はじめに
AIにApexを書かせると、SOQLがループの中に紛れ込んでCode Analyzerに引っかかる、なんてことがよくあります。私自身、1年ほど前にAIが出したコードをそのままデプロイしようとして、何度も指摘を受けた経験があります。動くコードなのに、直す箇所が次々出てくる。
原因は単純で、AIに「Salesforceならではの作法」を渡せていないだけです。
そこで使えるのが、Salesforceが公式にClaude Code向けに公開したsf-skillsというスキルパッケージです。導入するだけで、LWCもApexも最初からベストプラクティスに沿ったコードが出力されるようになります。
この記事では、sf-skillsの概要からインストール手順、使い方までを、Salesforce開発を始めたばかりの方にも分かるように解説します。
sf-skillsって何? Salesforce開発専用の「先生」をAIに追加するイメージ
sf-skillsは、Salesforceが公式GitHubで公開しているAIスキルのパッケージです。
要するに「SalesforceのことをよくわかっているAI家庭教師」をClaude Codeに追加するようなものです。
普通のClaude Codeは汎用AIなので、Salesforceのガバナ制限や共有モデル、テストカバレッジのルールまでは自力で判断しきれないことがあります。でもsf-skillsを入れると、そのあたりの「お作法」を自動で守ってコードを書いてくれるようになります。
2026年6月現在、60以上のスキルが収録されており、代表的なものはこちらです。
- generating-apex:Apexクラスを生成するスキル
- generating-apex-test:テストクラスを自動生成するスキル(カバレッジ75%以上を担保)
- generating-lwc-components:Lightning Webコンポーネント(LWC)を生成するスキル
- debugging-apex-logs:デバッグログを解析して問題を特定するスキル
- generating-flow:フローのメタデータを生成するスキル
これらのスキルは、Claude Code、Cursor、Codex、OpenCodeなど多くのAIツールに対応しています。
つまり、generating-apexスキルを使うと普通にApexを書いてもらうことでOKです!
インストール方法|たった1コマンドで完了します
sf-skillsのインストールは驚くほど簡単です。Salesforceプロジェクトのディレクトリで、以下の1コマンドを実行するだけです。
npx skills add forcedotcom/sf-skills
私も最初「これだけ?」と半信半疑だったのですが、本当にこれだけでした。
実行すると、インストールするスキルを選択する画面が出てきます。スペースキーで選んで、Enterで確定します。
初心者の方には、この4つからスタートするのがおすすめです。
generating-apexgenerating-apex-testgenerating-lwc-componentsdebugging-apex-logs
インストール時に「スコープ」を選べます。
-
Project:今いるプロジェクトだけに入れる(チームと共有したいときはこちら。
gitにコミットされます) - Global:自分のPC全体に入れる(すべてのプロジェクトで使いたいときはこちら)
また、インストール方法も選べます。
- Symlink(推奨):ファイルを1箇所に置いてリンクで参照。更新が全体に自動反映されます
- Copy to all agents:各エージェントにファイルをコピー。更新時は手動で全コピーを変更する必要があります
インストールが完了すると、プロジェクトフォルダの中に skills-lock.json が作成されて、どのスキルが入っているかを確認できます。
// skills-lock.json のイメージ
{
"skills": ["generating-apex", "generating-lwc-components", ...]
}
つまり、「npmパッケージをインストールするのと同じ感覚でOK」という理解でOKです!
