」をクリック
- 「オンにする」→「確認」でAgentforce スタジオが有効になります
- ブラウザをリフレッシュ(※これを忘れると次のメニューが出ません!)
テンプレートを新規作成する
- アプリランチャー → Agentforce スタジオ を検索・選択
- 左メニューの「プロンプトテンプレート」を開く
- 「新規プロンプトテンプレート」をクリック
- テンプレートタイプで「項目生成」を選択
- テンプレート名・API名を入力(Tabキーを押すとAPI名が自動入力されます)
- 対象オブジェクトと項目を指定して「次へ」
プロンプト本文を書く
テンプレートワークスペースが開いたら、プロンプト本文を入力します。ポイントは「+リソースを挿入」ボタンでSalesforceのデータをマージ項目として埋め込むこと。
たとえばこんなプロンプトを書いて、件名・優先度・種別・コメントをそれぞれマージ項目に置き換えていきます。
ケースの
- コメント内容({!$Input:Case.Comments})
- 件名({!$Input:Case.Subject})
- 優先度({!$Input:Case.Priority}PRIORITY)
- 種別({!$Input:Case.Type})
を踏まえて、100文字以内の要約を1文で書いてください。

マージ項目は青いテキストで表示されます。見た目でどこがデータ連携部分かすぐわかるので、確認しやすいですよ。
プレビューとアクティベート
つまり、テンプレートに指示を書いてマージ項目でデータを埋め込み、プレビューで確認して有効化、という流れでOKです!
Flexテンプレートの作り方(Agentforce Actionとして使う場合)
AgentforceのAction(ツール)としてプロンプトテンプレートを使いたい場合は、Flexテンプレートを使います。
新規作成時にFlexを選択
- 「新しいプロンプトテンプレート」→「Flex」を選択
- テンプレート名・API名・説明を入力
- リソースを追加(最大5つ)
- 「追加」→ リソース名・API Name・ソースタイプ(オブジェクト or フリーテキスト)を設定
- 「次へ」でワークスペースへ
プロンプト本文を書く(マージ項目は {!$Input:オブジェクト.項目} 形式)
Flexテンプレートのマージ項目は {!$Input:Case.Subject} のような形式になります。フリーテキスト入力リソースの場合は {!$Input:フリーテキストの名前} です。
たとえばこんなプロンプトを書いてみます。
あなたはSalesforceのケース管理を担当するサポートアシスタントです。
以下のケース情報をもとに、内容を的確に要約してください。
【件名】
{!$Input:Case.Subject}
【優先度】
{!$Input:Case.Priority}
【種別】
{!$Input:Case.Type}
【コメント内容】
{!$Input:Case.Description}
【指定トーン】
{!$Input:ToneNote}
# 出力条件
- 100文字以内、1文で出力すること
- 「誰が」「何が起きているか」「対応の緊急度や依頼内容」が分かるように要約すること
- 優先度が「最高」または「高」の場合は、緊急性が伝わる表現にすること
- 【指定トーン】で指定された文体・雰囲気に合わせて要約の言い回しを調整すること
- 出力は要約文のみとし、前置きや見出しは付けないこと
「+リソースを挿入」から選べば自動で形式が入力されるので、手で書く必要はありません。
モデルを選択してテスト
テンプレート設定パネルの「モデル」から使用するLLMを選べます(OpenAI GPT 4 Omni Mini など複数の選択肢があります)。
アクティベートしたFlexテンプレートは、Agentforce Builderでエージェントのアクション(ツール)に接続できます。AgentforceのActionにPrompt Templateを紐づける具体的な手順については、公式ヘルプをご確認ください。
ここは注意!つまずきポイント
① Agentforce Studioを有効化してからブラウザをリフレッシュしないと次のメニューが出ない
私が最初にハマったのがここです。「有効化」をクリックしたのにPrompt Builderが見つからない…という場合、ほぼブラウザのリフレッシュ忘れです。一度ページを更新してみてください。
② Field Generationは動的フォームが必要
Field Generationテンプレートをレコードページの項目に紐づけるには、そのページをDynamic Forms(動的フォーム)にアップグレードする必要があります。古いページレイアウトのままでは設定できないので注意してください。
③ Einstein AIのライセンス・追加費用について要確認
Prompt Builderを使用するにはEinstein AIが有効な組織が必要です。追加費用が発生するか否かは、ご利用のエディションと契約内容によって異なります。ご利用前に必ずSalesforce担当者かヘルプサイトでご確認ください。
④ テンプレートタイプは作成後に変更できない
Field GenerationとFlexはあとから切り替えられません。用途を決めてから作成しましょう。
まとめ
- Prompt Builderで作ったテンプレートは再利用可能で、Agentforceの回答品質を安定させる効果があります
- テンプレートタイプはField Generation・Flex・Standardの3種類で、Agentforce Actionに使うならFlexが基本です
- マージ項目でSalesforceのデータを動的に埋め込むことで、パーソナライズされた回答が生成できます
- Agentforce Studioの有効化後はブラウザのリフレッシュを忘れずに
「テンプレートを作ったはいいけど、どうやってエージェントに紐づけるの?」という部分は次の記事で掘り下げていく予定です。一緒に少しずつ慣れていきましょう!
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