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微分幾何の学習メモ(2) 正規直交系における基本形式まで

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http://qiita.com/u_1roh/items/6e596219db92b0514961 の続き。


  • これは「曲線と曲面の微分幾何(小林昭七)」読みつつ書いた学習メモです。

  • 個人用のメモなので、他人に分かるようには書いていません。

  • 自分なりの式展開も含んでいるので、単純に教科書をなぞった内容ではありません。

  • 非専門家による個人の学習メモであるため、正確さについては期待しないでください。

  • 間違いがあったら教えてください><


第一基本形式

ここで一旦ガウス曲率の話題から離れて、曲面 $p(u, v)$ の第一基本形式について述べる。

接平面上の2つのベクトル $dp_1, dp_2$ の内積を考える。

dp_1 = p_u du_1 + p_v dv_1 =

\left(p_u\ \ p_v\right)
\left(\begin{array}{c}du_1 \\ dv_1\end{array}\right)
\\
dp_2 = p_u du_2 + p_v dv_2 =
\left(p_u\ \ p_v\right)
\left(\begin{array}{c}du_2 \\ dv_2\end{array}\right)

これらの内積は次式となる。

\begin{array}{ll}

dp_1\cdot dp_2
&= (du_1\ dv_1)\left(\begin{array}{c}p_u^T \\ p_v^T\end{array}\right)(p_u\ p_v)\left(\begin{array}{c}du_2 \\ dv_2\end{array}\right) \\
&= (du_1\ dv_1)\left(\begin{array}{cc}||p_u||^2 & p_u\cdot p_v \\ p_u\cdot p_v & ||p_v||^2\end{array}\right)\left(\begin{array}{c}du_2\\dv_2\end{array}\right)
\end{array}

ここで出てきた行列は、接平面上での内積をUV平面上で考えるための計量行列である。

以上を踏まえ、次式を第一基本形式と定める。

\mathrm{I} = ||dp||^2 =

(du\ dv)\left(\begin{array}{cc}||p_u||^2 & p_u\cdot p_v \\ p_u\cdot p_v & ||p_v||^2\end{array}\right)\left(\begin{array}{c}du\\ dv\end{array}\right)


第二基本形式の書き換え

前の記事の最後で、第二基本形式を次式のように求めた。

\mathrm{II} =

(du\ \ dv)\left(\begin{array}{cc}
e\cdot p_{uu} & e\cdot p_{uv} \\
e\cdot p_{uv} & e\cdot p_{vv}
\end{array}\right)\left(\begin{array}{c}du\\dv\end{array}\right)

この式をよりシンプルな形に変形していく。

$e$ は法線ベクトルであったので、接ベクトル $p_u, p_v$ とは直交している。

e\cdot p_u = 0, \quad e\cdot p_v = 0

従って、両辺を微分して次式が成り立つ。

d(e\cdot p_u) = 0, \quad d(e\cdot p_v) = 0

まず1つ目の式を計算。

\begin{array}{ll}

& d(e\cdot p_u) = 0 \\
\rightarrow & de\cdot p_u + e\cdot dp_u = 0 \\
\rightarrow & (e_udu + e_vdv)\cdot p_u + e\cdot (p_{uu}du + p_{uv}dv) = 0 \\
\rightarrow & (e_u\cdot p_u + e\cdot p_{uu})du + (e_v\cdot p_u + e\cdot p_{uv})dv = 0 \\
\rightarrow & e\cdot p_{uu} = -e_u\cdot p_u, \quad e\cdot p_{uv} = -e_v\cdot p_u
\end{array}

同様に2つ目の式も計算。

\begin{array}{ll}

& d(e\cdot p_u) = 0 \\
\rightarrow & de\cdot p_u + e\cdot dp_u = 0 \\
\rightarrow & \ldots \\
\rightarrow & e\cdot p_{vv} = -e_v\cdot p_v, \quad e\cdot p_{uv} = -e_u\cdot p_v
\end{array}

以上で得られた結果を第二基本形式の式に代入すると

\begin{array}{ll}

\mathrm{II}
&= (du\ \ dv)\left(\begin{array}{cc}
-e_u\cdot p_u & -e_v\cdot p_u \\
-e_u\cdot p_v & -e_v\cdot p_v
\end{array}\right)\left(\begin{array}{c}du\\dv\end{array}\right) \\
&= -(du\ dv)\left(\begin{array}{c}p_u^T\\ p_v^T\end{array}\right)(e_u\ e_v)\left(\begin{array}{c}du\\dv\end{array}\right) \\
&= -dp\cdot de
\end{array}

以上で、第二基本形式をよりシンプルな形式に変形することに成功した。

ここで、$e$ は単位ベクトルであるから

\begin{array}{ll}

\rightarrow & e\cdot e = 1 \\
\rightarrow & d(e\cdot e) = 0 \\
\rightarrow & de\cdot e = 0
\end{array}

