はじめに
参照レイヤーとは、OAC(Oracle Analytics Cloud)のマップ・ビジュアライゼーションで設定できるレイヤーの一種です。
通常のレイヤーとは違い、データセット等の検索データを表示しません。
参照レイヤーは通常のレイヤーに重ね合わせて使用します。
※ 執筆時点のOACのバージョンはSeptember 2024でした。
サンプルデータ
国土交通省が公開している国土数値情報の中から、洪水浸水想定区域データを参照レイヤーとして使用してみます。
次のサイトから、神奈川県のデータ(A31-21_14_GML.zip)をダウンロードしました。
酒匂川水系(山王川、狩川)のデータをQGISを使用してマージし、浸水深ランクコード別のgeojsonとしてエクスポートしました。
- 酒匂川水系浸水想定域 ランク1.geojson
- 酒匂川水系浸水想定域 ランク2.geojson
- 酒匂川水系浸水想定域 ランク3.geojson
- 酒匂川水系浸水想定域 ランク4.geojson
次に、小田原市オープンデータサイトから、AED設置場所データをダウンロードし、加工しました。
※不要列の削除と、UTF8への変換
参照レイヤーの登録
OACにログインし、「コンソール」メニューの「マップ」をクリックします。
参照レイヤータブに移動して、「+」をクリックして参照レイヤーを追加します。
追加する参照レイヤーは、GeoJSONフォーマットである必要があります。
マップ・ビジュアライゼーションの作成
緯度、経度は集計列ではなく属性列なので、後で変更しておきます。
ワークブックの作成
緯度・経度でマップ・ビジュアライゼーションを作成
背景マップを「Oracle DataViz」に変更しました。
参照レイヤーを追加
事前に作成しておいた参照レイヤーを追加します。
- マップ・ビジュアライゼーションの「文法」アイコンをクリックします
- レイヤー・オプションをクリックします
- レイヤーの追加から参照レイヤーの追加をクリックします
「レイヤー2」が作成されます。
同じことを繰り返して、「レイヤー3」「レイヤー4」「レイヤー5」を作成します。
「プロパティ」アイコンをクリックして、「データ・レイヤー」タブを表示します。
レイヤー5の「マップ・レイヤー」をデフォルトの「None」から、登録しておいた参照レイヤーに変更します。
色を「カスタム」に変更し、任意の塗りつぶしの色を設定します。
凡例タイトルは表示しないようにしておきます。
同様に、他の参照レイヤーも設定します。
色は、ランクが大きくなるに従って、徐々に濃い色になるようにしました。
緯度、経度レイヤーを開きます。
- 名前をカスタムに変更し「AED設置場所」とします
- サイズを少し小さめに変更します(18 -> 14)
- データラベルの位置を変更します(オフ -> 上)
- 列を「名称」にします
- ハローを「カスタム」に変更します
- ハローの色を任意の色に変更します
最後にレイヤーの順番を変更します。
「AED設置場所」レイヤーの「レイヤーの順序変更」アイコンをドラッグ&ドロップで一番上に移動します。