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文系(教育学)で活用できる研究ツールのメモ

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はじめに

日本の論文の書き方と、海外の学会誌の論文の書き方は、少し違います。

私の専門の領域で言えば、「はじめに(現状と課題、研究目的を含む)」「分析対象とその妥当性、分析方法」「結果」「考察」「まとめと今後の課題」で構成されるのが日本の論文だとすると、海外の論文は「はじめに(これまでの研究)」「研究目的、分析対象」「自身の立ち位置(方法論)、分析方法」「結果と考察」「議論(研究の意義、学問的貢献)」「まとめと今後の課題」で構成されています。

分野にもよりますが、研究目的を立たせるために政策から書き出す「はじめに」、形骸化した夏休みの自由研究の弊害なのか、仮説の検証にやたら力のこもった「結果」に重みが置かれた書き方をしています。一方、海外の論文誌では「自身の立ち位置(方法論)、分析方法」と「議論(研究の意義、学問的貢献)」に重きが置かれた書き方をしています。ですから、「はじめに」で先行研究・引用文献を挙げる日本と、「自身の立ち位置(方法論)、分析方法」と「議論(研究の意義、学問的貢献)」で先行研究・引用文献を挙げる海外の違いがあります。また、その数も、比較にならないくらい違います。

構成も違う、力を入れるところも違う、先行研究・引用文献の挙げる場所も違うのです。だからといって、どちらかに優劣をつけるものではなく、文化が違うのです。文化は、国だったり分野・領域だったりします。

そうは言っても、海外の学会誌に臆せずチャレンジしてもらいたいのが指導教員の気持ちです。体裁や、先行研究・引用文献の力の入れ具合で、ディスク・レジジェクトや不採択になるのはもったいないです。そこで、論文執筆をいくつかの段階にわけ、それぞれで振り返りができるツールを挙げます。紹介する研究ツールは、あくまでも、私が個人的に気に入っているものです。

ツールの紹介

準備段階

文献検索

  • R Discovery
    Editageが開発・提供しているサービスです。フィルターを設定して、自身に関連する文献を、幅広く収集することができます。ここで論文や、気になるキーワードを見つけて、SageやSpringerといった出版社や論文誌にアクセスすることもおすすめします。

文献管理

  • Mendeley
  • Zotero
    いずれも、フリーで使用できる文献管理のサービスです。有料のEndNoteもありますが、MendeleyとZoteroで十分だと思います。どちらも、BibTex等の形式で書誌情報・論文情報(citationファイル)をダウンロードして、それを読み込ませます。すべてのOSで使用できますし、APA形式で論文に張り付けることもできますので、使いやすいです。

執筆段階

執筆サポート

  • Paperpal
    R Discoveryと同じくEditage開発・提供のサービスです。「さすがEditage」と思える英文校正のサービスですが、それは提出前の段階でいいですし、grammarlyの方が断然いいので、英文校正としてではなく、剽窃チェックで使用することをお勧めします。
    • ログインの必要あり
    • MS Word、Google Docs、Chrome拡張で使用可
    • FreeとPrime(約1,800円/月)、大学・研究機関向けプラン

研究推進・関連文献サポート

  • ResearchRabbit
    この世界には「その研究なら絶対に引用しないといけない論文」というのがあります。これを落としているからといってすぐに不採択になることはないでしょうが、研究内容がどんなに面白くても「この執筆者、大丈夫?」と査読者を不安にさせてしまいますし、押さえないといけないが押さえられていないと「この執筆者、この分野で語っていいの?」と不安にさせてしまいます。ResearchRabbitは、関連する論文を深堀したり、関連する論文を可視化して表示してくれたりするので、外すべきではない論文を世が外していない限り、引用漏れすることを防ぐことができます。
    • ログインの必要あり
    • webブラウザ、WebCatalog
    • 無料

論文引用チェック

  • scite_
    誰も引用していない論文を発掘することが研究であればそれでもいいのですが、自身が興味関心あるテーマを追究するのが、私のいる分野です。したがって、自分の論を裏付けたり、自分の位置づけを明確にしたりするために文献を引きます。当該分野でもろくに引用されていなかったり、たまたま自分に都合のいい文言が書かれたりしている論文を引く学生がいますが、どれくらい引用されているかを確認することができるこのツールがあると、自分の引用の確からしさを確認することができます。引用している箇所を、同意的か/対立的か/言及かを分類してマークしてくれますので、その論文との関係もわかります。
    • ログインの必要あり
    • webブラウザ
    • 個人プラン(約3,000円/月、年間払いは約30,000円)、法人・チームプラン(要相談)

提出前チェック段階

英文校正

  • grammarly
    上でも書いたように、英文校正でかなりの力を発揮してくれます。書くものが論文なのかレポートなのか、用途に合わせてその書きぶりを変えてくれるので、論文足らしめるかどうかの砦になってくれると思います。とくに、論文に用いていい語か/いい表現かを踏まえて指摘してくれるので、語感が十分ではなくても、適切なものを候補に挙げてくれます。
    • ログインの必要あり
    • webブラウザ、webブラウザ拡張、デスクトップアプリ、スマホアプリ(App Store、Google Play)
    • 無料、プロ(約2,000円/月)、エンタープライズ

さいごに

上で紹介した研究ツールの中には、AIを使って論文を執筆してくれるものもあるようですが、自分の研究ですから、書くことは自力ですることが望ましいです。補助的なものに位置づけるといいですね。

ほかにもいろいろなツールがあります。それらの中から、1)いかに自分の研究スタイルにあったものを見つけることができるか、2)いかに同じサービスを使い続けることができるか(継続してくれるサービスか、無理なく使い続けられるツールか、別のサービスに移行できるか)、そして、3)いかにQuality of Research(信頼性と妥当性のある研究手続き、対象の代表性、限界の認識、倫理的基準の遵守、学術的議論の呈示)を形成・維持することができるか、に応じたものを見つけるといいと思います。

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