はじめに
2026年「AIを指揮すること」はエンジニアにとって重要な任務です
しかし、今まさに世界中で議論されている新たな火種があります。
それは、**「AIに書かせたコードは、誰の資産なのか?」**という問題です。
1. なぜ世界中の裁判所は「AIは発明者になれない」と言ったのか
これまでに、AI(DABUSなど)を発明者として認めるかという議論は、日本、アメリカ、イギリスを含む主要国ですべて 「却下」 という結論が出ました。
技術的な拒絶理由
創作的寄与の不在: 判決の共通項は**「発明とは自然人(人間)による創作的行為である」**という点です。
AIの出力は「計算結果」であり「創作」ではないと定義されました。
つまり、GitHub Copilotが生成した画期的なアルゴリズムをそのまま出願しても、
法的には「発明者不在」となり、特許として成立しません。
2. 「著作権」で守れないなら「特許」で守る
とくにマネージャー陣が理解するに値する最大の分岐点です。
著作権の限界
AI生成コードは「表現」としての著作権が認められにくいのが現状です。
コピペに無力: 他社に自社のAI生成コードを丸パクリされても、「人間が書いた創作的表現ではない」と判断されれば、著作権侵害で戦うことは極めて困難になります。
特許による「挙動」の独占
一方で、特許は「コード」ではなく「ロジック(仕組み)」を守ります。
ドワンゴの特許(特許6526304号、ドワンゴvsFC2訴訟にかかる特許のうちの1つ)の例でいえば、
A 「画像上(限られた空間)で複数のコメントが流れる」の条件下で
B 「複数のコメントを流す」を行い
C 「コメントが重ならない位置に」表示
というロジック(仕組み)が特許で資産としてしっかり保護されていました。
仕組みは人間のもの: 「Aの条件下でBを行いCを表示する」というロジック自体を人間が設
していれば、仮にコード自体はAIが書いたとしても、その**「発明者」は人間**です。
ソースコードを問わない: 特許を押さえれば、競合が別の言語や別のAIを使って「同じような挙動」を実装したとしても、それを差し止めることが可能です。
3. マネジメントが取るべき「資産を守る戦略」
リーダーがチームに徹底させる内容として例えばどんなあるか検討してみます。
「注文」ではなく「設計」をプロンプトにする:
単なる「機能の実装」を依頼するのではなく、制約条件やデータ構造、状態遷移のロジックをプロンプトに明文化させる。
そのプロンプトこそが発明の証拠になりうる。
コミットログを「創作の証明」に変える:
人間による検証、修正、統合のプロセスをGit履歴に残す。
これが「人間の寄与」を証明するエビデンスになりうる。
「特許ポートフォリオ」:
コードが模倣されることを前提に、UXの根幹となるロジックを早めに特許出願し、技術資産を守る。
4. 最後に:
AIは人間の有能なサポータであり、「AIに職を奪われる」と恐れる必要はなさそうです。
しかし、「AIに資産化する道や、権利を奪われる」ことには今後警戒していくべきかもしれません。