つまり $de$ は $e$ と直交するから、$de$ は接ベクトルである。

改めて第一基本形式と第二基本形式の式を並べてみよう。

\begin{array}{cl}

\mathrm{I} &= ||dp||^2 \\
\mathrm{II} &= -dp\cdot de
\end{array}

$dp$ と $de$ は共に接ベクトルであるから、第一基本形式と第二基本形式は共に接ベクトルのみで書き表されていることになる。これは重要なポイントな気がする。


正規直交系

今までは接平面を $du, dv$ の座標系で考えてきた。これはつまり、${p_u, p_v, e}$ を基底ベクトルとする座標系で考えてきたということであるが、これらは一般には正規直交系を成していない。このため、この座標系でヘッセ行列を計算しても、ガウス曲率を単純にその行列式として得ることは出来ない。

そこで、次のような正規直交基底を作って、この上で2つの基本形式を計算していく。

\{e_1, e_2, e_3 = e\}

$e_1, e_2$ は接平面を張る基底ベクトルであるので、$p_u, p_v$ は $e_1, e_2$ の一次結合で書ける。

(p_u, p_v) =

(e_u, e_v)\left(\begin{array}{cc}a_1^1 & a_2^1 \\ a_1^2 & a_2^2\end{array}\right) =
(e_u, e_v)A

ここで $A$ は基底変換行列である。

A = \left(\begin{array}{cc}a_1^2 & a_2^1 \\ a_1^2 & a_2^2\end{array}\right)


正規直交系における第一基本形式

$A$を用いると $dp$ は次のように計算できる。

dp = (p_u\ p_v)\left(\begin{array}{c}du\\dv\end{array}\right) =

(e_1\ e_2)A\left(\begin{array}{c}du\\dv\end{array}\right) =
(e_1\ e_2)\left(\begin{array}{c}\theta^1\\\theta^2\end{array}\right)

ただし

\left(\begin{array}{c}\theta^1\\\theta^2\end{array}\right) =

A\left(\begin{array}{c}du\\dv\end{array}\right)

と置いた。

これを用いると第一基本形式は次式となる。

\mathrm{I} = ||dp||^2

= ||\theta^1 e_1 + \theta^2 e_2 ||^2
= \theta^1\theta^1 + \theta^2\theta^2


正規直交系における第二基本形式

前節で確かめたように

de_3\cdot e_3 = 0

つまり $de_3$ は接平面上のベクトルであるから、$e_1, e_2$ の一次結合で書ける。

de_3 = \omega^1 e_1 + \omega^2 e_2 = (e_1\ e_2)\left(\begin{array}{c}\omega^1 \\ \omega^2\end{array}\right)

これを用いると第一基本形式は

\begin{array}{ll}

\mathrm{II} &= -dp\cdot de_3 \\
&= -(\theta^1 e_1 + \theta^2 e_2)\cdot(\omega^1 e_1 + \omega^2 e_2) \\
&= -(\omega^1 \theta^1 + \omega^2 \theta^2)
\end{array}

さらに、$\omega^1, \omega^2$ は $\theta^1, \theta^2$ の一次結合で書ける。(マイナス符号はその後の式を綺麗にするために便宜上付けたもので、深い意味はない)

\left(\begin{array}{c}\omega^1 \\ \omega^2\end{array}\right) =

-\left(\begin{array}{cc}b_{11} & b_{12} \\ b_{21} & b_{22}\end{array}\right)
\left(\begin{array}{c}\theta^1 \\ \theta^2\end{array}\right)

これを用いると第二基本形式は次式となる。

\mathrm{II} = (\theta^1\ \theta^2)

\left(\begin{array}{cc}b_{11} & b_{12} \\ b_{21} & b_{22}\end{array}\right)
\left(\begin{array}{c}\theta^1 \\ \theta^2\end{array}\right)

正規直交系でのヘッセ行列が得られたため、ガウス曲率は次式のように行列式で得られる。

K = b_{11} b_{22} - b_{12} b_{21}

なお、この行列が対称行列であること($b_{12} = b_{21}$)は後ほど示される。


$\omega^1, \omega^2$ は $\theta^1, \theta^2$ の一次結合で書ける理由について検討してみた。

$de_3$ は次のようにも計算できる。

\begin{array}{ll}

de_3 &= \frac{\partial e_3}{\partial u} du + \frac{\partial e_3}{\partial v} dv \\
&= \left((e_3)_u\ (e_3)_v\right)\left(\begin{array}{c}du\\dv\end{array}\right) \\
&= ((e_3)_u\ (e_3)_v)A^{-1}\left(\begin{array}{c}\theta^1 \\ \theta^2\end{array}\right)
\end{array}

ここで $de_3$ は接ベクトルであったから $\partial e_3/\partial u, \partial e_3/\partial v$ も接ベクトルであり、それぞれ $e_1, e_2$ の一次結合で書ける。これを踏まえて上式を眺めると、

de_3 = (e_1\ e_2)

\left(\begin{array}{cc}b_{11} & b_{12} \\ b_{21} & b_{22}\end{array}\right)
\left(\begin{array}{c}\theta^1 \\ \theta^2\end{array}\right)

の形式に書けることが分かる。