はじめに
Oracle Analytics Cloud(OAC)には、複数のメジャーを表現するためのビジュアライゼーションのひとつに「オーバーレイ・チャート」があります。
今回は、政府統計の総合窓口「e-Stat」から取得したデータを使ってオーバーレイ・チャートを使った可視化をしてみます。
1. 政府統計の総合窓口「e-Stat」で統計データをダウンロード
様々な統計データを閲覧・取得できる政府統計のポータルサイトです。
1.1 データを探す
「統計データを探す」-「データベース」から、「空き家戸数」というキーワードで検索してみます。
ヒットした11件の中から、このデータを確認してみることにします。
「DB」をクリックします。
社会・人口統計体系 都道府県データ 基礎データ
1.2 表示項目を選択する
統計データが表示されます。「表示項目選択」をクリックします。
「H 居住」の「項目を選択」をクリックします。
「全解除」ボタンをクリックし、全部の項目を解除してから「H1100_総住宅数」と「H110202_空き家数」だけをチェックして「確定」をクリックします。
「地域」の「項目を選択」をクリックします。
「全国」のチェックを外し、「確定」をクリックします。
同様の手順で、「調査年」については2001年度以降のみを選択します。
「レイアウト設定」をクリックします。
「ページ上部(欄外)」から、「調査年」を行にドラッグ&ドロップします。
「設定して表示を更新」をクリックします。
1.3 ダウンロードする
この調査は毎年実施されているわけでないので、2001年度以降では2003年度のデータが最も古いものでした。
「ダウンロード」をクリックします。
ダウンロード設定を次のようにします。
設定項目 | 設定値 |
---|---|
ダウンロード範囲 | 表示中のページ |
ファイル形式 | XLSX形式 |
コードの出力 | 出力しない |
階層コードの出力 | 出力しない |
凡例の出力 | 出力しない |
「桁区切り(,)を使用しない」にして、「ダウンロード」をクリックします。
ファイル名を確認して、もう一度「ダウンロード」をクリックします。
2. データのアップロード
ダウロードしたファイルから余分なデータを削除してからアップロードします。
2.1 ダウンロードしたファイルを確認し微修正
Excelでダウンロードしたファイルを開き、最初の6行を削除します。
D列とE列のセルを選択し数値に変換して、上書き保存します。
2.2 データセットとしてアップロード
OACにログインし、「作成」メニューから「データセット」を選択します。
ダウンロードして微修正したExcelファイルをドラッグ&ドロップするか、クリックして指定します。
「OK」をクリックします。
「保存」アイコンをクリックします。
任意の名前を入力して「OK」をクリックします。
「ワークブックの作成」をクリックします。
3. OACでのデータの可視化
それでは、いよいよ可視化していきます。
3.1 データを確認
空き家率という式を作ってみようと思います。
「+」をクリックし、「計算の追加」を選択します。
「名前」は「空き家率」にします。
式は、左のリストからのドラッグ&ドロップ等を活用しながら作成します。(H110202_空き家数【戸】/ H1100_総住宅数【戸】)
「保存」をクリックします。
最新の調査年である「2018年度」にフィルタし、空き家数と空き家率を地域(都道府県)別の棒グラフにしてみました。
どちらのメジャーも降順にソートしています。
これによると、空き家の多い都道府県トップ3
- 東京都
- 大阪府
- 神奈川県
空き家率が高い都道府県トップ3
- 山梨県
- 和歌山県
- 長野県
でした。
3.2 オーバーレイ・チャートを作成
新しいキャンバスを追加して、オーバーレイ・チャートを作成します。
まず、ベスト・ワーストの合計6都県でフィルタします。
「調査年」と「H1100_総住宅数【戸】」をコントロールキーを押しながら同時に選択して、右クリックします。
「ビジュアライゼーションの選択」をクリックします。
「オーバーレイ・チャート」をクリックします。
チャートの種類を「棒」に変更します。
「レイヤーの追加」ボタンをクリックします。
「折れ線」を選択します。
「マイ計算」の式「空き家率」を折れ線レイヤーの「値 (Y軸)」にドラッグ&ドロップします。
「値 (Y軸)」に配置した「空き家率」をクリックして「Y2軸」とします。
こんな感じになりました。
折れ線を都県別に表現するために、「地域」を折れ線レイヤーの「色」にドラッグ&ドロップします。
見やすくするために「総住宅数」の棒グラフを薄い色に変更してみました。
都市部と地方で空き家率の推移が両極端になるかと予想したのですが、実際には少し違いました。
東京都と神奈川県は空き家の絶対数が多いのですが、そもそも住宅数も多いので空き家率は低いです。しかもこの都県はほとんど同じ推移を示しています。
また、空き家率の高い3県ですが、和歌山県の空き家率が急速に高まっていることがわかります。5年後の調査では順位が入れ替わりそうです。
意外だったのが大阪府です。都市部でありながら、比較的高い空き家率になっています。
4. 参考
「組み合わせ」チャートでも同様の項目を選択してみました。
こんな感じになります。
オーバーレイ・チャートだと、各レイヤーで「色」や「サイズ」が独立して指定できますが、組み合わせの場合はこれらが共有されるので、このようになります。