実際に使ってみる|自然言語で話しかけるだけでLWC+Apexが生成される
インストールが終わったら、プロジェクトディレクトリでClaude Codeを起動します。
claude
あとは普通に話しかけるだけです。たとえば次のように入力します。
Account作成フォームをLWCで作って。
AccountName(必須)とPhone(9桁以上のバリデーションあり)を入力できるようにして、
保存ボタンでApexコントローラ経由でInsertする仕組みにしてほしい。
エラーハンドリングとトースト通知もつけて。
すると、Claude Codeが自動的に関係するスキルを起動して、以下のファイルを一気に生成してくれます。
-
accountCreationForm.html(LWCテンプレート) -
accountCreationForm.js(コンポーネントロジック) -
accountCreationForm.css(スタイル) -
accountCreationForm.js-meta.xml(App Builderで配置できるようにするメタデータ) -
AccountCreationController.cls(Apexコントローラ) -
AccountCreationController.cls-meta.xml(Apexメタデータ)
実際の画面に配置してみました。ちゃんと使えることを確認できました。

正直、生成が終わった瞬間「これ、前に半日かけて書いたコードと同じ品質だ…」と思いました。
コード生成後、sf-skillsは自動でSalesforce Code Analyzerを実行し、テストも走らせてくれます。もし問題があればそのままClaude Codeが修正まで対応してくれます。
つまり、「コードを書く→チェックする→修正するまでの一連の作業をAIが自動でやってくれる」ということです!
ここは注意!つまずきポイントと注意点
sf-skillsはnpmパッケージとは別物です
npx skills add というコマンドを使いますが、sf-skillsそのものはnpmのパッケージとして配布されていません("skills" npmパッケージとは別物)。あくまでGitHubのリポジトリからスキルを取得する仕組みです。混同しないようにご注意ください。
生成されたコードは必ずレビューすること
sf-skillsを使っても、自動生成されたコードは本番デプロイ前に必ず目視確認してください。
特に気をつけたいのは、以下の点です。
- 項目のAPI名が自分の組織のスキーマと一致しているか
- カスタムオブジェクト・項目が対象の組織に存在するか
- 共有モデル(
with sharingなど)がビジネスルール上正しいか
実務で経験した話ですが、テスト環境で100%動いたコードが、本番の項目名の差異で失敗したことがあります。まずSandboxでテスト、その後本番デプロイという流れは必ず守りましょう。
Claude Codeの環境構築が前提です
sf-skillsを使うには、以下が必要です。
- Claude Code(個人向けは無料で利用可能)
- Node.js(
npxを実行するため) - Salesforce CLI(デプロイや認証のため。
sf org login webで認証)
「Salesforce CLIって何?」という方は、まずこちらのTrailheadで学んでおくと理解が深まります。→ Trailhead: Apex Testing
スキルを入れすぎると弊害があります
パフォーマンス面
スキルはシステムプロンプトとして読み込まれるため、コンテキストウィンドウを消費します。スキルが多いほどトークン数が増え、レスポンスが遅くなったりコストが上がったりします。
精度面
関係ないスキルが誤って発動し、意図しない挙動になることがあります。またスキル同士が競合して、どれを使うべきか判断が混乱することもあります。
管理面
どのスキルが何をするか把握しにくくなり、古いスキルや使わないスキルが残り続けます。
推奨アプローチ
実際に使うものだけを入れましょう。グローバル(-g)インストールは最小限にして、プロジェクト単位でインストールするのが理想です。定期的に npx skills check で棚卸しすることもおすすめです。
Salesforce開発であれば generating-apex や generating-apex-test など用途に絞ったスキルだけで十分なケースが多いです。
まとめ
- sf-skillsは、Salesforce公式のAIスキルパッケージ。
npx skills add forcedotcom/sf-skillsの1コマンドでインストールできる - インストール後はClaude Codeに自然言語で指示するだけで、LWC+Apexコントローラ+テストクラスを一括生成してくれる
- 生成されたコードはSalesforce Code Analyzerを自動通過、テストカバレッジ75%以上を担保する設計
- 本番デプロイ前には必ず目視レビューとSandboxテストを行うこと
Salesforce開発にAIを使うのって、最初は「本当に大丈夫かな?」って不安になりますよね。でもsf-skillsがあれば、ベストプラクティスをちゃんと守ってくれるので、AIをより信頼して使いやすくなります。一緒に少しずつ慣れていきましょう!
AI×資格学習の情報をnoteで発信しています。
→ https://note.com/pacific_creator1


